ルフィ×うるティ

ルフィ×うるティ


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!!注意!!

元シチュの関係上無理やりなシーンがあります

閲覧の際は十分にご注意を


また、戦闘シーンは書いたことがないのでまるまるカット&ところどころキャラの言葉遣いがおかしいと思いますがご容赦を。

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「姉貴っ!」

「ぺーたん!?」

 麦わらの一味と侍たちが討ち入りしてきた混戦の最中、出会った麦わらとの戦闘は熾烈を極めた。

 私とぺーたんの二人がかりでも容易には仕留められず、むしろこちらが押されている状況……二対一でなければすでに負けていたかもしれない。

 だが、私達は強いし何より二人だけの姉弟だ。互いを庇いあるいは連携していたため麦わらもこちらに決定打を与えられてはいなかった。

 その膠着状態を打ち破るように意を決した麦わらの渾身の一撃はこれまでとは比べ物にならない威力と速度をもって私に向かってきて……私を守るように間に入ったぺーたんを壁まで吹き飛ばした。

 なんで? 一瞬そう思うがすぐに怒りが湧いてきた。

 弟のくせに姉を守るなんて生意気だ。

 それ以上に、弟を守れなかった自分自身に、守られてしまった事実に。なにより大切な弟を傷つけた麦わらが許せなかった。

「お前ェッ!よくもぺーたんを!!」

 この後力尽きて倒れようがどうでもいい。侍の襲撃も、麦わらの仲間達もどうでもいい。

 目の前のこの麦わらさえ倒せればそれだけでいい。とにかくシバキ殺す。

 これまでの戦闘で消耗したせいか獣型に変身はできないためウル頭銃群は使えないがそんなのしったことか。

「ウル頭銃!!」

 助走をつけ覇気をこれでもかと込めて頭突きを放つ。最初の小競り合いの時とは比較にならない威力と速度だ。

 あの時と同じく麦わらは頭突きで応じる。あの時は吹っ飛ばしたけど今度は違う。ゴムだろうがなんだろうが潰してやる!

「あああああああ!!!!」

「うおおおおおお!!!!」

「っ!?」

 渾身の一撃は見事麦わらの頭部に直撃して一瞬の硬直の後、私は吹き飛ばされていた。

「う、あ……」

 吹き飛ばされたことよりも頭への衝撃が強すぎて視界が揺れる。得意の頭突きでこんなになるなんて……。

 揺れる視界と朦朧とした意識の中、視界の端に映った陰に目を向けると気絶しているぺーたんが目に入ってきた。

 ぺーたん。私の一人だけの弟で、大切な守るべき家族。

「っ、うあああああッ!」

 今にも消えそうな意識を吠えることで無理やり保ち体を必死に動かしてぺーたんに近づく。守る。絶対に私が守るんだ。


「お前もう無理すんなよ。これ以上は戦えねェだろ」

「麦わ……きゃあっ!?」

 ぺーたんの傍に。頭の中はそれでいっぱいだった私は麦わらが傍に来ている事にも気づけなかった。

 かけられた声にそちらを向くと同時に視界が回り、背中の衝撃と同時に見えるのは天井と麦わらの顔。

 ……? なぜ、天井が、そして麦わらの顔が……?

