予想外の裏切り〜真の仲間入り

予想外の裏切り〜真の仲間入り

通りすがりのSS大好きおじさん

夜も深くなりつつも本日は喧騒が絶えないガレーラカンパニー本社。なぜなら前日麦わらの一味によるアイスバーグ暗殺未遂事件があったのだ。そして今夜も襲撃備え厳重に警備を固めていたのだが。仮面をつけた四人組により社内は混乱に陥っていた。そしてアイスバーグの部屋にて仮面を外した四人組、組長のロブ・ルッチ、カク秘書のカリファ、そして酒場を務めていたブルーノ。さらにここにいるはずがない麦わらの一味、ドレークがアイスバーグの前に集っており。カティ・フラムがフランキーとして生きていることを知り探しに行こうとした時だった。『バキバキバギィ!』『ズバン!』ズズゥン

隣の壁からルフィと最後の組長パウリーが、正面の扉からゾロ、チャカ、モネ、ローが突撃してきたのだ。

「ドレークは何処だァァ!!」

「ルフィ⁉︎お前何処から…!」

「邪魔を…!」

三者三様の反応を取り、現場は混沌としてきている。(パウリーの流れは原作通りなので割愛)

ルッチの手によって重傷を負わされたパウリーをルフィが手を伸ばし回収する。ルフィは今のこの事よりドレークの事で聞きたいようだ。

「ドレーク!お前、なんでこいつらと一緒にいるんだ!」ルフィは血気迫る表情でドレークに問いかける。それを見て諦めた表情で

(…限界か。)「M:C42010、【海軍本部】X・ドレーク少将。麦わらの一味船長、モンキー・D・ルフィ……急激に成長するお前を政府は危惧し。監視する為にスパイとして潜入していた………」やや俯き、そして覚悟を決めた表情で

「俺は海兵だ」拳銃をルフィに向けた。それだけだ、それだけの行動だったが決定的な、それでいて一味にとっては衝撃的な告白だった。ルフィ達の表情は驚愕に塗れている。

「は…?何言ってんだ、ドレーク、嘘だろ?お前が海兵なんて、嘘ついてんじゃねえよ!」

突きつけられた真実を受け入れ難いようだ。ルフィのいつものように達者な口が回らなくなっている。

「ドレーク、お前“も”…」何かを思い出すのか複雑な表情を浮かべるロー。一味全員が現実を受け入れ難い。そこにロブ・ルッチが追い討ちを掛ける。

「諸君らの心情察するに余りある。長く苦楽を共にした“仲間”、その一人が海軍のスパイだった事は受け入れ難いものだろう。だが、現実はこの通り、ドレーク“少将”が我々側にいることが最大の証拠じゃないか?」冷静に、あくまで淡々と真実を伝えるロブ・ルッチ。(以下の流れは同じなので割愛)

「先に行け、ドレーク“少将”」ルフィを片手で押さえつけ。ドレークに先に行くように促すルッチ、こちらを振り向き、複雑な表情を浮かべるドレーク。

「貴様もスパイとして活動するならば、余りこいつらに肩入れしすぎるな。ドレーク」と厳しいことばをなげかける。それを聞いたドレークは俯きつつも

「……あぁ、わかっている。先にブルーステーションに向かっておく。もう会う事もないだろう。さらばだ、麦わらの一味」そう言い残しドレークは窓から飛び降り姿を消した…。

〜時を飛ばし海列車まで〜

【海列車-列車内】この海列車は、罪人カティフラムことフランキー、そして海賊のスパイとして潜入していた海軍少将ドレークの護送のための緊急便である。W7にて麦わらの一味を撃退したCP9、および政府の役人は到着の時を待っていた…しかし。

「三点切分!」ドドン!ガシァァン!

「アルティメットハンマー!」ドゴォン!ガラガラ

麦わらの一味の“料理人”サンジ、そして誤送対象のフランキーの手によってとうとう最終車両まで辿り着いた。そして最前車両では。

「貴様!やはり海賊…」ジャキン!

「うるせぇ、少し黙ってろ、“カウンターショック”‼︎」バリバリィ!

