二初夜

二初夜

満を辞してのイチャラブ甘々とろとろ密着正常位種付けプレスだいしゅきホールド中出しスローセックス?初夜


「ああ、んん……」


 夜毎セックスの準備をする二人の営みによって、与一の股関節は可動域を広げ、慎ましかった尻穴はいまやその貞淑さは見る影もなく、男の陰茎を受け入れるための性器になろうとしていた。

 男の唾液と潤滑油でぬかるんだそこは男の三本の節くれだった太い指もやすやすと美味そうに食んでおり、前立腺をクリクリと捏ね回される快感は胎にわだかまるに留まらず、ビリビリと背筋を走り抜けて乳首にも快感をもたらして硬く尖らせるようになっていた。

 男に尻を弄られながら口と舌で愛され尽くしたその乳首は女のようにぷっくりと赤く熟れ、今もその薄い胸に乳を強請るかのように男が吸い付いていて、そして舌で転がされるたびに乳首からも背筋を通って尻に快感が溜まっていく。

 上からも下からも与えられ増幅する快感は際限がなく、その細身を甘く苛む。縋り付いた男の太い首から立ち込める汗に混じった男の雄らしいスパイシーな匂いが脳を揺らし、もはや与ーは目の前の男と一つになること以外考えることができなかった。


「ね、もういいだろう……君のおちんちん、入れてくれ……」


 男の手で尻穴を解され、前立腺をゆったりと撫でられ続け、時折ぐっぐと強く押し込まれたかと思うと包み込むようにくにくにと揉みしだかれ、乳首はねっとりと舐められてからちゅうちゅうと吸い付かれる、鮮烈なのに蕩けるような快感に身を捩りながら、男に身を寄せ意図的に指をきゅうと締め付け尻を揺らし強請った。

 指では届かない奥の奥まで男で満たして欲しくてたまらなかった。もはや尻穴で絶頂できるようになってしまった身で、男と一つになりたい欲望をこれ以上抱えたらどうなってしまうか与一にもわからなかった。


「……わかった」

「あ……」


 指が抜かれると埋められたものが取り上げられ口寂しい尻穴ははくはくと何かを食むように口を開き、たっぷりと入れられた潤滑油が愛液のようにとろりと一筋溢れ、男の劣情を煽った。

 男が一部が色の濃くなったグレーの下着からペニスを取り出すと、もはや扱いて勃たせる必要もないほど力強く脈打って天を仰ぎ、鈴口から涎を垂らしていた。

 与ーは期待から口の中に溜まった唾液をこくりと飲み込む。


「挿れるぞ……」

「うん……来て……」


 男は独り占めするかのように与一に覆い被さり、与一の両足の間に腰を入れ、陰茎を支えて尻穴にピタリを添えた。与一は待ち望んだ来るべき瞬間に胸を高鳴らせて、四肢の全てで男を抱きしめて笑みを浮かべた。

 男は一気に挿れることはせず、じわじわと腰を押し進めていった。尻穴が徐々に陰茎の形に広がって、亀頭で道が切り開かれてゆき、カリ首が前立腺を引っ掛けて、幹全体で胎の中を擦り上げられる。男のペニスから与えられるすべての感触の一つ一つを与一はつぶさに味わった。


「ああっ…………」


 腹を男のペニスで満たされると、与一の身体は歓喜に打ち震えた。そのまま男にぎゅうと抱きしめられると互いを互いのためにピッタリと誂えたかのようで、二人の境界が曖昧になっていくような気さえした。

 男の腰と陰毛が与一の尻をくすぐり、陰茎が全て埋められた瞬間、与ーは全身を震わせて声もなく絶頂した。


「う、くっ……」


 男もまた同じ感覚を共有していた。与一の柔らかく温かな胎に優しく包まれた陰茎は溶け出してしまったかのようで、もはやこの身体は己の物ではないのかも知れなかった。

 俺だけだ。与一と一つになったのは、後にも先にも俺だけ──。


 どれくらいそうしていただろうか。一つに合わさって互いの所有物になった法悦に身を委ねていた二人はすでに汗みずくで、身じろぎをして尻からぐちゅりという水音が聞こえたところで始めて男が射精していたことに気がついた。


