『ルフィのペン』

『ルフィのペン』


「ロビン、ラブレターってやつの書き方を教えてくれ」

「え?」

ロビンはルフィからそう言われた。何か用があったのか珍しいというか基本的に入らない測量室の測量机に座っていたルフィをロビンは見たので何か下手な事をやってナミに怒られるのを防ぐ為に軽く何をやってるのか聴きに来たら、そう言われた。

「ウタからその・・・手紙を貰ってナミに返事を出したらどうだって言われて色々と借りてんだけど・・・何か上手く書けねぇんだ」

「そうなの・・・ルフィ、貴方手紙を書いた事は?」

「あんましねぇ」

ルフィの言葉を聞いてロビンはナミから許可を貰ってる事にホッとしつつ、書くことに戸惑ってるルフィに微笑んだ。

「分かったわ、手伝ってあげる」

「ありがとう!」

ロビンの協力を得られた事でルフィは喜びながら椅子に座って、トントンとペン先を付けていて書くことに悩んでいたインクの後が残ってる紙に向かい合った。

「だいぶ悩んでいたのね」

「上手く書けねぇんだ。すぐに終わると思ったんだけど・・・早く書かねぇといけねぇのに」

「どうして?」

「ナミのやつ、毎日ここで海図とか描いてるだろ?長居したくねぇ」

「ルフィ・・・手紙はそうやって焦るとより書けなくなるわ。ゆっくりやって後でちゃんとナミに言えば分かってくれるわ。だから先ずは落ち着いてね」

「わ、分かった」

ロビンにそう言われたルフィは大きく深呼吸して落ち着いて向きあった。

「先ずは手紙を貰ってどう思ったのか書いてみて」

「分かった・・・えと、凄え嬉しかった!」

ロビンに言われてルフィは手紙に『手紙をくれてありがとう!すげえ嬉しい!』とそう書いた。

そこからはロビンがルフィに軽くきっかけを与える感じで進めた。ウタの手紙に合わせて普段、何をしてるのかとか何があったのか、それからどんな物を新しく見つけたのか、ルフィは色々と書いていって紙の端まで書いてしまった。

「やべ、終わっちまった・・・」

「2枚目に行く?」

「行く!ウタからの手紙も何枚もあったし!」

ルフィはそう言って2枚目に入った。そこから暫くしてルフィはちゃんと手紙を書き終えた。

「後は封筒に入れて郵便で送るだけね。明日のニュース・クーに頼みましょ」

「おう!・・・ウタもこんな風にして書いたのかなぁ?」

「そうだと思うわ」

「凄えな・・・あっ、ナミに小遣いと貸してくれてありがとうって言わねぇと」

ルフィはそう言って手紙を便箋してから測量室を出た。ロビンは普段とは違う船長の姿にひょっとしたらと少し思った。


〇〇〇

「ナミ〜!」

「あっ、終わったの?」

「あぁ、ちゃんと書けたぞ!机とペン貸してくれてありがとう!!それから長居しちまってわりぃ」

「良いわよ。あんた船長なんだから、それに普段のあんたは文字を見なさすぎよ」

「ししし!」

ナミにお礼を言うとそう返された。ナミはニコニコと笑って手紙を持ってるルフィに微笑んだ。

「それで、その手紙は明日のニュース・クーで送るんでしょ?」

「おう!」

「貸して、私がやってあげるわ。その代わり小遣いはちゃんとあんたのから引いとくけど」

ナミの言葉にルフィは便箋を見ると首を横に振った。

「いや、俺がちゃんと渡す!」

「そう、ならちゃんと起きなさいよ。あんた結構不安定なんだから」

「おう!」

普段の睡眠間隔を知ってるナミは元気よく答えてるルフィを少し不安に思った。寝たい時に寝てるルフィは夜の見張りをやるゾロ以上に不規則な睡眠をやる。ニュース・クーが来ても起きて渡せなかったら意味がない。

ナミは少し手を貸してやるかと思った。


〇〇〇

翌日の朝、ナミは何時もの通り起きた。既にサンジは起きて皆の朝ご飯を作ってる中で軽くコーヒーと朝ご飯を貰って甲板に出るとルフィはウトウトしながら海を見ていた。

「あんた、やっぱり起きてたのね」

「あ、ナミ。おはよー」

「はいはい、おはよー。それよりも見張りの当番を変わってまで起きてたみたいだけど」

「おう、ちゃんと俺が出すんだ・・・ぐが〜・・・」

「あ、やっぱりこうなった」

手紙を書けて自分でニュース・クーに渡したがってるルフィだが、夜通し起き続けたのもあって寝てしまった。

そこに運悪くニュース・クーがやってきたナミは新聞を買い取ってルフィを起こそうと揺すった。

「ほら、起きなさい。手紙を渡すんでしょ?」

「んん〜・・・ウタ〜・・・手紙〜」

「はぁ〜・・・しょうがないわね」

ナミはルフィの懐に手を伸ばしてやっぱり持っていた便箋を取るとニュース・クーに送ってもらった。

その大体5時間後にルフィは起きてきて手紙が無いことに慌てたがナミが渡した事を伝えた。その後でちゃんと渡したかったらその前にちゃんと寝とく事とナミに軽く怒られたルフィは手紙を出してくれたナミにお礼と返事を返した。


数日後、ナミとロビンは甲板で軽く日光浴をしているとルフィが手紙を持ってやってきた。

「ナミ、ロビン!!ウタからの手紙が来た!!」

「そう、良かったじゃない!」

「ルフィ、また返事を書くの手伝うわ」

「・・・いや、今度は自分でやる!ナミ、また机とペンを貸してくれ!」

「良いわよ、ゆっくり書いてきなさい」

「ありがとう!!」

ルフィはそう笑ってウタからの手紙を読みながら測量室に入っていった。

そしてナミはメモ帳を取り出した。中は次の島で買っておきたい物のリストが入っていて食料だったり服だったりと色々と書いてる中に1つ書き加えた。

『ルフィのペン』

ナミはそれを書いてロビンに笑いながら見せるとロビンも優しく微笑み返した。

ルフィは測量室で返事を書く前にちゃんとウタからの手紙を読んでいた。すると今度会わないかと言う事が書かれていた。丁寧に会う島の名前とウタのビブルカードまで同封されていた。

「・・・よし!会いに行くか!!」

ルフィは会いに行くと決めつつもそれはそれとしてちゃんと手紙の返事を書き始めた。



〇〇〇

「シャンクス〜、ル、ルフィは来てくれるよね!?服とか色々と準備しないと・・・それから一緒に回る所とか・・・」

「おいおい、落ち着けよウタ」

「ベックマン・・・」

「そんなんじゃルフィと先に進めないぞ」

「おい、ベック」

「さ、先って・・・手を繋ぐとか・・・?」

「いや・・・キスするとかだ」

「ベック!!」

ウタにド直球にいうベックマンにまだそんな所まで許す気のないシャンクスは大声を上げた。

ウタはというとベックマンの言われた事に顔を真っ赤にしていた。

「べ、ベックマンの馬鹿!!キ、キスなんてしちゃったら子供できるじゃん!!変態!!」

ウタはベックマンにそう言って怒って船室に戻っていった。シャンクスとベックマンは何とも言えない顔を互いに見合わせた。

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