一緒に観たい
モテパニ作者拓海「………」
ダークドリーム「…」ぷくー
夕飯も終わった夜のこと、拓海の部屋では頬を膨らませて不機嫌そうなダークドリームと気まずそうに顔を伏せる拓海がいた。
こんな事になった原因は…
〜〜〜
ダークドリーム『は〜』
あん『ふふふ、ダークドリームちゃん最近テレビに夢中よね〜』
ましろ(まし拓)『テレビは居間で一番存在感のある娯楽だもんね、テレビ離れって言われてるけどやっぱり生活してると最初に触れる物なんだってダークドリームちゃん見てるとわかるね』
ダークドリーム『これ面白そう、あん、これ明日観ていい?』
あん『ええもちろん♪』
ダークドリーム『やった、拓海もこういうの好きそうよね。一緒に観ましょ』
拓海『ん?』
ダークドリームが示した番組はどうやら夕方放送のようだ、その時間は予定次第では帰れないのだが。
拓海『(明日はそこまで遅れる予定なかったし大丈夫だろ)ああ、いいぞ』
ダークドリーム『約束よ』
〜〜〜
それから一日経ち、その日の予定を全て済まして拓海は帰宅していた。
拓海『(これなら余裕で間に合うな、ん?)』
そう思っていると電話が鳴る、相手はどうやらゆいの母あきほのようだ。
少し嫌な予感が…
拓海『はい、もしもし』
あきほ『あ、拓海くん。今いい?今日うち人が足らなくて、人手が欲しいんだけど拓海くん今空いてる?』
用件はだいたい予想通り、こうしてヘルプをかけられる事も初めてでは無いのだが…
今日はダークドリームとの約束がある、あるのだが、結局はテレビを観るだけでもある。
拓海は悩んだ、時間は少なかったが可能な限り悩んだ結果。
拓海『わかりました、今から行きます』
手伝いを引き受ける事にした。
あきほ『ありがとうね。それじゃあ』
あきほは電話を切る、そして拓海は自宅へかける。
拓海『…もしもし』
〜〜〜
そして手伝いを終えて帰ってみれば、とっくに番組は終了しており、ダークドリームはそれからずっと膨れっ面だ。
拓海「…ごめん、約束破っちまって」
急な用事が入っての事だった、しかし拓海は言い訳はしない。
拓海がその気なら断ってもいい用件だった。
それなのに先の約束を破ったのだ、自分が悪い。
そうして平謝りしているとダークドリームが口を開く。
ダークドリーム「もういいわよ。事情は聞いたし、あきほの方が緊急だったってのはわかってるし、でも、やっぱり面白くは無い」
ダークドリームも今回の件理解はしている。
しかし納得はできていなかった。
拓海「…ほんとに悪かったよ。今度埋め合わせするから」
ダークドリーム「そこまでは求めて無いから、それより…」
ダークドリームは立ち上がり。
ダークドリーム「あの番組一緒に観ましょ、録画してあるの」
拓海「え!?お前いつの間に録画なんて覚えたんだ!?」
ダークドリーム「ましろに教えてもらったのよ、あんたを好きな方」
拓海「そっか、でもなんで録画したんだ?お前は観れたんだろ?」
ダークドリーム「…約束したでしょ、一緒にって」
ダークドリームは確かにテレビが好きだ、しかしそれ以上に、拓海との時間も好きなようだ。
拓海「…ああ、ありがとうな、ダークドリーム」
ダークドリーム「ふんっ」
約束を不本意に破ろうとした拓海、しかしそれはダークドリームが繋ぎ止めてくれた。
数時間遅れて今約束の時間が来たようだ…