「ん……気持ちよかったね……」

「ああ……」

「でも……おちんちん、まだおおきいね……」


 与ーが男のペニスの形を確かめるために尻を揺らしながら尻穴できゅうと陰茎を食むと、男の腰と陰茎がビクリと跳ね、ドクドクと脈打ち始めるのがわかった。


「続きをしよう……?君でお腹いっぱいにして欲しい……」

「……動くぞ」


 本来なら強靭な膂力を発揮する足腰を持っているというのに、動き出した男の腰使いは非常に慎重で、その凶器で傷つくことがないように与一の胎内を探っており、彼という男の人間性がそのまま表れているようだった。

 陽根の形に合わせて伸び切った尻穴は待ち望んだペニスを愛しそうに食んで離さず、まるでテイスティングのように、与ーはその胎でピッタリと包み込んだ男のペニスをじっくり味わった。

 男のペニスはその体格に相応しく与一の胎を臍の下あたりまでを満たすほど長大で、浮き出た血管がわかるほど一部の隙もなくみっちりと胎に収まっている。太い幹は雄々しく反り返って胎を擦り上げ、雁首の段差は高く、胎を甘く引っ掻く。


「僕のお腹、君のおちんちんの形になってる……熱くて硬くて大きい…………♡」


 与ーは愛しい男のペニスさえも愛しくて堪らないと言った様子で恍惚の笑みを浮かべている。

 男はそんな与一の様子に目を細めて魅入っており、男もまた与一への愛しさを伝えるために、口や手、そしてペニスで与一を愛することに専念した。

 おとがいを傾けて舌を絡めあい、大きな手で与一の浮き出た肋骨をなぞる。

 ゆったりと腰を送り、ペニスにピッタリと寄り添う胎を亀頭で割開きながら、その高い雁首で引っ掻くように与一の前立腺を探る。

 角度をつけて腹側を抉ると前立腺が亀頭で突き上げられ、与一の脚が跳ねる。雁首で擦られてからそのままずるずると奥まで入りながら幹全体で圧迫され、そして腰を抜くときにまた雁首の段差で大胆に引っ掻かれる。

 ゆっくりと、しかし絶え間なく前立腺へもたらされる快感に、与一の尻穴と胎がきゅんと男のペニスを締め付ける。

 

「ああ……♡そこ、きもちい……おちんちん、もっと突いて……♡」


 与ーは男の陰茎で前立腺を愛撫される快感に酔いしれて、男の動きに合わせて無意識に尻を揺らした。

 男は与一の淫靡な動きに煽られて、顔を与一の首筋に埋めて耳の下に吸い付いてからキスを降らす。

 いつもはほとんど体臭のない与ーも、男との睦み合いの最中は嗅ぐだけで下半身がズンと重くなる柔らかで淫蕩な匂いを漂わせていた。

 そのまま徐々に下って鎖骨を甘噛みし、その薄い胸板の上で健気に膨らんで刺激を待ち侘びていた乳首に熱い吐息を吹きかけた。


「ふあ……♡」


 与一の手が爪を立てて男の背を甘く引っ掻いたあと、胸元にある男の頭を柔らかく抱き込む。

 夜な夜な男に愛された乳首は吐息を吹きかけられるだけで期待に震える有様だった。

 与一の様子をチラリと見やった男は、快感への期待に彩られた悩ましげな顔にフッと笑いかけて、見せつけるように口を開いて乳首を迎え入れた。


「ああッ♡」

「ン……」


 硬くしこった乳首は男の大きな口でも咥えやすく、その肉厚な唇に挟まれるたび歓喜に震えた。厚い舌でゆっくりと舐め上げられたのち、舌先で弄ばれるように転がされる。

 唇で挟んで吸い込みながらちゅぱちゅぱと上下に扱かれ、与ーは出もしない乳を飲ませている錯覚を覚える。このお堅い男が赤子のように乳を飲んでいると思うと可愛くて、与ーは快感に震える手で男の短い薄茶の髪を撫ぜた。