「……? ……っ!? この、離せ!!」

 混乱する思考とは裏腹に鮮明に感じる感触。

 麦わらの手が私の胸に置かれていた。いや、揉まれていた。

誰かに、しかも異性に胸を触られるなんて経験がなかったうえに相手は敵である麦わら。

 羞恥心を感じる前に嫌悪感と怒りでどかそうと藻掻くが戦闘の疲労と先程のダメージで体を揺するのが精一杯だった。

「そのマスク、邪魔だな……」

 体に力が入らないからといって抵抗を止める理由にはならない。胸を揉まれる感触に耐えていると麦わらがそんなことを呟き、その直後にマスクを剥ぎ取られて唇を奪われた。

「っ!? んむっ!? むゥっ!? むーーーー!!」

 くそ、ふざけんなよ……。

 ぺーたんを守れず敵討ちもできず。

 憎き怨敵に組み敷かれて胸を揉まれた挙句に唇の初めても奪われて。

「ふむ゛っ!? 」

 生温く滑った感触のナニカが唇を割って侵入してくる。嫌だ……気持ち悪い……。

「むうっ! む゛ー!」

 口の中を這い回るソレの感触に怖気を感じ、混乱と悔しさとで熱くなる目頭を必死に堪える。

 こんな奴相手に泣いてやるもんか。むしろこうして私を弄ぶ余裕を見せたことを後悔させてやる。

 そんな思いでコイツの舌を噛み千切るつもりで歯を閉じる。

「んお? わひィへどほれふォむらはらひはねへほ?」

「!?」

 その私の抵抗すらこいつには効かなくて……途惑いで一瞬硬直した隙を目敏く見逃さなかった麦わらに衣服を全部剥ぎ取られてしまった。

「いやっ!」

 さすがにここまでされるのは想定していなかった、と言えば嘘になる。

 胸を揉まれて唇を奪われた時点でコイツが"そういう"つもりなのは頭のどこかで理解していた。

 でもこんなところで裸にされて平然としていられるほど私はドライじゃない。

「ししし、やっぱいい体してんなァお前」

 当の麦わらは私の身体にご満悦のようだ。嬉しくもない。反吐が出る。

「……」

「んん? 反応わりィなあ……ま、最初だけだろうけど」

 私が黙っているとお構いなしとばかりに体のあちこちを弄られた。

 胸やその先端は勿論、首筋、耳やその周辺、肩や鎖骨に脇、お腹やお臍や……私のアソコまで。

 素肌を這う麦わらの手指に気持ち悪さを感じ目を瞑り歯を食いしばって必死に耐える。

「んー……ここか? それともこうか?」

 なんて麦わらはわざとらしく声を出しながら好き勝手にやっている。ウルサイ黙れ。むしろ今すぐ死ね。とっとと離れろクソ……。

 触られたところにゾクゾクとしたものを感じるのはくすぐったいだけだし、乳首がかたくなってるのも擦れて刺激されただけで気持ちいいわけじゃない。ただの反射、生理現象だ。

