ルナ←ルナ(別人格ver)

ルナ←ルナ(別人格ver)

※過去・キャラ捏造につきワンクッション


「ルナ〜!付き合って〜!」「こっち向いてー!」「今日もワールドクラスイケメン♡」


「今日も応援に来てくれてありがとう!」

「これからも俺のプレイに期待しててね」

にこっ


レオナルド・ルナこと"レオ"が、レ・アールのグッズを持ったファンもとい"ルナ追っかけ"に甘ーい声をひとたびかけるだけで、黄色い声援がどっっ、と沸き立つのだ

そして無自覚人たらしは砂糖も負けるくらいのマスクで笑顔を振りまき、その"熱心なファン"の願いに応えるべくサインなり握手なり、時にはハグなんかもかますのだ


…またファンサしてるよレオのやつ!

なーにが"サッカー選手は好感度も大事だからね"だ!"オレ"にはしてくれたことないのにレオはいつも…!


そこまでいたって、いつも通りに、為す術なく"共有された"視界を振り切り、一旦思考を止める


落ち着け"オレ"…なんで心がこんなにぐちゃぐちゃにされるんだろう


"レオナルド・ルナ"は気品溢れた紳士であるべきだ

なら"正しき行動は"ファンは等しく大切にし、望まれていることをすること


…そんなこと、最初からわかってるのに




あの後から今日のトレーニングをこなし、今は"オレ"が体の自由権を得たので「(自由にやっちゃおうかな〜!)」なんて思いつつ、レオの明日以降に響いて困るようなことをするのは本望ではないので、そそくさと一日を終えてベッドで横になる


目を閉じて記憶をなぞる

"レオ"から"オレ"が生まれて、また頭の中で一緒に過ごす仲間が増えて…


そういえば。

ある日の夜。

"レオ"が寝静まった頃、起きてる人格がおしゃべりするところ、いわゆる談話室に引っ張り出され

「アンタ、ルナのこと好きなんだろ?」「告白しちゃいなよ〜!」

なんて言われた時は「("オレ"とレオは友達なのに何言ってるんだ…)」としか思わなかった


小さい頃レオが熱を出して朦朧としていた時、心の支えとして"オレ"が生まれた


その時からずっと一緒だった


嬉しいことがあった時は一番に話してくれた

メイトと上手くいかない時だって"オレ"にだけ弱音を吐いてくれた

楽しい時も辛いときも、ずっと


"オレ"はレオの全部を知ってる


屈託のない、無邪気な声で"リオ"と呼んでくれるだけでよかった

…よかったのに



「(押し殺すんだ、"オレ")」

かつて"いた"仲間が言ってくれた言葉を思い出す


「後悔しないようにな」

「お前さんとルナが"一緒になる"前に」


この気持ちが芽生えてしまった前にはもう戻れない

欲深いオレが消えてなくなるまで、レオには絶対に伝えないから


レオがもう"オレ"を必要としなくなって忘れかけた頃に、"オレ"は、リオは。



お前の心とくっついてないまぜになるから

その時にでもこの一方的な恋を終わらせよう

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