 男が乳首をちゅくちゅくと吸う間も、腰は一定の速度を保って与一の胎の浅いところにある前立腺をグッグッと穿ち、与一の胎も男のペニスにしゃぶりついて離さない。


「ねえ、反対側のおっぱい寂しいよ……こっちも触って……♡」


 もどかしげに左胸を自分の指でカリカリと引っ掻く与一を見て、男が迷わず右手でその乳首を摘み上げてくりくりと捏ねてやると、与ーはたまらないと言った様子で背中を反らし、きゅうと胎内がペニスを甘く吸い上げた。

 男の額とペニスに浮き出た血管がピキピキと脈打つ。

 最後に強く扱き上げながらちゅううと強めに乳首を吸い上げ、離す。もはや嬌声さえ上がらなかった。愛され尽くした乳首はぽってりと充血して、空気に触れることさえ快感に繋がっているようだった。


「……ッ♡!……ッはあ……♡」

「ふ、ふっ、与一……」

「はあっ……はあっ……♡ね、きもちいい?きみもきもちいい……?」

「ああ……お前と同じだ……」


 男は額を突き合わせて鼻をすりすりと擦り合わせる。常は強い意志の光を宿している瞳はとろけきっていて、目の前の男を映すばかりだった。

 与ーがたまらず男の太い首に縋り付くと、過ぎた快感でそのまなじりに溜まった涙を男が舐めとる。

 迫り来る精の予感に、男の腰は、男も知らぬうちにその速度を徐々に早めつつあった。睾丸は精を解き放つために硬く収縮しており、与一の胎の中でペニスはより一層逞しさを増していた。

 たん、たん、と男の腰と与一の尻が奏でる乾いた音の合間に、ちゅくちゅくと水音が混じる。

 普段は仏頂面で清廉潔白な男が肌を高潮させて悩ましげに眉根を寄せ、息を上げて腰を振って愛を伝え、愛を乞う姿に、与ーの胸から男への愛しさが溢れ出した。


「大好き、あんっ……♡大好き……ッ♡」

「はッ……はッ……与一、愛してる……」


 与一が快感に痺れた四肢を男の身体に巻きつけてなんとか身を寄せようとすると、男は右腕で与一の背中を通って肩まで手を回して支え、左腕で半ば抱き上げるように持ち上げた薄い尻に向かって、上から振り下ろすように腰を振ってペニスを包み込む胎動をより一層味わった。

 角度の変わった挿入はより深く二人を繋げ、男の肉槍で杭を打たれているような有り様だったが、与一の胎は男の逞しい男根による蹂躙を貪欲に求めた。

 雁首の段差が尻穴に引っ掛かるまでペニスを引き抜き、胎が寂しがる間もなくペニスで満たす。

 雁首は胎を奥まで貫く合間に、強烈な悦楽を生む前立腺を突いては引っ掻いてを繰り返しては、胎にきゅうきゅうと抱きしめられる。

 血管がいくつも浮き出る太い幹とその形に寄り添う胎の甘い摩擦による身体の昂りは、今や出口を求めてネズミ花火のように身体中を走り回って神経を甘美に焼いた。


「はあっ♡はあっ♡もう、僕……ッ♡あぁん……ッ♡」

「ふ、くっ、出るッ……!」

「あっ!僕も、ぅんっ♡出してっ!あっ!来る♡来ちゃう♡ううん〜〜ッ♡」


 求め合うままに呼吸を交換すると、脳裏に火花が散って、一瞬のホワイトアウト。

 身体中の血管がドッと広がって血流が一気に身体をドクドクと駆け巡る感覚、噴出した汗が表皮を伝う感触、相手に触れた箇所から熱で溶け出して口から四肢から胸からペニスから胎から一つに癒着してしまいそうなのに、だからこそお互いの肉体の存在をハッキリと認識する瞬間。

 全てが1秒にも満たない間に互いの体内を駆け巡って、ああこのために身体をつなげたのだと理解した。


 絶頂により不随に跳ねる与一の身体と陰茎を締め付けしゃぶりついてくる尻穴と胎が戦慄いている間、男もびゅくびゅくと与一の中に熱い精を吐き出していた。

 男は射精の間、まるで孕ませるかのように与一の胎に自分の精液を塗り込めるように腰を揺らめかせるので、与一は脈打って跳ねるペニスが胎を擦る感触にまた絶頂を後押しされていた。


