七武海撤廃後

七武海撤廃後


 注意 このSSは長期連載SSとは一切関係のないものです。

著者も別人です。





•エレジアへの航路上を進むある軍艦での会話


「七武海ウタの確保…ですか…」


「そうだ。 

今回のレヴェリーで七武海制度の完全撤廃が決定したからな

お前は奴のファンだったか?」


「はい…」


「奴の歌には素晴らしいものがあるのは事実だが、奴は海賊だ

情けは不要

我々はただ任務を遂行すればいい」


「わかってます…ただ…

彼女が海賊以外の道に進んでくれていれば、もっとちゃんとした形で応援できたのかなって…」


「……。

 そうかもな…」


軍艦は速力を上げ真直にウタの根城であるエレジアへと向かう




•エレジアにて


「ゴードンさん…これ見て」


ウタは届いた新聞をゴードンに見せる

その表情には何処か諦めの様相があった


「七武海制度の…完全撤廃…か…」


「私なんとなく気づいてたんだよね

いつか七武海が無くなるんじゃないかって…

アラバスタでもドレスローザでも私の同僚が酷いことしてたし…


目視じゃまだ確認できないけど、だいたい30隻くらい来てるのかな、軍艦。

強そうな人も結構乗ってる」


ウタは自慢の見聞色の覇気で敵の総数を確認する


「ウタ…ここから逃げよう

私は戦えないし、流石の君でも30隻もの軍艦を相手にするのは不可能だ

今ならまだ追跡を逃れられるかもしれない」


「ダメだよゴードンさん…

もう海軍はこの島を包囲する形に展開してる

私の舟じゃ逃げられない」


「で…ではどうするつもりなんだ…」


ウタは少し考えた後、


「私は海賊だよ

この2年間で身体もだいぶ鍛えたし、悪魔の実の力もだいぶ制御できるようになった

心配しないで、大丈夫」


「し…しかし…もし…」


「大丈夫だって

あっ だけどゴードンさんは戦いが始まったら城の地下に避難しといてね

たぶん自分の事で精一杯になっちゃうから」


「わかった…だが本当に危険な状況になったらすぐ逃げなさい…」


「わかってるよ。大丈夫」





深夜、ウタは城内の自室に戻り、クローゼットの一番奥に隠していたモノを手に取る

曾てこのエレジアを滅ぼした魔王が封印されている楽譜

私が歌うと封印が解かれるモノ


(これを使えばまだ勝機はあるよね…) 


前回はこれの危険性を知らずに歌い、この島を滅ぼした

だが今回は私の意志でこの歌を歌うだろう


(ゴードンさんは悲しむかな

私がまた魔王を呼んで人を殺したら…

アンタはどう思う?)


「……」


楽譜は小刻みに揺れていた

 

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