こちらも同じく“船医“ローによって役人が黙らされていたところだった。

「お前にはまだ聞きたいや話すことが沢山あるぞドレーク、船に戻るぞ」船に連れ戻そうとするローに対しドレークは

「屋敷での話を聞いてなかったのか、俺は海軍だ、お前達の仲間ではない、ましてや話すことなど尚更だ」と切り捨てる。すると後方から騒音がする。どうやら残りの二人のケリもついたらしい。

「聞こえるか、サンジと…あのフランキーとか言う変態もお前を引き連れに此処まできてる。W7でアイス屋からお前の真相を聞いた。皆お前の真相ももうわかってる」以下回想

ガレーラカンパニー本社が燃え盛る中チャカとモネはアイスバーグからドレークの裏切りの真相を聞かされていた。

「えっ…それって本当なの!?」

聞かされた内容にモネは驚きを隠せない。チャカとローも目を見開いて驚愕しているようだ。

「あぁ、今言った通りだ、ドレークはお前達を大事に思い…離れることにしたんだ」

以下さらに回想

『アイスバーグはまだ殺すな』ガチャ

静音が響き渡る。どうやら襲撃犯にとって予想外のことが起きているらしい。

「…聞いた通りだ、設計図は此処にはない、お前らの目論みは外れたワケだ、残念だったな」うつ伏せになりながら言うアイスバーグ。しかしドレークは

「貴方は政府の役人を甘く見すぎている、すぐに貴方を使い関係者を洗い出すだろう。そしてそれらに関係する人物を等しく殺していく。政府はそう言う仕組みだ」やや俯きそう言うドレーク。それをみたアイスバーグは

「それが正義の役人ってツラかよ兄ちゃん。ンマー、お前の正義の都合は知ったことじゃねえが、これだけは聞かせろ、お前はそこまで兵器が欲しいのか」当然の疑問をドレークに投げかける、アイスバーグにはドレークという男がそこまで兵器に固執するようには見えなかったのだ。すると喧騒を変えて

「欲しいわけなどあるものか!そのような無差別破壊兵器。復活等させてはならない…!それは…それは俺の育ての親の正義に反してしまう…!だが、それが任務なのだ、任務である以上、俺はそれを執行しなければならない、しないといけないんだ…!」苦虫を噛んだような、どこか懺悔しているかのようにも見える表情で言うドレーク。

「育ての親、ねぇ…お前、自分の意思で考え行動したことねぇだろう」確信を持った表情てアイスバーグは言う。

「何を…!」図星をつかれたのかやや狼狽えるドレーク。

「伊達に世界一の造船会社の社長をやってねえってこった、お前みたいな奴はごまんと見てきた。だがお前のそれは重症だな」仰向けから胡座に変わり、話をする体制に変えたアイスバーグ。

「…確かに俺は自分の意思で行動した覚えはない、いつだってあの人の為に生きてきた。俺にとってあの人は…センゴクさんは正義の光そのものだったから…!」衝撃の告白だった。ドレークの育ての親というのが現在の海軍本部元帥“仏”のセンゴクだったとはアイスバーグを持ってしても意外だったのだ。

「…じゃあ、海賊へのスパイってのはセンゴク元帥の命令か?」

「違う、世界政府直属の命令だ、当時麦わらの一味にはアラバスタ王国の王女が同席していた、大国の王女が海賊と行動を共にするのは何か訳があると思い、政府に連絡しこの一味のスパイ活動を開始した。結果はクロコダイルによる王国乗っ取りだったわけだが、此処で一つ問題が起きた。そのクロコダイルを麦わらのルフィが討ち取ったことだ、これを見た政府は麦わらの一味の成長スピードを危惧し、それまでの任務を一旦預け俺は麦わらの一味そのものを監視、スパイ活動をするに至った。」簡単に経緯を話すドレークに対しアイスバーグは呆れ顔で

「お前…それ滅茶苦茶機密事項なんじゃねえのか…」と項垂れながら言うが

「貴方は口が硬い政府の追求から何年も逃れられることなんてそうできることじゃない。俺は貴方を信頼した、だから話した、これ以上に理由がいるか?」確認を問うドレークに対し、いや、いい。と一言だけ言うアイスバーグ。

「それで、もう期間が終わったから即座に切り捨てたのか、お前は」淡々と悪魔で確認作業のように聞くアイスバーグにドレークは、

「いや、俺も何の理由もなしに政府側に付いた訳ではない。世界政府直属の暗躍期間CP9が俺に接触してきた。即座に麦わらの一味のスパイ活動を停止しこちらの任務に協力しろ、だそうだ。今回奴らは“大将”青キジより“バスターコールの発動許可を得ているらしい。背筋が凍ったよ、政府の役人が政府関係者を脅すんだからな、だがバスターコールの恐ろしさはよくわかっている。そんなものに狙いを定められたら一介の海賊団などすぐに消し飛ぶ。故に俺は条件を突きつけた一度だけ麦わらの一味をW7の出航まで見逃す事。これを条件に俺は協力を飲んだ」