 こんな奴に弄られて感じるわけなんて……。

「んっ。……?!」

 そう、感じるわけなんてないのに私の口からは艶のある声が出ていた。

 自分の耳に届いたあり得ない声音。それに驚いて目を見開くと笑顔の麦わら。

探していたお宝を見つけたような満面の笑みだ。

「っ、くっ」

 その表情にしまったという深い後悔と共に顔を背けると視界に入るのは気絶したぺーたん。

 これ以上声を漏らしたくない、ぺーたんに聞かれたくないと腕で口を塞ぐ。

「お、まだ我慢するのか。まーいいけどよー」

 私が感じ始めたと見るやそれまでとはうって変わってねちっこく、私が反応する箇所を重点的に攻めるようになってきた。

 こんな……さっきのはたまたまだ。偶然だ。これ以上感じてなんか……。

「っ、ふゥ……ん……っく」

「あっ、……んんっ、んぐゥ……」

「う、ぐゥ……あふっ、んあァ……」

「やあ……あっあっ……ひゥっ!?」

 どれだけ耐えようが無駄だというように麦わらの攻めは続き、私の決意を意志とは裏腹に漏れ出る喘ぎ声はだんだんと増えていきとうとう何かが弾けた。

「ひっ……ひっ……ひ、は……ァ」

 イカされた。イカされてしまった。どうにか声は抑えたがそのせいか体に走った衝撃は想像以上に強くて視界がチカチカと明滅する。


「……そろそろいいかな」

 麦わらのその呟きも耳には届いたが理解はできなかった。

 何を言ってるかわからないまま麦わらの方へ視線をやると……跳ねるようにソレが飛び出してきたのを目撃してしまった。

 ソレ。麦わらの下半身から突き出ているナニカ。勃起した男の……。

「ひっ!? や、やだっ!」

 知識としては知っている。頭では理解している。でも心は現実を受け入れられず拒絶して体は少しでも距離を取ろうと後ずさる。

 いまだろくに力が入らない上に馬乗りにされている以上逃げるどころか少しも移動できない。それでも心と体は必死に目の前のソレから離れようと懸命にもがく。

「ん? その反応……なんだお前初めてなのか?」

「っ……」

 私の反応に察するものがあったのかそう問いかけてくる麦わら。

 当然私は答えない。答えたくない。答えてたまるか。

「ま、いーかァ! 初めてでもそのうち良くなってくるから大丈夫だぞ!」

 そういうが否や麦わらは素早い動きで私の脚の間へ移動し、こちらの制止を聞きもせずその逸物を一息でねじ込んできた。

「っ!? まっ……イ゛ギッ!?」

 痛い痛い痛いいたいイダイいたいイタイ!!!!!!!!

 戦闘すれば負傷する。それは当たり前のことでとっくになれていたし、こいつらとの戦いでだって傷はついたが気にするほどの痛みではなかった。

 痛みには慣れていた。そのつもりだった。

 それなのに体の中心からこの感じる痛みは途轍もなくて。

(クソ……海賊だからそんなに夢見てなかったけど……初めてがこんな……)

