『上着』

『上着』


「ルフィの上着カッコいいなぁ」

ウタはそう何気なく呟いた。ルフィは今、ワノ国で羽織っていた黒いコートを久し振りに着ていた。単純に気まぐれだったがそれを初めて見たウタはルフィに向かってそう呟いた。

「へへ、シャンクスみたいで良いだろ〜?」

「良いなぁ〜」

「着てみるか?」

「良いの!?着てみたい!!」

ウタはルフィからの提案を快く受けて自分の上着であるパーカーを脱いでルフィのコートを着てみた。そしてくるくるとその場を回ってみた。

「どうルフィ?カッコいい?」

「あぁ、カッコいいぞ!」

「へへ、ありがとう・・・そうだルフィも私のを着てみてよ!!見てみたい!!」

「良いのか?」

「うん!」

「じゃあ、着る!」

ルフィはウタに言われたのもあってウタの上着であるパーカーを着てみた。ルフィはそれを着ると嬉しそうにその場を飛び跳ねた。

「どうだウタ!?かっこいいか?」

「うん、カワイイ!!」

「なっ、かっこ良くねぇのか・・・」

ルフィは格好いいと言われたかったのかウタのカワイイの発言を聞いて少しシュンとなった。ウタにはその仕草も可愛かった。少し落ち込んでるルフィの頬をついて楽しんでる2人にロビンがニコニコとしながら近づいてきた。

「あら、可愛らしいわね2人共」

「へへ、良いでしょ?」

「むっ、ロビンまで・・・格好いいって言ってくれねぇ・・・」

ロビンにもカワイイと言われてルフィは頬を膨らませた。ウタはそれにニコニコと笑い、ロビンは笑いつつも2人を見てある事を言った。

「2人共、後で大変ね」

「「???」」

ロビンの言った意味は2人にはすぐに分からず、それがわかったのは少ししてからだった。


〇〇〇

「ルフィ、ありがとう!」

「ウタ、サンキューな!」

ルフィとウタはお互いに貸していた上着を相手に返した。なんてことない筈だったが相手が着ていた事で暖かくなってる上着を持つと2人の顔が段々と赤くなっていった。

そうこの2人、ここに来て漸くその恥ずかしさを理解し始めたのだ。

ロビンはそんな風に赤くなってる2人の事をナミに教えて、ナミはお腹が一杯と云うようなジェスチャーをしつつもニコニコと2人を眺めた。

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