「呆れたな、海軍少将ともあろう者が海賊に慈悲か、どっちが悪なんだかな」

「さぁな。俺は俺の正義がある、それに海軍と世界政府は一纏めにされてはいるが細かく言うとかなり違うとだけ言っておこう。どうやら喋りすぎた。だがこれだけは言っておくと俺は麦わら一味を蔑ろにした覚えはない、今も大事に思っている。俺1人が降りるだけで一味の安全が保証されるなら、安いものだ」回想終

アイスバーグから全てを聞いたモネとチャカは絶句していた。あの時冷酷に接していたのはそうせざるを得なかったと知ったからだ。つまり助けていいのだと3人は認識する。そう認識したモネは脱力して倒れ込む。

「よかったぁ…!ドレーク、私たちを捨てたわけじゃなかったのね…!本当によかった…!」

「あいつはお前らを捨てるどころかかなり大事にみているようだが、お前らどうするんだ、相手は世界政府だぞ」安堵しているモネ達に淡々と現実を言う。するとモネ達は立ち上がり

「大丈夫!“助けていいんだ”と知った時のあの人達の強さに限界なんてないから!ロー!チャカ!急いでゾロとルフィを探して、ドレークを追いましょう!」

「いや、俺は先にブルーステーションに向かっておく。…俺の能力じゃ人の捜索には向いてねぇし、先に押さえちまえばこっちのもんだ」

「分かった!私はニオイで2人を追ってみるとする、モネは空から探してくれ!」

回想終

「そう言うことであいつらもすぐに追いかけてきてる。あとはお前次第だが…」と詰め寄るローに対しドレークは小さな声で

「何故そこまで…!」と呟く、そして

「いや。しかし俺は俺の恩人の為に命を使う、その為に俺は生きてきたんだ!邪魔をするな!トラファルガー!」そう言うとドレークはいきなりローを後方車両に吹っ飛ばした。勢いは相当なもので扉を貫通しサンジ達と合流してしまった。

「!?ロー!なんでお前が前から吹っ飛んで来るんだ!」いきなりの出来事に驚きを隠せないサンジに対しローはイラつきを隠さず

「俺が聞きてえよ!あの野郎強めに投げやがって…!」と悪態をつく、それをみたロブ・ルッチが笑み浮かべ

「お前達がどれだけ抗おうとドレーク少将はこちら側にいる、もう素直に諦めて帰ったらどうだ?その様子だと真実も知っているようだしな。せっかく拾った命を捨てたくはあるまい?」そう言い放つルッチだが3人はあくまで冷静だ。この間にもドレークを奪い取る算段をつけているらしい。

「おい、それで行けるんだろうな!トラファルガー!そんなくだらん策でよぉ!」

「黙って従え!本来お前を助けてやる義理なんてねぇんだ!変態野郎!」

「え、いやまぁそこ認めてくれるんならちょっと…」こんな時に漫才を繰り広げるローとフランキー。それをみたサンジが

「アホなことやってる場合か!勝負は一瞬だぞ!やれ!フランキー!」

「おうよ!今週の、スーパーな俺にしてはちとダセェが、喰らっとけ!“フランキー、スモーキングデンジャラス!”」ボォォォ

何とフランキーの口から白煙が巻き出てきたのだ、本来炎や釘を吐き出す為の口だが今回は特別に煙を吐き出すことにしたのだ。つまり煙幕である。あまりのくだらなさすぎる策にCP9とドレークは虚をつかれた、そして。

「ドレークは頂いたァァ!!」サンジが全速力でドレークを担いで後方車両に乗り込み、移った瞬間にローが車両を切り離す。(以下原作と相違ないので割愛)

フランキーの奇策によって再び切り離し安息を得たのも束の間CP9の1人ブルーノの“ドアドアの実”の真骨頂“空気開扉”によってこちらに渡ってきたのだ。そして一瞬の油断をつかれ倒れ込むサンジとロー、用は住んだと前方車両に向かうドレークにローが待ったをかける

