二人と一人
ペパアオss 126 132
誰もいない教室でアオイとペパーは明日に控えたピクニックの話をしていた。
「(イチャイチャしてんなー相変わらず
、肩くっついてんだろあれ)」
窓辺で会話をしている二人の直線上にあるドアの外で覗き見する男。
忘れ物を取りに教室に来たところペパアオに出くわしたのだ。
「(なんつーか妬み嫉みが浮かばないんだよなー)」
もはや心の中で推しと化した仲睦まじい二人の様子は見ていてテンションが上がっていく。
すると身振り手振りか大きくなったアオイがペパーの方へ身体が傾いた。危ないと思う間もなくペパーが抱き止めさらに距離の近くなった二人は見つめあう。
ペパーの手がアオイの頬に触れ、ほんの少し伏し目がちになり、それに応えるようにアオイはぐっと目を閉じた。
「(うぉぉぉぉぁぁキスするぅぅぅぅ!!!)」
息を止め瞬きすら忘れテンションがぐぐーんと上がっていくのが分かる。見逃す分けにはいかない、
その時ーー。
風など吹いてないのにカーテンが舞い上がり一瞬二人を消し、現れる。
決定的瞬間を見逃したがそんなものはどうでも良かった、頬を染めうつむくアオイと溶けそうなほど甘く熱い視線を向けるペパー。
春の日差しより夏の爽やかさよりも清々しい空気に包まれたこの一時はなによりも幸せだった。
「(いいもん見れたぁぁぁ)」
思わず涙ぐんた目元を拭うと、ピリッとした視線を感じた。その先にはペパー。
アオイにわからぬよう抱きしめマフィティフよろしくこちらを睨んでいた。
ドキリと心が冷え、どこかのミミズズのようにエントランスまで地を駆ける。
「っ、あーー、マジびびった。どっから気づいてた、、」
ぜぃぜぃと肩で息をしながら一人佇む。
「ペパアオご馳走様です…!!! 」
おわり