[一部映画ネタバレ注意]波乱万丈ネバーランド。闘牛と少女達
「こんなバカなことがあるか」
キヴォトスに来て半年、天使の輪っかつけた銃火器持つ学生やその周りで起きる事件になれてきた頃、何が起きても驚かないだろうと油断していたときに日常は音を立てずに崩れていくものなのだと改めて痛感した。
「ミッチー!大変、いろんな学園の子達がチビッ子になっちゃったわ。」
ついにこの酷暑で頭がおかしくなったのかと俺は水の飲み先生に聞き直す。
「だから、幼女になったのよ!」
「四月馬鹿なら来年にしろ」
どうやら暑さで頭をやられたのはコイツのほうらしい。無理もない、日々書類とにらめっこし生徒のために毎日何10キロもある学園へ移動を何回もすればそうなってもおかしくない。ないんだがなんでコイツ目をキラキラさせてんだ。
「見てこの子。誰か分かる?」
明らかに身体にあってないどころか服で身体が隠れている少女を抱えて俺に見せてきた。ミレニアムサイエンススクールの校章に紺色の髪と、ヘイロー。それらの特徴的パーツは俺の脳が理解と拒否反応が衝突し、理解が勝利をもぎ取った
「こいつ、まさか早瀬か?」
「そうなの!でもそれだけじゃなくって」
チラリとドアのほうを向く。先生の瞳のさきに俺も視界を移すと見覚えあるヘイローと銃火器を抱えた少女がこちらを見ていた。
「はあぁぁ!?」
「…なんか山海経でのイベントで試飲したドリンクでこうなって」
「ふざけてんのか!」
またしても意味不明な事件に俺は暑さもありつい声を荒げてしまう。同時にピクリと早瀬は反応し、拳銃を突きつけてきた。
「い、いじめないで。」
「は、早瀬」
「そ、それ以上お姉ちゃんを傷つけるならあなたを分解するわよ!」
どうやら子供化の副作用に知性が落ちるらしく、肝心な因数が抜けている
「因数はどうした?」
「そ、そんなのいらないわ!倒せば完璧よ!」
昔の早瀬はわんぱくなようだ。
「…わかった。俺がわるかった」
「わかればいいのよ」
飛んでもねえことになったと天井を見つめため息をはく。すると俺のズボンを誰かが引っ張っているのに気づき見下ろすと砂狼がいた。
「おじちゃん、お願いがあるの」
「おに…なんだ、おじちゃんに用事か?」
「銀行強盗するのにおじちゃんみたいな足になる人が必要なの」
「その頃から生粋のアウトローだなおまえ!」