 初めてを失ったこの状況の悲惨さと感じる激痛。そのどちらかだけであればまだ耐えられたがその両方は無理だった。

 じわりと滲み出てくる涙を止める気力は無く、もういいや好きにしろよ麦わらのクソ野郎と心の中で罵倒するのが関の山だった。

「っぐ、ぎっ……い、あ゛……」

 麦わらは遠慮なく動いてくる。

 挿入前の前戯でイカされ多少濡れていたとはいえ、処女を散らされた直後の私には快感なんてなく破瓜の痛みに呻くしかなかった。

「っふ、ぐゥ……ああ゛っ……」

 時折クリを弄られてその度に体と声が反応してしまう。ある意味尤も敏感な部分を不意に刺激されるのだからしかたがない。仕方がないんだ……。

 いつまで動いてるんだこの猿野郎。さっさと終わらせて目の前から消えろ。

 体を揺すられるその感覚に自棄になった頭で考えていると不意に麦わらが呟く。

「もうそろそろだな」

「? なに、を……んあっ……!?」

 呟きに思わず問い返した直後の一突き。体の奥に押し付けるようにねじ込まれたソレ。

 そこから生じた甘い感覚に声が漏れていた。喘ぎ声が。

「っ!? や、嘘。なんァっ、やあ……なんで……」

 嘘だ。無理やり犯されてもう感じ始めているなんて嘘だ。何かの間違いだ。

「うそ、うそうそウソ……嘘だ。やだ、嘘だァ……」

 認めたくない。嫌だ。嘘だ。嫌だ感じてない。感じたくない。止めて。止めろ。

「いや゛っ!? あっ、やあっ、やだ……やだあっ……う゛、ふうう゛ぅ~……」

 絶望に混乱する頭で必死に否定する。否定する間も麦わらは動き、それに合わせて否定の言葉に紛れて喘ぎ声も出てくる。

 なんで、なんで私が……こんな、嘘だ。ありえない。嫌だ。助けて、誰か。

 ぼろぼろと溢れてくる涙で視界はぼやけて嗚咽と喘ぎ声はもう止められなくなっていた。

 ああ、いっそのこと悪い夢ならいいのに。なんてそんな現実逃避をしそうになるほど心が折れかけていた。

 そんな私の頭をふわりと撫でる手は救援に来た誰かのものではなく、私を犯した張本人麦わらのものだった。

 本来であれば悍ましいその手も折れる寸前まで弱った心にはその優しい手付きと伝わってくる温もりがじわりと侵食してくる。

 マズイ。感じているこの安心感はまやかしだ。弱った心が勘違いしているだけだ。

 そう必死に抵抗する理性を打ち崩すように、私を安心させ諭すように語りかけてくる。

「大丈夫、大丈夫だぞ。この状況で感じるのはありえないって混乱だろうけど、大丈夫だ!」

 なにが、だいじょうぶだというのか。

「無理やりされても体は防衛本能で濡れたりするんだってよ」

 そんなのは、しっている。

「んでな? 濡れれば抽挿が楽になる……つまり刺激しやすくなるってわけなんだ」

 それが、どうした。

「刺激には反応するのが人体なんだってよ! だからお前が今感じ始めてるのも人体の当然の反応だからそんな気にすんなよ!」

 そうか、とうぜんなのか。

 いつもの私であればそんなわけがあるかと怒鳴り返しただろう。いや、怒鳴り返す前にぶん殴ってる。

 でも、今の私はいつもの私ではなく、麦わらのそんな詭弁を頭ではおかしいとわかってるはずのそれを受け入れてしまおうとしていた。

 だって、私は無理やり犯されて感じるような女じゃない。それなのに今も感じるこの快感。

 それを理解するには……いや、感じさせられているという現実から目を背けるために"人体の反射なのだから仕方ないこと"という甘言は毒のように頭と心に染み込んでくる。

「おま、おまっえの……せい、で……」

 だから必死に私のせいじゃない。お前のせいだと訴える。私は。私は……。

「そうそう。お前はなにも悪くねェ。だからな?」

「っふう゛!?んぐ、ァ……あっ!?」

 遠慮なく感じちまえ。

 そういう意思をこめるかのように、説明の間鈍っていたピストンが強烈に再開された。

「あ、やっ。ま、やだっ……やめ、てェっ!……うァっ……あァ゛~~」

 体はとっくに快感に慣らされていて。

 心は先ほど仕方がないと屈してしまう理由を突きつけられて。

 頭はもうまともに働いてなくて。

 そんな中で今から本気だというような動きで膣内を突き抉られて。

 私はもう声を抑えるなんて余裕はなかった。執拗に襞を擦られ、奥まで突きいれては密着させるかのよう腰を揺すってくる。。

「ひぐっ、うぁあぁ……やあぁ~~っ」

「よっ……と」

「んあ゛ぁ!? ああっ、これ、ちが、うゥ~~」

 麦わらが私の両足を抱えて自分の肩にかけたかとおもうと膣内への刺激が変化して。

 私は麦わらが与えてくる快楽にすっかりと翻弄されてなすが儘に喘ぎ続けていた。

「ひ、ぁは……あっ、いっ……やぁ……はひっゥ……」

「やっぱ、おまえ、すげェ、イイ、なっ!」

 そんなこと、いわれてもうれしくねーよばぁか……。

 不意に麦わらが褒めてくるが嬉しくなんてない。顔がにやけるのは快楽で頭が蕩けてるせいだ。お前なんか受け入れるわけない。

「イク、ぞ! ……っぐ、う……ふぅゔ~~……」

「? あ゛っ!? あ゛づっう……なあ……!? うぁ゛……あ゛~……」

 先程の言葉から間髪入れずに麦わらが何事か呟き呻き動きが止まる。

 それと同時に感じるのは私の中に注がれる熱いナニカ。

 膣内で跳ねる麦わらの棒とそこから放たれているであろうソレ。

 勢いよく大量に、灼熱を宿しているかのような熱をもった麦わらの精子が私の中にあふれて満たしていく。

「……まだ、でる……ぞっ」

「っは、がっ……あっ、あァ……ふぅ、ィ゛い……ァ」

 膣内で脈動するそのタイミングに合わせるかのように私も声を上げ体を震わせる。その過程で絶頂してしまった気もするが呆然とした頭ではどっちだったかはわからない。

 長い長い射精の後、漸くだし終わったのか麦わらは私の中から自身を引き抜き一息ついていた。

「……ふぅ~。お前、体の外側も内側も良かったぞ! 今までの中でもかなり上位だな~」

「っぅ……あ……あ゛」

 そんな一方的なふざけた物言いも中に出された衝撃で胡乱になった私には届かない。膣内を満たし逆流してあふれ出てきた精子の感触にすら快感になってしまっている今の私には。

