乳との遭遇
KBは戸惑った。己の夢、男の彼岸が為に宇宙海賊団を立ち上げよう決意した。その為に酒場で人々に召集を掛けた……が、結果は無視。
誰も彼もアホを見る目で此方を見やる。
だがそれで良い。これはただ己の夢を言葉にする事が肝要な儀式。大言壮語も吐けず夢など叶うか———と。
「———はい!何でもします!!私を、貴方の船に乗せて下さい!!」
そう考えていたところに、手を挙げる女が居た。
———デカい女であった———。
まず背がデカい。顔は小顔で童顔、可愛らしいピンクブロンドにゆるふわなウェーブが掛かっている。
その頭部に対し、その背丈は明らかに2mを超えている。遠近感が狂って正確な数値は目測では分からない。
次いで肩幅がデカい。肩回りが膨らんでいる服を着ているのでシルエットは隠れている。
だが腕の位置と僧帽筋から察するにもう明らかにデカい。
次いで太腿がデカい、太腿デカけりゃ尻もデカい。星型のタトゥーを見せつけるかのように、
内腿を露出させた衣装から除く太腿はバキバキで、その割に尻はプリンプリンだ。
次いで、角がデカい。臀部で揺れ動く尻尾や耳から見て獣人(ビーストマン)タイプの人種であろう事は相違なく、
その中でも取り分け大きな角を持っていると太鼓判が押せる。
だが何よりも——————乳が、デカかった。
どう見てもデカい。明らかにデカい。驚異のB160とかあるんじゃなかろうかと目を見張る乳房のデカさだが、
更には衣服を下から押し上げる乳首と乳輪……これらも明らかに、デカかった。
「ど、どうでしょうか……!!」
どうする?明らかに罠じゃない?なけなしの金も奪われるんじゃない?などなどの様々な思考が脳裏を過り、
灰色の脳細胞がフル回転、全力で稼働する脳が弾きだした答えは———
「……!シャ、シャーロットです!!よろしくお願いします!!」
デカパイの前に悔いは無し、パイ乙王に俺はなる。それが脳内宇宙の答えだった。