ルウタ心中ルート
「…よし!これでいいんだな!」
彼が電伝虫で話していたのはかつて自分が働いていた海軍。伝えた内容は2人の居場所。そう、彼らは自首をしたのだ。長期に渡る逃亡生活に加え天竜人による2人の故郷への襲撃…度重なる、自分たちが原因の凄惨な出来事に、ついに彼らは断念の意志を固めた。
「うん、3時間もあれば来てくれるよ。」
「じゃあちょっとは時間あんのか。」
「えー、でも遺書も書いたしもうすることなくない?」
「それもそうだな!じゃあ死ぬか!」
「言い方…まあそうなんだけどさ。」
…彼らが固めたのは自首の意志ではない、この先の未来を生きることを諦めるーーーすなわち、心中だ。
「ねえ、ほんとにいいの?…ここで終わっちゃっても。」
「ん?なんだよ今さら、お前が死にたいって言ったんだろ?お前が本気なら俺は止めねえし最後まで付き合う、そう決めたからな!それに…ウタがいないんだったら生きててもつまんねえし。」
「あはは、私も…ルフィがいない世界なんて考えらんない。」
そう言ってウタは2つのナイフを取り出す。
「ん?なんか見覚えあんなぁそれ。…あ、そうだ!シャンクスたちの船で使ったやつだ!」
「え!?…あ〜あれかあ。」
ルフィがまだ海賊に憧れていた頃にシャンクスの船に乗せてもらうため、度胸を示すために目元にナイフを刺したことがある。もちろん私は号泣したあとマキノさんと一緒にたくさん叱った。偶然か運命か、同じデザインのナイフだったみたい。
「…じゃ、やろっか。」 「おう!」
覚悟を決めて2人は…片方はとっくに決まっていたようだが、2人はナイフを握り、互いの心臓に向ける。
「…ねえルフィ、手…握ってくれない?」
「いいぞ!なんだ怖いのか?」ニシシ
「なっ怖くなんか…!いや、怖いよ。…怖かったけど、もう平気。」
そう言って、握った手により一層力を入れる。
「ルフィ、今までありがとう。そして…これからもよろしくね!」
「ああ!俺たちずっと一緒だぞ!」
2人の体に刃が食い込む。その痛みに一瞬お互い苦痛の声を上げる。…握った手は離さずに、倒れ込む。顔を合わせた2人は、精一杯の笑顔を見せ合ってーーーそのまま、息を引き取った。