ワンピースFilm FoeH Part.8

ワンピースFilm FoeH Part.8

勝つのは家族か、英雄か

島の反対側の港まで飛んだロー達

しかし結果的にルフィとキッドを置き去りにしてしまったので戻ろうとするも大きな規模で能力を使ったローは膝をついてしまう

ゾロ「ホーキンスとドレークはローと一緒にここにいろ!ルフィとキッドは俺とキラーが連れてくる!!」

キラー「ファッファッファッ!!ここまで敵にこられた時守ってくれる奴が要るしな!!」

サンジ「命令すんなクソマリモ。俺はついてくぞ」

ジンベエ「ワシも行く。万が一海に2人が落とされた時引き上げる者が必要だろう」

サンジとジンベエも共に走り出す

ゾロ「勝手にしろ......急ぐぞ!!!」

サンジ「って、こんな時まで迷子やるなクソマリモォっ!!!」

キラー「ファッファッファッファッ(人選間違えたか?)」

ルフィとキッドはガープと戦い続けていた

ガープと戦う時は最初から手を緩めないそうでなければこちらがやられる

キッドはルフィの心を心配しつつガープへの警戒を緩めず攻撃を続ける

街の住人が悲鳴を上げて逃げるその戦況をゆっくり見ていた幹部Aは船頭に身を乗り出した

幹部A「そろそろ手を出そうか」

そう言って指をすっと振るうとルフィ達の頭上に瓦礫がいくつも降ってきた

続いて建物まで落ちてきては2人でもたまったものじゃない

ガープが建物を砕き無数の瓦礫にして打ち出す

ルフィが風船で瓦礫を弾こうとした時だった

女の子「ぅぇ~ん」

ルフィ「!?」

建物が頭上へ行ったことでその向こうが見えた

民間人の逃げ遅れた女の子が泣きながら踞っていたのだ

ルフィ「っ!!」

ルフィは弾かれるようにそちらへ走った

キッド「ルフィ!!?」

落ちてくる建物からルフィが女の子を庇うのを見てキッドは叶う限り瓦礫を自分に引き寄せた

金属に巻き込まれた石材に打たれるもルフィ達を生き埋めにするよりマシだ

そしてガープとの戦いに関係のない一般人が理不尽な目にあうのは孫として許せないし海軍として他者を守ることを誇りとするガープに民間人を傷つけさせる気にもならなかった

キッド「おいっ!!無事か!?」

女の子「おにいちゃん......」

ルフィ「ハァ......ハァ......」

引き寄せきれなかった瓦礫に打ちのめされながらも女の子を守り抜いたルフィ

しかし非情にもガープが間合いを詰める

ガープ「その子から離れろ。海賊め」

ルフィ「!!!」

武装色を纏った拳

それを受けたルフィの体は聞こえてはいけない音を上げて吹き飛ばされる

キッド「!!!」

キッドはルフィを受け止めようとしたがガープの拳骨による勢いはむしろ彼の体をも打ちのめし悲鳴を上げさせ

2人は衝撃に意識を奪われたまま海に落ちていった

ゾロ「ルフィ!!!キッド!!!」

キラー「キッドォ!!!」

サンジ「ルフィ!!!クソッ!!!」

ジンベエ「急いで引き上げるぞっ!!!あそこはかなり深い所になっておる!!!」

大急ぎで駆けつけたゾロ達はガープにやられた2人を見て間に合わなかったことを知った

悔しさに歯噛みするも今は能力者故に泳げない2人の救助が先だ

ジンベエ「お前さんはワシらから受けとる為にそこにおってくれ!!!」

SMILの副作用で泳げないキラーに待機を言い渡しジンベエは先に飛び込んだゾロとサンジに続く

彼らのそんな様子を尻目にいつの間にかそばにいた幹部Aに声をかける

ガープ「帰るぞ」

幹部A「いいの?能力者だから確かに海に沈めれば死ぬ。けど仲間が助けにいったよ?」

ガープ「いいわい。これ以上は兵にも街にも民間人にも危険すぎる。それに......」

もう興味ないように言った

ガープ「どうせ仕留めるゴミクズなんじゃ。また出てこようが関係ない。同じように倒すまでじゃよ」

幹部A「ふぅん、まぁいいけど。じゃ、帰ろうか」

その会話を最後に幹部Aの能力でガープも兵隊もそこから姿を消し軍艦に戻っていく

女の子「おにいちゃん......だいじょうぶなの?」

ルフィが守った女の子が不安でキラーに尋ねる

キラーが答えようとした時女の子を庇うように母親らしき女性が抱き寄せた

母親「触らないでっ!!!」

母親がキラーを睨む

母親「あなた達が暴れたせいで街は滅茶苦茶よ!!!お願いだからもう出ていって!!!」

「そうだ海賊めっ!!!」「よくも街を......」「あいつらがいたせいで......!」「さっさと出てけ疫病神ども!!」

母親だけでなく女の子を探すのに手伝っていたらしき住人達がキラーと戻ってきたゾロ達を睨む

キラー「............ルフィ達は?」

ゾロ「......気を失ってるが生きてる。ただ、早くロー達に診てもらわねぇと」

今にも石を投げられそうな空気の中2人の安否を確かめる

海からルフィとキッドを引き上げるゾロ達にまた罵倒が続くかという時女の子が声を張り上げた

女の子「やめてよっ!!あの麦わらのおにいちゃん、私をたすけてくれたんだよっ!!!なんでみんないじめるの!?」

ジンベエ「............行こう」

女の子「おにいちゃんたちに......」

キラー「どけ、邪魔だ」

女の子の訴えを遮り転ばない程度に親子を押し退けたキラーは冷たく言い放つ

敢えて突き放してやらねば親子は海賊の協力者として目をつけられる恐れがある

そうなるのはサンジに担がれながら気絶してる末弟の望むことではない

今のキラーにはそれしかできなかった

キッドを守ることもルフィを助けることもガープを引き止めることもできなかった自分はルフィが守ったものが安全でいられるようにするのが精一杯だった

キラー「ファ......」

情けない

キラー「ファッ......ファッ......」

弟に逃がされ助けにならなかった自分を嗤うキラー

ゾロ「キラー......」

キラー「ファッファッファッファッファッファッ!!!」

ゾロが見つめるキラーは笑いながら

マスクの下から涙を落としていた

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