二人の聖女がバージェストマに襲われる話
ガメシエル

「ふっ!!」
「やあっ!」
「ギャアッ!!」
「ギシャッ!」
湿原の中、鎧を纏った女騎士が直剣で怪物を切り裂き、巨大な槌を持った聖女が得物で叩き潰す。教導国家ドラグマの騎士、フルルドリスと聖女エクレシアだ。
「ギシャッァ…」
「ギッギッ…」
「はぁ…はぁ…お姉様、この海老みたいなの全然減りません!」
「そうですね…エクレシア、私からできるだけ離れないでください」
「はい!」
突如現れた古代の生命体、バージェストマの群れに囲まれる二人。戦い慣れていないエクレシアはすでに息を切らしており、そんなエクレシアを庇いながら無数に現れるバージェストマと戦うフルルドリスも歴戦の勇士とはいえ兜の中に額に玉のような汗を浮かべていた。
バージェストマは力は弱いが、その物量で二人を苦しめていた。そんな群れの中から、一際大きな個体が2体飛び出し、エクレシアに襲いかかる。
「「ギギィィ!!」」
「きゃあっ!」
「!エクレシア!」
エクレシアの前に立ち、2体の攻撃を凌いだフルルドリス。その眼の前には牙のような巨大な触手を持つバージェストマ•アノマノカリス、象の鼻のような口吻を持つバージェストマ•オパビニアがふわふわと浮遊していた。
「今までのとは違う…大丈夫ですかエクレシア」
「はい、なんとか」
「私はここで軍勢を抑えます。貴女はここから撤退、他の騎士達を呼んでください」
「そんな…お姉様が危険です!」
フルルドリスは2体の攻撃を凌ぎつつエクレシアを逃がそうとする。
「私は大丈夫です。ですが貴女はドラグマにとって大切な人…傷つける訳にはいきません。くっ!」
「お姉様…分かりました。絶対に騎士の人達を呼んで戻ってきます!」
「では下がってください。はああああ…!」
フルルドリスは力を溜めるが、その隙にアノマノカリスが攻撃をしようと襲いかかる。だが、それは悪手だった。
「ドラグマ•パニッシュメント!!!」
打ち下ろされた雷撃はアノマノカリスごとバージェストマの群れを吹き飛ばした。
「今です!」
「はい!気を付けてください!お姉様!」
開けた軍勢に向かってエクレシアは走り、その前にフルルドリスが立ちふさがる。
「来い…化け物共!」
吹き飛ばされた者とは別のアノマノカリスがまた水の中から現れる。しかし、自由に戦えるフルルドリスの相手では無かった。
今まで以上に勢いが増すバージェストマの攻撃だが、それをものともせずフルルドリスは敵を薙ぎ払っていった。
「ギシャアア!!」
「はあっ!」
オパビニアの口吻を切り裂き、そのままの勢いでアノマノカリス、オパビニアの胴体を真っ二つにする。補充されるように2体の別個体が現れたが、更にその後ろに今まで確認していない個体─バージェストマ•カンブロラスターが現れた。カンブロラスターに付き従うように2体のバージェストマは浮遊…襲ってくる様子は無かった。
(…?襲って来ない?どうやらあの小さい奴が群れのリーダーのようだ)
他の個体は姿を見るや飛びかかるほど凶暴だったが、それは隙を伺うように漂っていた。そして、その姿を見た他のバージェストマも攻撃をピタリと止めた。
(降伏?いや、敵意はそのままだ。何を考えている…?)
