ルー・トトカント

ルー・トトカント


〈名前〉ルー・トトカント(Mur Tot-kant)

〈種族〉ネズミの獣人

〈性別〉男

〈所属〉劇団パラノイア105代目団長

〈性格〉淡泊、真面目だが飽きっぽい

〈好きなもの〉風呂、本、工学、騒音、ボードゲーム、生クリーム

〈苦手なもの〉密室、糊、歴史学、夏、ナイフ、ブロッコリー

〈容姿〉

獣人としての特徴である細く長い尻尾と大きく広い耳を除けば10歳前後の人間と同じような見た目。

人前に出る時は常に眼鏡をかけている


〈遍歴〉

魔道具職人の家の生まれ。小道具の下請けをきっかけにパラノイアの劇を知り、才覚を買われて入団した。


彼についてまず語られるのは工作技術。廃材から人間の精巧な模型を作製、さらに複雑な魔法を用いて生身の人間と同等に稼働可能な人形を完成させるまでに僅か1か月。乗り込み式の人型ゴーレムや生身の人間をほぼ完璧に模したフレッシュゴーレムを用いた1人何役にも及ぶ演技は他の団員と対等に渡り合うほどだったという。


劇場の老朽化修繕や増設、大型舞台装置の設計、照明器具の開発など裏方として業績を上げる一方で舞台にも上がり、新人らしからぬ堂々とした演技を見せた。感情を大きく見せる事と長い台詞を覚えるのが苦手だったために主役として出ることは最後まで無かったが、名脇役としてちょっと人気になったらしい。ファンサービスも苦手だったのか、業務用以外のサインは殆ど残っていない。


種族故に寿命が短く、役者として過ごした時間は少なかった。体の衰えを感じ初の自作劇にして代表作「下水からの脱出」の舞台を最後に劇作家に転向、「メイの行進」「リトライ・ダイアリー」「タイムカプセル」などの作品を書き上げる。功績を認められて団長に推薦され、資金の整理や後継の育成にも努めた。

死の病を患ったのち、僅かな書き置きを遺して失踪し行方は知れない。

〈その他〉

生涯を通してパラノイアへと貢献し続けた彼だが、実のところ劇が好きというよりも自身の居場所、活躍の場として執着していた側面が強い。劇はただの娯楽であるべきと考え、演技では個性を下地とした忠実さを重視し、作劇においては観客の心を動かしつつも劇自体に主張を入れないのを理想としていた。時に役者すら劇のための道具のように扱い、その姿は指導を受ける者に恐れられたそうだ。


当時の団員からの評価は「何考えてるか分からんけど、小さいからと見た目で舐めては掛かれない威風があって変人を纏め上げるのは上手い。トンチキには真面目な対応するか全部放棄して乗るタイプ」。何だかんだ慕われていたらしい。


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