「ゼェ…ゼェ…ハァ…おいドレーク、お前が恩人に対してどう思ってるか知らねえがな、俺も似たような経歴の持ち主だ、だからこれだけ言わせてもらうぞ、お前が本当に恩人を思ってるなら、俺がお前の恩人だったなら、俺はお前の自分の意思を尊重させる。そんな、囚われた意思なんざ祝福しねぇはずだ、お前、もう少し自由に生きてみろ…」そういうと体力が尽きたのが意識を失うロー。それをみて苦い表情でドレークは

「自由に生きる資格など、俺にあるはずがない…」と今にも消え入りそうな声で呟きながら扉の中に入っていきブルーノもそれに続く。

「チックショォォォ‼︎‼︎」嵐の中にサンジの声だけがこだまする。

時間は少し流れ【海列車最前車両】ではフランキーとドレークが少し話し込んでいた。

「んな…!?アイスバーグの野郎生きてやがったのか…全く世話が焼けるぜ…」こちらも兄弟子であり家族の生存を知ったのかすっかり脱力している。

「さぁな、少なくとも黙っていたほうがいいぞ、あいつらは本当に殺したつもりだろうからな」

「しかしまぁ、なんだお前が他の政府の連中と同じくそみてえな性格じゃあねえのは分かった。なら何でオメェこっち側についたんだ。そこまでして恩人に恩を返してぇのか?」似たような質問を投げかけるフランキーに対し(やはり似たもの同士だな)と思うドレーク、まだ到着まで時間があるのかことの顛末を話し始める。

「確かに、普通なら思わんだろうな、だが俺は経歴が特殊すぎる。俺は、元海軍本部所属の父を持つ、正真正銘の生みの親だ、俺は父に憧れ海軍に入隊した。父は俺の誇りでもあった、だがある日突然父が豹変し俺に暴力を振るうようになり、父は俺と纏めて海軍を脱退、その後海賊まで堕ちた。そこでも俺は海賊の仲間や親父から暴力を振るわれ生きる気力が失われていった。そんなある日親父が海軍とデカい取引をするってんで俺もその場にいた、が別の海賊がやってきてな、親父の海賊団は全滅。その後今の育ての親、つまりセンゴクさんに引き取ってもらったんだ」

事の顛末を話し終わるとフランキーが

「なるほどねぇ、それじゃ海賊憎んでも仕方ねぇわなぁ、じゃあなら何であいつらは殺さなかったんだ。何か条件で契約でもしてるみてえだが、それだけじゃねえな、そもそも海軍が海賊の身柄を保証する条件なんざ立てるわけがねぇ」

「確かにその通りだ、おれはスパイ活動を続けているうちに奴らに絆されてしまったんだ、ドラム島からアラバスタ、そして極め付けは空島へ…奴らの海賊としての活動は俺の中にあった海賊のイメージと大きく違った。奴らは純粋に冒険を楽しんでいる。そんな奴らをみて俺は、スパイという立場を忘れ楽しんでしまっていた…!だからあの時“大将”青キジに釘を刺された時俺は、もうこの一味には居れないと思った…それが海軍のためだから…!これ以上、あいつらの純粋な心に裏切り続けるのは、限界だったんだ…!」最後までいう頃には頭を抱えるドレーク。その光景を見てフランキーは懺悔をする姿に見えてならなかった。フランキーは思うところがあるのか黙ったままだ。

「確かに俺は、あいつらが追いかけてきてくれて嬉しかったし、戻りたいとも思った、でも俺は海軍本部“少将”のドレークだから…あいつらと共にいることはできないんだ」

全てを語ったと言わんばかりに会話を打ち止めるドレークだがそれに待ったをかけるのはフランキーだ。

「オメェ、随分ど真面目だな。もう少し肩の力抜いて生きても文句言われねぇと思うぜ。それに兄ちゃん、追ってきてくれて嬉しいってのは結構な答えだと俺は思うがな。まぁあれだ、お前も海に生きる男なら自由に生きろ!恩人や義務感に囚われて生きると視野が狭まるぜ?これは俺の経験則だからな。存在すること自体に罪にはならねぇんだからよ」

そう言われて目を見開くドレーク。思わず本人に

「そう、だろうか…」と聞き返してしまう、するとフランキーは

「あたりめぇよ!もっと我儘言ってもいいんだぜ!そうやって人は成長するもんだろ!」と笑って返す。と話している間にどうやら目的地に着いたようだ。“不夜島”【エニエスロビー】ここは夜が訪れることがない。いつだって昼のままの島であり世界政府の三大機関の内の一つである。

「おう、着いちまったな、オメェどうすんだ、これからよ。あいつらを待つのか?」

「常識があるなら追って来んだろう、あれだけのことを言ったんだ普通は追ってこんさ」

「っけ、頑固なこった」会話が終わり役人達に連行される2人。そのはるか後ろからもう一車両海列車が向かってきてるとはつゆしらず…

【エニエスロビー】エニエスロビーは今混乱に陥っている。この地に海賊が侵入するという前代未聞の大事件、すでに被害は2000人強長官のスパンダムとの連絡もつかず衛兵達はパニックになっていた。そこに一つの戦いが幕を閉じる。

「“JETバズーカ‼︎”」スドン!