「まあいい。来ないならばこちらから向かう!はあっ!」
新手を群れの指揮官と考え攻撃を仕掛けたフルルドリスだが、それは庇うように突っ込んだオパビニアの甲殻に弾き返された。
「何っ!?」
見ると、アノマノカリスとオパビニアの体に有象無象の内の一体だったバージェストマ•エルドニアが引っ付いていた。それはまるで装甲を纏ったかのようだった。
「虫もどきが小細工をっ!」
2体を相手に攻撃するフルルドリスだが、オパビニアが盾のようにアノマノカリスを庇い、その間隙を縫ってアノマノカリスが攻撃をするというコンビネーションでフルルドリスに確実にダメージを与えていく。更に他のバージェストマもアシストをするかのように統率された動きで襲いかかってくる。
「ぐっ!…くあっ!」
兜をはじき飛ばし、体を覆う鎧もベコベコと歪み、割れていく。紫の髪が現れ、砕かれた鎧の隙間から黒いインナーが覗かれる。
「おのれ…!ドラグマ•パニッシュ…」
「ギニャッ!!」
「なっ、しまった!」
大技のドラグマ•パニッシュメントを打とうとした瞬間、赤紫の三葉虫、バージェストマ•オレノイデスが体を丸めて突撃し、剣を弾き飛ばした。そして…
「ギシャアアッ!!」
「ぐあああっ!」
アノマノカリスの一撃で吹き飛ばされてしまった。
「ぐはっ…この…」
「きゃあっ!」
「え…?な、エクレシア!?」
立ち上がろうとしたフルルドリスの後ろから、ボロボロのエクレシアが飛ばされてきた。その方向を向くと、アノマノカリスとオパビニアの別個体がこちらに向かって来ていた。
「ごめんなさいお姉様…助けを呼べませんでした…」
「大丈夫ですか!?くっ…おのれぇ…!!」
怒りを向け、立ち上がるフルルドリスだが、そこに蛇のように体が長いバージェストマ•カナディアが現れ、二人の首筋に長いひげを突き刺す。
「痛っ!」
「この…むし…め…あ?」
(何だ、意識が朦朧と…)
フルルドリスは立ち向かおうとしたが、カクンと膝から崩れ落ちた。カナディアの毒針により、二人は猛烈な眠気に飲み込まれていった。
「おねえ…さま…すう…」
「えくれ…し…」
二人はそのまま地面に倒れ、穏やかな寝息を立ててしまった…
「ん…あ…?」
目が覚めたフルルドリスは辺りを見回す。どうやらそこは洞窟のようだ。
「私は…そうだ、あの怪物に…」
単体では負けるはずのなかった相手に敗北したことに唇を噛み下を向くと、鎧はすでに無くなり、ぴっちりとした黒のインナーだけになっていた。
「…っ、エクレシアは!急いで探さなければ」
同じ様に眠らされていたエクレシアもこの洞窟のいると考え、暗い洞窟の中を進んでいく。
「…この音は?」
枝分かれした道を進むと、何か物音が聞こえる。その方向に向かっていくと、そこには異様な光景が広がっていた。
グチュッ クチュッ グチュッ
「あっ♡あん♡やっ♡んああっ♡」
全裸のエクレシアの周囲をバージェストマが群れていた。バージェストマ•ディノミスクスがヌメヌメした青白い触手で手足を磔の様に広げている。体の長いバージェストマ•ピカイアが巻き付き、毛の生えた胴体でエクレシアの小ぶりな胸や脇を撫で回しているのが見える。更にその背後には柔らかい体を殻で覆うバージェストマ•レアンコイリアが股間に顔を埋めている。
異形が体に纏わりつく悍ましい状態だが、エクレシアは
「あはっ♡そこ♡きもちっ♡ああっ♡」
顔を赤らめてだらしなく舌を垂らし、抵抗する様子はまるで見せずむしろ欲しがっている様に見える。
「な…エクレシア…?」
信じられない光景に動揺し、一歩下がってしまったフルルドリス。その時、何かを踏んづけた感触を感じた。
「はっ!うわあっ!?」
足首を触手で縛られ、逆さ吊りにされる。物陰から背中に何本も突起を生やした触手の持ち主、バージェストマ•ハルキゲニアがのそりと姿を表した。
「おのれ、…?うわっ」