「……」

 そんな私をしばし見つめていた麦わらが私の脚を開いて間に入り込んでくる。

「うあ……?」

「もう少し、ヤるぞ?」

 己の逸物を握り、私の性器に当てながらそう告げてくる麦わら。

入り口に感じるその刺激となによりその言葉にゾクリとしたものが背筋を駆け抜ける。

「いやっ、やだっ! もう、いやァ……」

 すでに心が折れてしまった私はやめてほしいと必死に懇願する。……その声音に甘い、何かを期待した艶が含まれているのは絶頂の余韻のせいだと、思いたい。思いたかった。

「嘘はよくないぞ……うるティ」

「あ゛ぐっ!? ……ふゥう゛~~……」

 蕩けてほぐれきっている膣内に再び麦わらが突き刺さる。

 痛みが伴った最初とは違い最初からすべてが快感に変じる。

「よし、今度は最初から全開だ!」

「!? やっ、い゛やっだっ! やだああぁ~~~」

 待って。嘘。さっきの射精直前が全力だったんじゃ。やだ、やめて。やだぁ……。

 これ以上快楽を叩きつけられたらおかしくなる。

 本能的に理解してしまい、だだをこねる子供のようにいやいやをする。

 折れて砕けて隙間だらけになったこの心に染みわたり犯していくこの快楽から逃げなければ、本当に私の中の何かが変わってしまう。終わってしまう。

「大丈夫だって! ちょーっと気持ちよすぎるだけだから、な!」

「ひぎっ、いやっ、おかし、くゥっ!? おかひく、なる……なりたく、なぁっあああ~~~!?」

 腰を打ち付け肉と肉がぶつかる乾いた音、多量の水気を含む肉をかき分ける水音。

 ぺーたんに見られたくないこんな声を聞かれたくないと最後まで頭の片隅に残っていた理性の欠片は、本格的に腰を使い始めた麦わらからもたらされる快楽の前に暗転する視界と共に塗りつぶされ、消えた。



「うっ……おれ、は……?」

 ふいに覚醒した意識に思考が追い付かず状況を把握できていない。

 たしか……そう、たしか侍共の討ち入りがあって戦闘になって……そうだ!

 姉貴と行動している道中に麦わらと出会って激しい戦いになったんだ。

 その途中アイツのやばそうな技から姉貴を庇って……クソ、気絶しちまってたのかおれは。情けねェ。

「!? そうだ、姉貴。姉貴は!?」

 立ち上がるほど回復していないため必死に頭を動かして周囲を見渡すとすぐに見つかった。……見て、しまった。

 誰かの体に覆いかぶさり揺れ動く麦わら。長い青髪の中に桃色が垣間見える女性の上に跨る姿を。姉貴の、上に。

「テメエェェェ!! 麦わらァ!! テメェッ!! 姉貴に何してやがるッ!! 離れろテメェ!!!!」

 麦わらに組み敷かれて襲われているのが姉貴だと理解した瞬間何もかも吹っ飛んだ。クソ、クソが。あのクソヤロウ!

 殺す。絶対に殺す。麦わらを殺した後はアイツの仲間も一緒に攻め込んできた侍共も全員殺す。姉貴を傷つけやがって、汚しやがって。

「ん? お、ああ。お前~気づいたのかあ!」

「うるせェ! 姉貴からどけ! 殺してやる! こっちにきやがれ!!」

 おれの叫びに気づいた麦わらがこちらを見やり声をかけてくる。

 それは知り合いにするような気軽さでそのふざけた態度に再度おれは吠える。

 震える腕に力をこめ、なんとか上半身を持ち上げるが立てそうにない。頭では今の俺では麦わらに勝つどころか戦闘すらできないだろう。

 そんなことはわかっているが、大事な家族を、姉貴を今も凌辱しているコイツをこのままほうってなんかおけない。おけるわけがねェ!!

「どけって……なんでだ?」

「テメェッ……!! 姉貴に何をしてるかわかっていってんのかテメェ!!!!」

 この段階になってもとぼけやがって……!

