ワンピースFilm ForH Part.9
勝つのは家族か、英雄かがしゃんっ
フーシャ村の酒場で物が落ちる音がした
ダダン「どうしたんだい?」
マキノ「写真が落ちちゃったみたいで...」
赤ん坊を預けてるダダンにマキノが見せたのは壊れた写真立て
中には幼い頃のルフィ達とガープが写っていた
ダダン「ああ、あいつらがガキの頃に撮ったやつか。懐かしいねぇ......あの時はガープに引っ張られてくるのがほとんどでもウルージやベッジもよく顔を出して......そうそう、これもいきなり『家族写真を撮るぞ!』なんて言ってさぁ。ルフィやボニーやアプーはともかくキッドやローやホーキンスは最初嫌がってたねぇ」
写真を撮る時満面の笑顔を浮かべたガープと笑顔だったり照れ顔だったりと各々の表情を並べた兄弟達の撮影を思い出しながらしみじみと語るダダン
ダダン「本当に、クソガキばかりだったよ。まだこの時はサボだけじゃなくエースもいたしねぇ......」
マキノ「ダダンさん......」
今はもういないルフィ達から永遠に欠けてしまった兄弟を思い浮かべて2人は言葉が少なくなる
ダダン「やめだやめ!しんみりするのは性に合わねぇからな!ったく、あいつら今頃どこにいるんだかねぇ......ま、あのクソガキ達だ。どうせトラブルが起きてもどうにかしてるだろ」
マキノ「......そうね、ルフィ達だもの。きっとみんなつらいことがあっても負けてないわ」
写真立てが壊れたことに不安はあっても2人は家族を信じて笑い合う
その頃のどこか
ガープがルフィとキッドを倒したと聞いた黒幕は歓喜した
黒幕「いいぞ...それでこそ英雄ガープだ!!このまま俺の能力で強さを維持し、最悪の世代を、革命軍を消せば永遠の英雄が完成する!」
黒幕がいる部屋にはルフィ達兄弟の手配書がズタズタの状態で貼られていた
どれも怨みを込めて傷つけているのが見てとれる
黒幕が手放しで称賛するのを無視し手配書を眺めていたガープは一瞬違和感を持ったがすぐに消えた
ガープ「おかしいことを考えたもんじゃ......“手配書が1枚足りない”なんて、なんでそう思う」
まるで“誰か”を探したような感覚はすぐに消えてしまった