不思議空間での邂逅

不思議空間での邂逅

いとめぐり


会話文のみ。




《恐神零士と糸居零士》


「...こども?」

「子供ですが。そう言う貴方こそ何で首に傷があるんです?」

「あ、あぁ...まぁ、少々ヘマをしまして。」

「そうなんですか。所々に傷があるのは?」

「それも、ヘマをしまして。」

「転んだんですか?」

「...えぇ、まぁ。体が弱くて、思いっきり。」

「そうなんだ...絆創膏入ります?」

「...いえ、お心遣いだけ貰いましょう。ありがとう、...えぇっと」

「零士。僕は糸居零士です。」

「...零士、ありがとう。」




《糸居志零と糸居志零》


「髪が長いんですね、貴方は」

「えぇ、伸ばしっぱなしで...でも、少し前に切ったんです。」

「そうなんですか...。」

「そう言う貴方こそ、何故その...顔を隠していまして?」

「あはは、少々込み入った事情というものがありまして。その影響ですね。」

「そうなんですね...同じ自分とあれど、やはり何かあるのは世の常でしょうか?」

「貴方が教鞭を取るのと同じように、何かあるのは世の常でしょう。どんな感じですか?」

「...むずかしいですね、やはり。教えるのは...。」

「あはは、...がんばれ、僕。」




《全員》

「紛らわしいですね、同じ顔同じ声だと。」

「一応僕だけが子供...で分かりやすいのでしょうか。」

「にしても、ここまで違うものなんですね。零士も僕も。」

「それは、そうですね...平和な世界だと皆さんも元気にお過ごしでしょうか。」

「想像する方が合致しているならば、それはもう、みんな元気です。先生方も生徒も」

「...なんだか不思議だ。新たに生きた僕が目の前にいて、別世界の自分もいるだなんて。」

「僕からしたら、同じ零士なのにどうしてそんな風になったのか気になります。」

「まぁ、込み入った事情とやらですよ。」

「...志零や僕と違って、そっちの僕らは込み入った事情が多いですね。」

「...まぁ、宿命ってやつですかね。きっと。」

「...なんか、面倒くさそう」

「零士、シッですよ。」

「...こどもっぽいな、あっちの僕。」

Report Page