 自由に動かない自分の体が憎らしい。はやく、はやくウゴケおれの体。そうすれば今すぐにでもこいつをブチ殺して姉貴を助け――。

「んー? ああ! そっかそっか。そーいうことか。大丈夫"今は"合意だからよ、安心してくれ!」

 腑に落ちないと言った感じで首を捻り暫し考えていた麦わらが、得心と言った感じで告げてきた。

「……は? んな、ワケが、あるかこの野郎ァ!? どこまで姉貴を侮辱すれば」

「ほら、見てみろよこの顔! それに声もよ!」

 おれの言葉を遮り姉貴の顔をこちらに向ける麦わら。

 向こう側を向いていて見れなかった今の姉貴の顔を。

「あっ……なァ、に……? ……っ!? ぺー、たん……? あっ、やっあ! やだっ、みな、みないっで……ぺーたァん……みちゃやだァ……」

「……あね、き……? ……は?」

 その姉貴の顔は普段とは違う……いや、今まで見たこともないような表情で。

トロンと蕩けて頬を上気させ、口の端からは涎が筋を作って垂れていて。

 麦わらの動きに合わせて艶めかしく肢体を揺らめかせて。

 目の前の光景を信じられないおれの目は姉貴のそんな姿を捉えて脳に送り、脳はそれを認識しているが理解できずに固まる。

「な? 今はもうすっかりおれのことを求めてくれてるんだよ! 無理やりじゃねェからな!」

「んな、んなワケあるかァ! 嘘だ!! 姉貴が、オマエなんかを受け入れるわけ……ゔェ゛っお゛、ぐっ……」

 どう考えたって姉貴は抵抗したはずだしこいつが無理やり襲ったのが始まりのはずだ。

 だのに目の前の光景はまるで恋人同士が仲睦まじく愛し合い交わっているように姉貴と麦わらが絡み合っている。

 その現実を受け止めきれず湧き上がる何かを吐き出すようにえずくが何も出てこなかった。それでもなおえずく。

「が、はァっ……は……」

「んっ……ぺー、た……んはっ……ぺーたん……ごめん、ごめんね」

「!」

 そんなおれの耳に届くのは姉貴の懺悔の声。嬌声交じりに紡がれる謝罪の言葉。

「あっ……まも、れなくゥっ!? って、ェ……ごめ、んっ……ね?」

 違う。守れなかったのはおれだ。

「こォんっなあっ、すが、た……をっ、みせ、ちゃってェっ、……ごめんっ」

 姉貴は悪くない。姉貴を襲った麦わらが……止められなかったおれが悪いんだ。

「わた、しィ……ふァっ、あァ~……わらひ、は、ァ゛~……」

 麦わらの動きに阻害されつっかえつっかえまだ何かを訴えてくる姉貴。

 聞き届けなければという気持ちと、これ以上は聞いちゃいけないという気持ちが混ざり合う。

「むひ、むぎひゃら、のっおォ……るふぃ、の……お゛っ、んなにィ……されひゃ、……たあ……あ、はっ。ハハッ……あゥ゛んっ!?」

 姉貴の絞り出すような最後の告白を聞き終えた後おれは……。

「っぐ……ううゥ……ちくしょう、チクショウ……チクショウ!」

 滲む視界の中で怒りを、絶望を、自責の念を吐き出すかのように床を叩く。力なく床に落ちる拳は大した音を生み出さないが、それでも叩く。

 小さい頃からおれを守ってくれた姉貴。

 百獣海賊団に入った後も何かと目をかけて構ってきた姉貴。

 確かにその構い方にうっとおしいと思ったことは多々あるが、それでも大事な家族でたった一人きりの姉貴。

 昔から守られてばかりだけど、おれが強くなって逆に守ってやりたいと思っていた姉貴。

 戦いからも目の前の男に凌辱されるのからも守れず、その果てに心まで堕とされた姉貴に謝られるという情けなさはおれの心を折るのには十分だった。

「話は終わったみてェだな。んじゃ、動くぞうるティ!」

「あ、はっ……やだ、ぺーたんっ、にィ……きか、れるのはっ……はずか、しィ~~……んァ゛っ」

 打ちひしがれるおれをよそに麦わらが姉貴に告げ、それを受けた姉貴は表面上は拒否しているが誰が聞いても完全に受け入れている声で答える。

「ほら、またっ……!」

「あ゛っひィっ……ァ~~……あふ、う……でてるゥ……」

 深いダメージを負った体は動けずかといって意識を失う事も出来ず、姉貴と麦わらの交わりを聞き続けるしかできないこの地獄は、もうしばらく続いた。

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