睨みつけるフルルドリスだが、突起の先端から出たガスを顔に浴びてしまう。
「げほっげほっ…この、ぅんっ!?」
ガスを吸い込んだ途端、全身から力が抜けそれと同時に体に痺れが走る。その痺れは特に胸と下半身に顕著だった。
「うああっ なんだこれはぁ…!?」
インナーと肌が擦れるとピクピクと体が意思と関係なく跳ね上がり、擦れる度に全身に快感が湧き上がる。酒を飲んだ時の様に体が熱くなり、その熱は強い痺れと同じ部分で強くなる。
突然の異常にパニックになるフルルドリスの四肢を触手が拘束する。腕と脚を広げられ、幼児に用を足させるような格好にさせられる。
「やめ、ろぉ…♡はなせ…ひぐぅぅ♡」
逃れようとジタバタするものの、動く度に甘い痺れがフルルドリスを襲う。
「あれぇ♡お姉様がいる♡」
「はっ!エクレシア!」
ハルキゲニアに捕らえられたフルルドリスにエクレシアが気づく。その目は虚ろだった。
「大丈夫ですか、エクレシア!?」
「はぁい♡皆さんに気持ちよくしてもらってます♡」
「何を言っているのですか…?まさか、エクレシアも今のガスを!止めろ!下衆め!」
エクレシアも同じ様に媚薬のようなガスを嗅がされバージェストマに犯されていた。聖女として育てられ、性に関して疎かった彼女は、この怪物に与えられた快感の虜になってしまったのだった。
バージェストマに向けて怒鳴るフルルドリスだが、この奇妙な怪物がそれを気にする筈もなくエクレシアから離れる様子もない。
「止めろって何言ってるんですかお姉様♡こんなに気持ちいいのになんでやめちゃうんですかぁ♡」
(エクレシア…正気を失っている。なんとかこの状況から助け出さなければ!)
「エクレシア、目を覚ましなさい!」
「お姉様も一緒に気持ちよくなりましょお♡」
「エクレ…んあっ♡」
フルルドリスの体にディノミスクスの触手がまとわりつき、インナーをビリビリと引き千切っていく。滑った触手は絶妙な力加減で肌を刺激し、快感を蓄積させていく。人並みに性について知ってはいたが、騎士としてそうした行動はしてこなかった。時たまに劣情を催すことがあっても、激しい鍛錬によりかき消していた。そんなフルルドリスにとって今彼女を襲う感覚は初めてのものであり、強靭な精神を削るのに十分だった。
裸に剥かれたフルルドリスの大きな乳房にディノミスクスの触手が向かう。
「んあっ♡この…ふああっ♡」
胸にぐるぐると巻き付いた触手は、まるで揉み込むかの様にそれは収縮と膨張を繰り返す。強すぎず弱すぎずの愛撫は確かに快感を与え、フルルドリスをより発情させる。
(クソっ、ただ胸を潰されているだけなのにこんなに快感が…♡それに、この煙は♡)
「あはあ♡これ♡しゅごくきもちよくなるっ♡いいっ♡」
エクレシアは辺りに漂い始めた煙をはあはあと浅い呼吸で吸い込んでいる。ハルキゲニアがまた媚薬ガスを吹き出し始めたのだ。
「だめだ♡このガス、すったら♡んんっ♡へぁぁ…♡」
息を止めようとするも、二体目のピカイアがフルルドリスの股間を撫でる。今まで体験したことのない快感に背を思い切りのけぞらせ、腰をカクカクと動かす。秘唇は開いて湿り、皮を被ったクリトリスはピクピクと勃起する。更に、ディノミスクスが爪でカリカリと乳首をかき始める。ガスの影響でぴんと勃っていたそれを絶妙な力で引っかかれ、フルルドリスを責める。
「くふぅっ…♡こっ♡こんなものに、わたしがまけるかぁ♡」
未だ身を委ねない獲物を見たピカイアは、ぐるりと丸まり体をタイヤの様にすると、
「ゔーっ♡ふゔーっ♡」
(こいつらもいずれ疲れが来るはずだ。その隙にここから逃げ出すんだ…)…?」
フルルドリスの陰部に体を当て、そのまま高速回転した。
「!!?〜〜〜〜〜〜〜〜っ♡♡♡」
一瞬時が止まったように感じた。その後に脳が処理しきれないほどの快感がフルルドリスに襲いかかる。
