ランツェレト
「セイバー、ランツェレト。召喚に応じ馳せ参じた。たった今から、俺の剣は貴方に捧げると誓おう。」
「……は?俺がかのギネウィア妃と不倫?何を言っているんだ、不倫は絶対に許されざる行為だろう?……それに、俺には最愛の妻がいるからな。」
【元ネタ】『ランツェレト』
【クラス】セイバー
【真 名】ランツェレト
【性 別】男性
【身長・体重】191cm・87kg
【外 見】黒紫色の髪と眼を持つ精悍な騎士。
【属 性】秩序・善・人
【ステータス】筋力:A 耐久:B 敏捷:B 魔力:C 幸運:A 宝具:A+
【クラス別スキル】
対魔力:B
セイバーのクラススキル。魔術に対する抵抗力。魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。大魔術・儀式呪法などを以ってしても、傷つけるのは難しい。
騎乗:C
騎乗の才能。正しく調教・調整が施された物は問題なく乗りこなすが、幻想種あるいは魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなすことが出来ない。
【固有スキル】
湖の騎士:B
幼少期に湖の貴婦人の元で養育されていた事から、常に彼女の祝福を受けている。使用すると、一時的にではあるが幸運以外のステータスの内どれかを倍加する事が可能となる。セイバーは15歳で親元を離れて自立したため、そこまで高ランクではない。
武芸百般:A-
多岐にわたり培われた戦闘技術により、あらゆる戦闘状態に対応することが可能。 空中戦や水中戦と言った尋常ならざる戦闘や、未知・未経験の状況にさえ、培われた技術と経験を駆使することで即座に対応してみせる。ただし、自身に呪いがかけられている状況ではこの限りではない。
加虐体質:B
宝具『浸怒の絶剣』によって習得したスキル。戦闘時、自己の攻撃性にプラス補正がかかる。 これを持つ者は戦闘が長引けば長引くほど加虐性を増し、普段の冷静さを失ってしまう。 また攻めれば攻めるほど防御力も低下する……のだが、セイバーは後述のスキル『不墜の騎士譚』によってそれらのデメリットを打ち消している。
不墜の騎士譚:A
原典を同じくするもう一人の自分とは異なり、最期まで栄誉を損なわず「最優の騎士」として生涯を終えたことに由来するスキル。精神干渉を無効化し、同時に危機的な局面か否かを問わず自身へと幸運を呼び寄せる事が可能。
【宝具】
『浸怒の絶剣(クールシューズ)』
ランク:B+++ 種別:対人宝具 レンジ:1~2 最大捕捉:1人
セイバーの父であるゲネウィースの暴君パント王が所有していた、敵を防具・乗騎もろとも一太刀で切り捨てる名剣。現在は謀反を起こされ憤死したパント王の憎悪によって汚染され、所持者が抱く怒りの感情によって威力を高める魔剣と化している。
この剣を所有している間はスキル『加虐体質』を獲得し、抜く事で筋力のバラメーターを倍加させる。また、「馬ごと騎兵を一刀両断する」逸話からライダー特攻も有している。
『未だ尽きぬ今際の憤怒(フルヴラフ・クールシューズ)』
ランク:A+ 種別:対人宝具(自身) レンジ:- 最大補足:1人
自身の怒りと同調させた『浸怒の絶剣』に込められた憤怒を外部に引きずり出し、装甲のように身に纏う宝具。発動中は全身が赤黒い靄に覆われ、筋力ステータスがEXランクになり、耐久・敏捷のランクもアップする。
本来ならば使用者が怒りに飲まれて暴走するリスクがあったものの、セイバーは『不墜の騎士譚』の効果によってデメリットを踏み倒して宝具を行使する事が可能。
【解説】
「騎士ランスロット」の伝承を国内で初めて扱ったドイツの騎士道物語『ランツェレト』の主人公。一言で言ってしまえばドイツ版のランスロット卿であり、彼と同様に父が死亡し、自分は湖の妖精に育てられた経歴を持つ。
15歳の時にランツィレトは父の仇である騎士イーウェレトを倒すべく旅立ち様々な冒険を繰り広げ、首尾よく仇討ちを果たした後に魔術で醜いドラゴンに変えられていたイーウェレトの娘イブリスの呪いを解き、彼女と結婚する。
その後ランツェレトはアーサー王の元を訪れて円卓入りを果たすものの、ランスロット卿とは異なり王妃ギネヴィアと不倫関係に陥る事もなく己の妻を一途に愛し、「最優の騎士」として武功を重ね続け、やがて妻イブリスの王国の領主となり、善政を敷いた後に天寿を全うした。
実はランツェレトの妻イブリスはイーウェレトの娘などではない。本来のイブリスは彼が飼育していた低級の竜種であり、ランツェレトはソレに一目ぼれをしてしまった……つまりはドラゴンに恋愛感情を抱いてしまったのだ。
最初はランツェレトを警戒し、そっけない態度を取るイブリスのドラゴンブレス・巨体での圧し潰し・尻尾でのビンタを躱し、防ぎ、耐え忍びながらなんとか彼女を口説き落とす事に成功。しかし流石に竜の姿で人前に出る事は出来なかったため魔術で人に化けていた、ということは後世の人々には伝わらず、かくしてランツェレトの異常性癖は歴史の闇に葬られたのであった。
【人物像】
特に負い目も持たず幸福なまま最期を迎えたからか自己肯定感が割と高く、明るい雰囲気を纏っている。ランスロット卿と比較してやや荒っぽい所はあるものの、「最優の騎士」と称されるに足る強さと忠義はしっかり持ち合わせている極めて優秀なサーヴァント。「女性に弱い」という弱点も無く、敵であれば全力で向き合って打ち倒す。
しかし、その代わりドラゴンに本気で恋愛感情を抱く難儀な性癖を有しており、メスの竜系サーヴァントや竜種と相対すると条件反射で相手を助け、戦闘そっちのけで外見を褒める等の異常行動を取り出すため別ベクトルで危険な一面を有している。好みは妻と同じく頭部に無数の髭や触手が生えたワーム系の竜種だとか。
【関連人物】
円卓関係者たち:生前の知り合いによく似た他人。性格的には仲よくなれそうだと思っている。因みにアルトリアが竜の因子を持つ事は見抜いているが、外見が普通の人間なので恋愛対象にはならない。
ランスロット:もう一人の自分、とも言える存在。彼のプレイボーイぶりには呆れており、同一視される事は良く思っていない。しかし自分の性癖も大概おかしいという事には全く気づいていない。