 愛しい男の欲望を一身に向けられ、男の精子で胎を満たされた与ーは、これまで感じたことのない充足感に満たされていた。

 男との間に、本当に何かを孕んでしまったような予感さえあった。いいや、孕んでしまいたいのだ。この男との間に何を残したくて仕方がなかった。


「はあ、はあ、ううん……♡」


 胎で達した与一はなかなか絶頂から降りてくることができず、その細い身体の中で渦巻く快感に内側から叩かれているように身体を震わせ、射精を終えた男がペニスを引き抜く感触にさえ過敏に反応した。

 男は陰茎を引き留めるように甘く絡みついてくる胎の誘惑を振り切って、細く息を吐きなんとか腰を引き抜いた。

 与一の尻穴は男の陰茎を失った口寂しさではくはくと口を開き、ペニスによってもたらされた快感を反芻しているようだった。


「気持ち、よかった……ね……♡」

「ああ……大丈夫か……?」

「うん…………」


 セックスの余韻が冷めやらぬ与一の吐息は未だ熱く、男の腰をずくりと甘く刺激したが、男は鋼の理性でもって勃起したがる己を律した。


「君も、いっぱい出たね……♡」


 まだ口を開いている尻穴からは男が吐精した精液が溢れていて、そこで初めて男はゴムをすることをすっかり忘れていたことに気がついた。鋼の理性も与一の前では形なしである。

 あるまじき失態に壁と向き合いたい気分だったが、セックスの後の余韻もパートナーとのコミュニケーションには重要である。男はティッシュを手繰り寄せて優しくそれを拭った。

 ペニスに擦られて快感を得ることを覚えた尻穴は赤く蕩け、その刺激にもヒクヒクと口を震わせ甘い吐息をこぼす始末だった。


「ねえ、こっち来てくれ……腕をこっちに……」

「うん?こうか」

「うん、そう。いい感じだ」


 身体を苛む甘い痺れが落ち着くまでしばらくかかりそうだと思った与ーは、あらかた拭き終わった男に腕枕を所望した。

 折り曲げた太い上腕に首を乗せ、男の胸元に腕を置いて素足を絡め、男が余った片腕で与ーを抱き寄せると、興奮冷めやらぬままさあピロートークと洒落込もうじゃないかという面持ちだった。

 初めて身体を繋げた初夜だというのに、これではいつもの睦み合いのほうがよほどセックスの後のピロートークのようだな、と男はおかしくなって与一に薄く笑いかける。

 表情が乏しいというわけではないが、硬い表情をしていることが多い男にとって、その笑みは貴重だ。しかし与ーと二人きりの時は、実は男はいつも笑っているのだ。表情を作らなくても、男が与ーを見つめる目はいつも雄弁だった。

 与ーしか知らない事実に、与ーも男に微笑みを返す。


「次はもっと激しいえっちがしてみたいな」


 男が盛大に喉を詰まらせる。

 激しいえっちとは一体なにか?SMプレイ的なことだろうか。男は思考が明後日の方向に飛んだのを自覚した。なんとか言葉を絞り出す。


「………………もっと体力をつけろ」

「一説によるとセックスで消費するカロリーはジョギング15分に相当するって聞いたことがあるよ?えっちをするためにえっちをする……ふふ、刺激的だね。協力してくれる?」

「……セックスもいいが、運動をしてタンパク質をしっかり摂れ」

「うーん鋭意努力中だ」


 与ーが甘えるように上腕に擦り寄り、ぺちぺちと男の胸板を叩く。

 与一の望むピロートークは果たしてこれで良いのだろうか。男にはわからなかったが、与ーは終始楽しそうに他愛のないおしゃべりを続け、いつのまにか眠りに落ちた。

 きっと次の性交の日も、取り留めのない会話をするのだろうと確信を持ちながら、与ーを抱き寄せて男も眠りについた。

 次はゴムを付けるのを忘れない。そう己に言い聞かせて。


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