『ルフィの国』
「ルフィ〜、本当にこっちであってるの?」
「おう、こっちだこっち!」
ウタはルフィに連れられてフーシャ村から暫く歩いた山道を進んでいた。幼い頃は山賊がいた事もあってここまで来たことはなかったのでそう云う意味では初めての道で新鮮だったがルフィが何処に連れて行こうとしてるのか教えてくれないので少し不安だった。
そんな中で進んで行くとある小屋が見えてきた。その小屋の近くには更に小さい小屋があってルフィはそれを見るとウタの手を取って走って向かい始めた。
「お~い!!ダダン!!皆ぁ!!」
「なんだい!?うるせぇ・・・ル、ルフィか!?」
「おう!」
「ルフィ〜〜〜〜!!!!この野郎!!帰ってきたなら連絡入れろクソガキ!!」
「ししし、昨日来たばっかりでよ。悪かったな」
「ったくしょうがねぇ奴だな」
「ルフィ、その人は誰?」
「あぁ、紹介する!山賊のダダンだ!!昔、世話になってたんだ!!」
「おい、ルフィ。その娘は新聞に載ってた・・・」
「おう!ウタだ!!」
ルフィは育ててくれたダダンの所に来て久しぶりに再会したのでウタにも紹介した。
〇〇〇
「どうだ、ウタ!?俺が昔作った俺の国は?」
「意外に広いね、ルフィ凄い!」
「ししし!!」
ルフィはダダンや他の山賊の皆と少し話をした後でウタを自分の作った『ルフィの国』に招待していた。17歳までそこで暮らしていた事もあってウタが入っても少し広かった。
「あ、ルフィ・・・雨だ」
「おっ、ホントだな」
すると雨がポツリポツリと振り始めて来て暫くするとだいぶ振り始めてきた。ウタは雨漏りしないか心配だったが見た目は非常に不格好な『ルフィの国』でもルフィが海に出てからダダン達が壊れないように修理を少しずつやってたお陰もあって雨漏りもなかった。
ルフィは自分が暮らしていた小屋でウタを招待出来た事に満足してるとウタは隣で笑っていたが手揉みしていた。
「ウタ・・・寒いのか?」
「え?・・・あ、うん・・・ちょっとだけ・・・けど、全然大丈夫だよ!」
ウタは笑顔でそう言うとルフィはウタの手を取って息を吹きかけた。突然の行動にウタは顔を真っ赤にし、ルフィも少し顔を赤くした。
「ル、ルフィ!?」
「こ、こうした方があったけえだろ?」
「あ、温かいけどだったらこっちの方が良いなぁ」
ウタはそう云うとルフィの頬に手を当てた。ルフィの顔は真っ赤に染まってきて頬に手を当ててるウタは段々と暖かくなってる事に嬉しくなった。
「ほらこっちの方が温かい」
「は、恥ずかしいぞウタ・・・この!」
「わっ!?」
やられっぱなしは性に合わないルフィはウタの頬に手を当てて真似た。するとウタの顔も赤く熱くなってきたが2人はお互いに先程以上に熱くなってきた。
「あ、熱いね・・・」
「そ、そうだな!」
「・・・ルフィ・・・」
「・・・ウタ・・・」
赤くなった2人はそのままゆっくりと唇を近づけた。
・・・雨音だけじゃない瑞々しい音が『ルフィの国』で静かに2人の耳に聴こえた。
〇〇〇
「それじゃ行くぞ・・・ストレートだ」
「ちっ、フラッシュ」
「よっしゃ!ストレートフラッシュだ!」
「悪いなバギー、ロイヤルストレートフラッシュだ!!」
「ふざけんな!!」
ベックマンに船を追い出されたままのシャンクスはクロスギルドに来てポーカーをしていた。そしてクロコダイルとミホークとバギーを相手に勝ちまくっていてバギーからツッコミが入った。
「だいたい、お前はいつまで居る気だ!?とっとと帰れ!!」
「頼むよ、バギー!ベックがまだ入れてくれないんだよ、後1ヶ月は居させてくれ!!」
「ふざけんなハデバカやろう!!」
「・・・騒々しいな」
「・・・埋める砂漠を探しておくか」
図々しいシャンクスにツッコミを入れるバギー、騒がしい事に小言を言うミホーク。そしてクロコダイルはシャンクスとバギーを屠る為に埋める砂漠を何処にしようか考え始めていた。