裁判所屋上にて激闘を繰り広げていた麦わらのルフィとドアドアの実の能力者、ブルーノの戦いに蹴りがついたのだ、勝者は麦わらのルフィである。そうしてるうちに司法の塔もまた騒がしくなる自爆すると思われたフランキーが放屁により無理矢理脱出、裁判所を正面に見据えてルフィと対面する。

「お、ドレーク!そこにいたのかぁ!ちょっと待ってろ!頑張って飛んでみる!」

後ろに走りルフィは“ゴムゴムのロケット”の構えを取る。するとドレークは

「待て!何故追ってきた!ここは政府の中枢の玄関口だぞ!いくらお前達でも歯が立たないのは明白だ!すぐに帰れ!」と厳しく言い放ち、膝を崩すドレーク。

(頼む…!俺の為にこれ以上犠牲にならないでくれ…!もう、俺の周りで誰かが死ぬのはごめんなんだ…!)

するとCP9達が集まり麦わらの一味達も集結し出す。役者は揃った、後は開戦の一言だけだ。

「ドレークが背負ってるもんはよぉく分かった…」ルフィは麦わら帽を深くかぶり直しローに声をかける、何をさせるのかとローが気になると。

「あの旗、ぶった斬れ」とそう命ずる

「了解だ船長。“ROOM”、“切断”‼︎」ズバン!

その行為に全兵士は目を疑った、海賊が、世界政府の旗を切り裂いたのだ。つまりこれは宣戦布告ということになる。気を乱したスパンダムは。

「正気かお前ら!世界を敵に回して生きていられると思うなよぉ!」

「望むところだぁ!」売り言葉に買い言葉。もはやこの時点で麦わらの一味は超一級のお尋ね者になってしまった、しかし当の本人達は知らんとばかりに

「ドレーク!まだお前の口から聞いてねぇ!行きたいと言えぇ!」最後のひと押しとばかりにドレークに詰めかかるルフィ。

(俺は、今まで自分を殺して生きてきた。そのほうが周りのためになったから…でも本当に自分の心に正直に生きていいのなら。少しでも我儘を言ってもいいのなら…)思い返されるのは2人の男

『ドレーク、お前は自分を蔑ろにしすぎるな、私のために生きるなとは言わん、だがお前はお前だ。お前は自由に生きていいんだ、その時お前が出した行動に、私は尊重しよう』『…?えぇ、分かりました、センゴクさん』1人は鴎帽子を被った自分の道標になってくれた仏のような男、そしてもう1人は

『ドレーク!お前も楽しんでるかぁ!海賊は歌うんだぞ!お前もこっちこいよ!』

『いやぁ、俺はそういうのに慣れてなくてな、皆で楽しんでくれ、俺は見てるだけで十分だ。』

『そうか?お前アラバスタの時でも遠慮してたからなぁ…お前もっと我儘言ってもいいんだぞ!俺とか普段から我儘言ってるからな!ししし!』

『…!そうか、そうだな…じゃあその時は大いに我儘を言わせてもらおう…』

もう1人は、麦わら帽子を被り太陽のような笑顔でどこまでも照らしてくれる男。彼のような男だから皆ついて行きたくなるし、皆彼を海賊王にしたがるのだろう。

(この我儘が許されるのなら…俺は…!)

