二人目

二人目


「申し訳ありません○○様、テゾーロは今買い物に行ってくれてまして…

もうすぐ帰ってくると思うのですが…」

「構わん、状況が状況だからな

むしろ約束より早く来てしまったの我々の方が謝るべきだろう」


ステラに迎えられた私は、そのままダイニングへと通された

ちなみにウタは抱き着かれたままリーテに連れられ、今の方で遊んでいる

最近はウタに教えられた腕相撲がお気に入りのようで、何とかウタに勝とうと毎日のように挑んでいるが、一度たりとも勝てたことはい

それでも向かってくるリーテが可愛いのか、ウタも律儀に毎回付き合っている


と、そうこうしているうちに、ステラが盆にコーヒー入りのカップとソーサーを置いて持ってきた

しまったな、手伝えばよかったか


「すまんなステラ、そんな状態のときに…」

「いえ、今は体調もいいので、これくらい平気ですよ!」


そういいながらステラはテーブルにカップのほか、持ってきた砂糖壺などを並べている

その腹部はゆったりとした服装の上からでもうっすらわかるほど膨らんでおり…


「だいぶ大きくなってきたな、経過はどうだ、順調か?」

「えぇ、もう安定期に入りましたし、悪阻もあの子の時ほどひどくなありませんでした

お医者様にも、とても順調に育っていると言っていただけて」


そう言いながらステラは実に幸せそうに笑う

察しのとおり、ステラの腹には彼女らの二人目の子が宿っている

つまりは、リーテの弟か妹だ

彼女はソレがよほどうれしかったらしく、下の子が出来たと説明されたときは飛んで喜び、私やバカラなど屋敷の者たちのほか、劇団のスタッフ一人一人にそれを説明して回ったほどだ


…正直な話、こんな状態のステラを相手に家まで訪問し、この話をするのもどうかとは思った

今は精神的にも肉体的にも最も不安定と言っていいタイミング、余計なことを考えさせてストレスを与えるようなことはしたくはない

とは言え、様々なことが立て続けに起こるこの時代、話せることは話せるうちに話しておいた方がいいだろう


と、そう考えていると、玄関の開く音がした

ようやく、一家の主が戻ってきたようだ


「ステラ、ただいま…、!○○様、いらしていたんですか!?」

「…あぁ、邪魔しているぞ、テゾーロ」


これで役者はそろた

さて、話を始めるとしようか


…ウタの、今後に関して

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