ロンディニウム島の殺人鬼
(あらゆる幻覚と妄想でのみ構成されています)今は昔の物語。
夢見る海賊の君に、ひとつ御伽噺をお聞かせしよう。
なに? いらない? まあそんなこと言わずにさ。御伽噺とはいうものの、真実であるかもしれないぜ?
さてさて、はじまりはじまり~。
物語の舞台ははるか昔のロンディニウム島。ご存じかな?
知ってる、それはすばらしい。では話を進めよう。
此度の主役は一人の殺人鬼。おっと失礼、一人かどうかはわからないな。まあなんだ、娼婦を殺すおっそろしい奴がいたのさ。
男か女かもわからない。
一人か複数かもわからない。
どんな職業であるかもわからない。
そもそもアレは本当に人間なのか? そんなことすらわからない。
面白い考えでは呪いのアイテム、なんて話もあるぞ? そのアイテムで呪われた人間が痛ましい殺人に手を染めるそうだ。
とまあ、恐ろしいくらいに正体不明の奴がいてな、夜ごとに殺人を繰り返した。
そんなやつが食っていたとされるのが、ヒトヒトの実の幻獣種、モデルリッパー。もちろん真偽のほどはどうだかな。
そいつは結局正体不明のままいなくなってしまったそうだ。
世間を騒がせたくせに、誰も正体を暴けなかった。まったく人騒がせな殺人鬼もいたもんだ。
なんでこの話をしたかって?
そうさなあ、君は最近悪魔の実を手に入れただろう?
なに、詮索しているわけじゃない。偶然見てしまっただけさ。
実をいうとな、海賊クン。モデルリッパーの実は挿絵が残っている。
そう、君が今持っているものと同じ柄をしていたのさ。