ワンピースFilm ForH Part.10
勝つのは家族か、英雄か黒幕「しかし、あのガキが持ち逃げした“アレ”がないのは痛いな......」
幹部C「だったら私が回収しときますよ?」
黒幕に進言したのは幹部C
幹部C「回収したら殺しておくのは当然......ついでに最悪の世代も」
黒幕「ああ、構わんぞ。消す手間がそれで省ける」
幹部C「んじゃ、やれる分やってきますねー」
幹部Cはさっさと出ていく
ガープ「......」
昔ガープ『――お前も海に出ると抜かしてたな?』
『――じゃねぇっ!!――だ!!俺たちは兄弟の盃を交わして、――になると誓ったんだ!!』
『『『バカっ!!!』』』
『また余計なことを......』
『同感だ...』
『............』
『ハァ......』
『『俺は違うっ!!!』』
『今から俺達に災難が起きる確率......』
『あぁ......そういえば今日の祈りは終えてただろうか?』
『つまりワシにしごかれたいバカどもが、―――になったわけじゃな?』
ガープ「?」
ガープにはわからない
誰と話してたのか誰がどうしてそう言ったのかも
だって名前も姿もないのに話してる記憶なんておかしなものがあるなんて変な夢でしかないのだから
ロー「ROOM――――“メス”!!!」
ローはルフィから心臓を抜き取り直接マッサージする
チョッパー「ダメだ......まだ心臓が動いてない......!!!」
ロー「そっちはどうだ!?」
ベポ「まだ呼吸が戻ってこないっ!!!さっきから心臓マッサージしてるけど......」
ベポが心臓マッサージを施しているのはキッド
海から引き上げられた2人はガープの攻撃が心臓を強打したのかゾロ達がポーラーダンク号に着いた時には呼吸が止まってしまったのだ
一度チョッパーに心臓を預けキッドの胸に親指を押し当てる
ロー「下がれっ!!“カウンターショック”!!!」
キッドに電流を流してからもう一度ベポに任せローはルフィの心臓に刺激を与え直す
チョッパー「ルフィ……死んじゃダメだ......!!!」
サニー号ではローの治療が終わるのを待ちながらキラーはポーラーダンク号の見える位置で座っていた
ローのように医療に明るい訳でない自分は足手まといであることはわかっている
それは余計キラーを苛んだ
兄として弟を助けられず相棒として自分の船長を守ることもできずまた自嘲で笑ってしまいそうだった
ゾロ「......ん」
キラー「ファッファ......ゾロか......」
ブルック「私もお邪魔いたしますよ」
サンジに持っていくよう言われでもしたのかゾロはコーヒーとストローが入ったマグカップを手渡す
ブルックと一緒にキラーの両隣に座ってルフィ達がいる船を眺めた
ゾロ「......あいつら、まだ起きねぇようだな」
キラー「............」
ゾロの声にキラーは反応しなかった
ブルック「......大丈夫、と言いたいですね......ただ、目に見えない所はチョッパーさんやローさんでも簡単に治せるとも思ってません」
私目がないから見える見えないはないですけどねと少し茶化してもブルックは真剣に語る
ブルック「こうしてここにいらっしゃるのは、信じたいからでしょう。私にも覚えがあります......『大丈夫だ』と自分に言い聞かせておかないと押し潰されるような不安ばかりが胸を支配しました......私胸ももうないんですけどね」
キラー「ソウルキング......」
年長者としてブルックはキラーに優しく語りかけた
ブルック「まずはちゃんと休んで、『おかえり』と言える準備をしましょう。ルフィさんもキッドさんも、お兄さんであるあなたがそんなつらそうな姿のままで迎えにこられたら心配しますよ。お医者様達が助ける為に必死になってますから、きっと起きて......また元気な姿でお2人は戻ってきますよ。おじいさんのことは、それからでも遅くはありませんよ」
キラー「......ファッファッ。そうだな」
ブルックに言われたキラーの心は少し軽くなった
キラー「さっさと起きろ、キッド......ルフィ……相手がジジイだろうとやられっぱなしなのはお前らの性分じゃねぇだろ」
ブルック「しかし困りましたねぇ......チョッパーさんは手伝いに行ってますしローさんは忙しいですし......お渡ししたくてもできませんねぇ......」
ブルックの呟きは拾われなかった