三毛猫ルカのとある島での出来事

三毛猫ルカのとある島での出来事


三毛猫ルカのとある島での出来事

part⑦のスレ21~24のまとめと加筆修正版

扉絵連載弟くん妄想 設定

・まだ声が出ない時期、猫姿ではボディーランゲージでなんとかする。

・服は謎技術で猫から人に戻っても着ているものとする。

・名前はルカとします。

・前スレの妄想もお借りしてます。




新しい島に着いてさっそく猫の姿になり情報集めに出発。

港を散策していると町のボス猫と出会った。

目に傷をもつ貫禄のある猫が、

「ニ"ャ。(ついてこい)」とひと鳴きするとそのまま路地へ入っていく。

見失わないように後をついて行くと空き地のような場所に繋がっていて、そこには沢山の猫が思い思いに過ごしていた。

毛繕いをしたり日向ぼっこしている猫たちの会話に耳を傾けながら情報収集していると突然後ろから掴まれ体が浮かび上がる。

慌てて上を見上げてみると目に涙を浮かべているが笑顔の少女がいた。

(体がデローンと伸びるタイプの持ち方)


少女は嬉し涙を浮かべながら「帰ってきてくれたの?」「もう絶対に離さないわ」と言いながらルカを抱えたまま駆け出した。

ルカは子供に爪を出すわけもいかず、そのうち逃げられるだろうし(移動が楽だな~)なんてのんきに考えながら少女に身を任せていた。

少女はすれ違う町の人々にルカを見せながら「マルが生まれ変わって帰ってきてくれたの!」と嬉しそうに話す。

そんな少女の姿を見ると別の猫にルカの姿を重ねているように思えた。

少女の家に着くと少女の家族も「本当にマルにそっくりだな」とか「マルが好きだったお魚よ」などと代わる代わるルカに構っていく。

ルカはそんな幸せそうな家族の顔を見て(今晩ぐらいは飼い猫も悪くないかな?)と出された魚を平らげた。


その夜、興奮と遊び疲れで暖炉の前で寝落ちした少女に寄り添って隣に丸まっていると、お婆ちゃんが毛布を持って現れた。

少女に毛布を掛けるとルカを撫でながらゆっくり語り出す。

「この子があんなに笑っているのを久しぶりにみたよ。マルが病気で亡くなってからは毎晩泣き通しで……。こんなに幸せそうな寝顔を見たのはいつぶりだろうねぇ。」

「お前は毛並みもいいしきっとどこかで可愛がられてた子なんだろう?ウチに来てくれてありがとうね。」

そう言いながらルカを撫でる手つきが優しすぎて、喉をゴロゴロ鳴らし体がデロデロに溶けるのを止めることが出来なかった。この婆ちゃんテクニシャンすぎる。



翌朝、ルカは少女に連れられて町の散歩へ出かけた。

途中ハートのクルーとも遭遇したが、口出しするなよと目で訴えておくのは忘れない(ジト目&尻尾パタンパタン)ルカの目線に事情があることを察したクルーは苦笑いしながら少女の話に合わせてくれる。



少女に付き添い歩いていると何やら町の中心が騒がしい、近くにいた猫の会話を聞くと何やら海賊が暴れているらしい。

危ないから家に帰そうと少女を見ると、好奇心旺盛な彼女は騒ぎの方に向かって走り出していた。

(え!待ってそっちは危ないよ!少女めっちゃ足はえぇ!!)

必死に少女を追いかけると、案の定海賊と鉢合わせピンチになった少女を発見する。

「マル!危ないから来ちゃ駄目!」

(ぼくの心配するより自分の心配をして欲しいんだけどな。もう隠しきれないか…。)

ルカは人型に戻り海賊に拳を叩き込んだ。


(あ、ちょっと力加減間違えたかも)



ルカは自分が思っていたよりも頭にきていたらしく、ルカの拳を受けた海賊は少し地面にめり込んでいた。


突然目の前で猫から人間になったルカを見て固まる少女を抱え、騒ぎを聞きつけた人に見つかる前に急いでその場から離れる。



安全な場所に移動し少女を地面に下ろす。

いまだに驚きを隠せない少女に、

『だましてごめん』

『君があまりに嬉しそうだったから言い出せなかったんだ』

そうノートに書いて少女に見せる。


少女はノートとルカを見比べようやく目の前にいる青年が自分がマルと呼んでいた猫であった事を理解したようだった。


「マルがこんなにかっこ良くなってビックリしちゃった。猫のお兄ちゃん助けてくれてありがとう!」


笑顔でそう言う少女の目には別れが近づいている事に気付いた寂しさが滲んでいた。


町の騒ぎがあったから出航を早める事になったようで遠くの方からベポ達が「ルカー。キャプテンがもう出るってー。」と呼ぶ声が聞こえる


『大切な仲間が待ってるんだ。もう行かなくちゃ。』

ノートを見せながら優しく少女に微笑むルカ。

「ねぇ…もう一回だけ猫になれる?」

少女にそうお願いされ猫になり上を見上げる。








「ありがとう、大好きよ!」






少女に抱きしめられほっぺにキスをされたと気づくのにそう時間はかからなかった。



ルカが船に戻るとそのまま慌ただしく出航する。

甲板で島を眺めていると、兄さまが隣に来て「なにかいいことでもあったのか?」と聞いてきた。


ぼくは少し考えてノートを開く


『ないしょ』

ぼくにだって少しぐらい秘密があってもいいよね♪

ルカはイタズラが成功した子供のように笑っていた。


fin.


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