「行きたい!俺も!お前達の旅に連れていってくれ!」

故にこそ折れるのは仕方ないと言うものだ。あの太陽のような光に照らされて折れずにいることなど不可能なのだから。

「後は俺たちに任せろ!」

【躊躇いの橋】にて、ついに解放されたドレークは迫ってくる海兵に対し大立ち回りをし、ロー、サンジ、ゾロもまた軍艦を無力化するなどで大暴れをしついに

『CP9のロブ・ルッチ氏が敗れましたぁ!』

この報告によりルフィの勝ちが決まった、ルフィの勝ち=麦わらの一味の大勝利である。そこからの流れる逃走劇はいくら精鋭といえど追いつくのは容易ではなかった。

「お、居られたので!?す、すぐに追いますので!」海兵の1人が海に浮かぶ自転車を見かけすぐに追いかける準備を整える、しかしこの光景を見た“青キジ”は

「いや、いいこの惨状と、被害を見たら結果は一目瞭然だ、我々の完敗だ」

さらに時は流れ【W7-アイスバーグの自宅】ではまた一つ混乱の種が舞い降りていた。海軍の英雄とも名高い【海軍本部中将“拳骨のガープ”】が襲来したのだ。

「お前の父の名は“モンキー・D・ドラゴン‼︎革命家じゃ」明かされる衝撃の事実に辺りはひっくり返る。

「何だ!?そんなすげえやつなのか、俺の親父って、おいドレーク!」

「あ、あぁ。通常海賊は自ら進んで政府を滅ぼしたりしようとしない。だかごく最近その例外が現れ始めた、それが革命軍、そしてその軍の総指揮官がドラゴンだ、奴は謎が多すぎて多くは語れない、そんな人物だったんだが…」

「あ、やっぱこれ言っちゃダメなんじゃった、ぶわっはっは!悪い、今のナシ」エエェェ

無茶苦茶振りに周りは振り回される。用件が済んだのか帰り支度をするガープだが一つ思い出したようにドレークを呼びかける。

「おい、ドレーク、センゴクから連絡を入れさせるよう受け取ったんじゃった、早く連絡してやれ」

「…!あぁ、はい直ぐに」そう言うとドレークはセンゴクの直通でんでん虫に連絡を入れる。ガチャ

『お・か・きー!』

「あられ、俺ですセンゴクさん」事もなく始まったやり取りに周りは静かになる、それもそのはずこのでんでん虫の向こう側に海軍本部元帥がいるのだ。

Σ『おぉ!ドレークか!ガープめ、ちゃんと仕事はしたんだな、普段からそうだといいのだが』

「聴こえとるぞ、センゴク!わしだって仕事くらいちゃんとするわ!」

『だったら溜まった書類の処理を急げガープ、毎度毎度期限ギリギリまで伸ばしやがって!上に報告するのは私だぞ!』

「いつもありがとう!」片手を上げ礼を言うガープに一味は(あぁ、ルフィの爺さんだな)と確信した。

『コノ…!まぁいい、ドレーク。エニエスロビーの件は既に私の耳に入っている。それがお前の意志という事でいいんだな?』

「はい、これは俺が悩んで必死に考えて出した結論です。本日をもって、俺は海軍を脱退します。申し訳ありません、でも後悔はありません、俺にも義務感より優先したいものが見つかりました、この一味にいると本当の自分でいれる気がしました。だから俺は海軍を辞めて麦わらの一味に入ります」

『…そうか、お前のその判断は海軍本部元帥としては到底認められるものではない。しかし1人の父親としてお前の意思を尊重しよう。手続きはこちらで行っておく、自由に生きろ、ドレーク』

「…はい、ありがとうございます…長らく大変お世話になりました。センゴク元帥」

『本当にな!今度会った時は敵としてとっ捕まえてやる!その後は嫌になる程説教をかましてやるから覚悟しておけ、』そうはいうがでんでん虫の表情は明るい、どうやら向こうでも笑っているらしい。

『それと、近くにいるんだろう、麦わらの小僧、これは海軍本部元帥としての頼みではない、一個人としての願いだ。ドレークを頼む、私のもう1人の息子だ』

「勿論だ!任せとけ!元帥のおっさん!」

『ではな、それとガープ!貴様は早く戻ってk』ガチャ

「そういうわけなんでわしらは縁やってここではお前らを見逃すことにした!まぁゆっくりしていくといいわい!」

(((元帥のでんでん虫を切ったー!)))

世界広しといえど海軍本部元帥との連絡をぶつ切りできる人物などこの男だけだろう、最後の最後までめちゃくちゃだった。

「そういうことだから、改めてよろしく頼む。“元”海軍本部少将Xドレークだ、よろしくな、船長」右手を差し出し握手を求めるドレーク

「おう!お前も俺の仲間だ!ドレーク!ししし!」とこちらも強く握り返すルフィ、こうしてドレークは本当の意味で麦わらの一味の一味の仲間になったのであった。


Report Page