刷毛のような体毛はフルルドリスの割れ目や陰核を撫で、絡みついた毛が通り過ぎるときにクリトリスをしごく。それだけでなく勢いのついた毛はフルルドリスの下腹部を叩き、体の外から膣内を責め立てた。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛♡♡♡」
ぷしゃあああああああ…
(これ───あたま──おかし───)
強烈極まりない乱暴な愛撫に壊れたオモチャの様に全身をガグガクと震わせる。この時フルルドリスは初めて絶頂した。だが絶頂は途切れることが無かった。自慰行為もろくにしたことがないフルルドリスにとって、これは拷問だった。媚薬ガスでイキやすくなったアソコからは壊れた蛇口のように潮がとめどなく流れていた…。
永遠とも思える時間が経ち、ピカイアの回転の回転が止まる。
「あ────が─────」
フルルドリスはビクビクと体が跳ね上がったあと、気絶したかのように脱力した。その目からは光が消え、真っ赤になった陰部からじょろじょろと潮混じりの尿が漏れ出てくる。
「んああああっ♡はあ…はあ…もう…むりぃ…♡」
時を同じくしてエクレシアも絶頂して潮を噴水のように吹き出す。エクレシアの陰核を舐め続けていたレアンコイリアは地面に降り注ぐ潮を舐め取ると、ゆっくりと下がっていく。
触手を解いたディノミスクスは二人を地面に捨てると、そのまま岩陰の中に消えていく。そこには古代の怪物に無様に嬲られた二人の聖女が仰向けに倒れていた。
洞窟の奥からフルルドリス達を捕えたカンブロラスター、アノマノカリス、オパビニアが現れる。
「ぅぁ…もぅ…やめて…くれ…」
「わたしも…やだぁ…」
何度も何度も絶頂させられ満身創痍の二人はすでに心が折れていた。
アノマノカリスが触手でフルルドリスの、オパビニアが全身のヒレでエクレシアの足を広げさせ捕えると、カンブロラスターは最初はエクレシアの方に歩いていった。すると緑色の口を伸ばしていき、それをエクレシアの膣内に挿入し、性交するかのように前後に動かしていく。今までのバージェストマの責めは膣内を直接責めるものではなく、その処女は守られていたが、今それは破られ、割れ目から血が流れる。しかし、ガスや快感で感覚が狂い、痛みを感じずむしろ快感になってしまった。
「んんっ!んっ!んあっ!ああっ♡」
子宮口をつつくような動きに、またも喘ぎ声に嬌声が交じる。
「エクレ…シア…しっかり…してくださ…い」
「んんっ!んああああっ♡♡」
またもエクスタシーに達し、ガクリと脱力するエクレシア。それを尻目にカンブロラスターは今度はフルルドリスの方に向かい、口を膣に突き入れる。
「やめ…ろ…くふぅっ!」
フルルドリスもまた処女だが破瓜の痛みは無く、ただ性感が怪物の無遠慮な挿入でも感じてしまっていた。
「あっ!あっ!ああっ♡」
神経が昂った体ではすぐに絶頂を迎えそうになる。すると、カンブロラスターの口内から何かが移動するように動いているのが見えた。
「クソぉ♡またぁ♡んんんんんっ♡」
絶頂に達すると同時に、フルルドリスは膣奥に何かを送り込まれた感覚を感じた。しかし、それも快感でかき消されそうになる。
───そもそもバージェストマが二人を襲ったのは卵を他の生物に植え付け、それを母体に幼体を生み出すためであった。まず下級のバージェストマが母体を捕え、性感を与えることで受精、発育しやすい状態に整える。そしてカンブロラスターが母体に卵を産み付け、アノマノカリス、オパビニアが母体に精子を注いで受精させるのがこの生命体のサイクルだったのだ。今二人に卵を産み付けた。ここからフルルドリスとエクレシアは2体のバージェストマに犯される運命だった。
「きゃあっ」
「うあっ」
地面に投げ出された二人の前にはバージェストマの巨大な交接器が向けられていた。
二人の聖女が戻ってくることは無かった………。