ロシー君の劇的ビフォーアフター
※トレーボル✕コラソン
※でも現パロだからロシナンテ、ロシー呼び
※関係については匂わせ程度
※ロシー君の劇的ビフォーアフター大好き
「ロシー、そこに突っ立ってるだけじゃわかんねえぞ〜、べへへ!」
家に上げてからなかなか口を開こうとしないロシナンテだったが、トレーボルの煽りを受けてようやく口を開いた。
「こ、この前の写真…」
「写真〜?」
「は、母上には見せないで……!」
ロシナンテは語気を強めるが、トレーボルはニヤニヤと少年を見下ろすばかりである。
「写真って『これ』の事か〜?」
「あっ……!」
トレーボルは『写真』を少年の目の前でひらひらとかざす。慌ててロシナンテは手を伸ばすが、すぐさま届かない高さに上げられて空を掴んだ。
「んね~んね~ロシー、母上に見られるのが嫌なら『教えた通り』にできるよな~?」
少年は男の言葉を聞いて羞恥に顔を赤らめるが、やがて震える声で『教えた通り』に答えた。
「ろ、ロシーは……いけないことで…き、気持ちよくなる悪い子です…だから…お仕置き…してください……」
前髪から覗く目元に涙が溜まるが、そこに欲情が垣間見えてる事に気を良くした男は写真を隠すことを忘れずに少年の手を引いて寝室へと向かった。
「しつこい!!」
「べほ!?」
勢いよく脇腹を蹴られ、トレーボルは堪らずベッドの上でうずくまった。
「ロ、ロシーお前……!」
「明日の大学一限からだからもうしないって言ったじゃん!何回ヤる気だよ、あーもうイライラする!」
ロシナンテは服の乱れを適当に直すと、煙草を掴んで寝室から荒い足取りで出て行く。その様子を傍観しながら、トレーボルは青年へと成長したロシナンテに思いを巡らせる。どうしてこうなった。
顔立ちこそ幼い頃の面影はあるが体格は兄同様に立派に育ち、何かにつけて泣いていた儚げな少年と重なる所は数えるほどしかない。煙草はいつの間にか覚えていたし、機嫌が悪くなると平気で反抗してくる。挙げ句の果てに、あれ程他人に見せる事を嫌がってた『写真』を兄に見せようと逆に脅し返してくるなどかなり図太くなってしまった。
痛みが治まったのでキッチンまで出てくると、予想通りロシナンテは換気扇の下で煙草を吸っていた(こういう決め事を守るのは昔から変わらない)。
「そういえばあの『写真』さァ……」
ロシナンテはトレーボルを横目で見ながら、何の気なしに告げる。
「万が一母上に見せようとしたら、その前にドフィと協力して海に沈めるから」
自分が少なからず影響している事は認める。しかし一体どこに転換点があったのか。トレーボルはただ頭を抱える事しかできなかった。