ラブアパの悪夢にうなされるあまりユーマ相手にロリ妹ムーブやらかしたユママコ(執筆途中)

ラブアパの悪夢にうなされるあまりユーマ相手にロリ妹ムーブやらかしたユママコ(執筆途中)

ユママコはお互いに恋愛感情ゼロです。性的暴行を加えるモブマコがあるので注意。うろ覚えにつき原作と矛盾している可能性あり。捏造あり。ダンロンV3のラブアパートは元ネタですが設定が違います。執筆途中。

 カナイ区で最も高い場所と言えば、カナイタワーの最上階だ。

 そのカナイタワーの最上階に、ボクは訪れていた。

「良い雨を、か」

 窓の外を見下ろす。かつてここから見たカナイ区は、冷たい雨に覆われた鬱屈とした街に見えた。だが今では、優しい雨に守られた、温かな街に見える。記憶の中の景色とそう変わりはないはずなのに、変わって見えるのは、真実を明らかにしたからだろう。……いや、それだけじゃない。カナイ区の住民一人ひとりが真実を受け入れ、マコトと共に立ち上がったからだ。雨に濡れた街を眺めながら、ボクは感慨にふけっていた。

 ボクが探偵見習いのユーマ=ココヘッドとしてカナイ区に潜入し、自分のホムンクルスであるマコトと決着をつけてから二年が経過した。あれからボクは、世界を股にかけて未解決事件を解決する旅を続けている。

 今回も無事に事件を解決したボクは、自分のいる地域がカナイ区に近いことに気づいた。そこでふと思い立って、マコトに会いに行くことにした。彼なら大丈夫だとは思うけど、なんと言うか、自分の分身のような存在である彼のことが気にかかったのだ。

 そういうわけで、ボクは今、カナイタワーの最上階にあるマコトの部屋にいる。ちなみに、家主は不在だ。同じ顔と頭脳を持っているので、家に備え付けられた生体認証や暗号などのセキュリティを無断で通り抜けてきたのである。これも、ナンバー1としての記憶を取り戻したからこそなせる技だ。

 ナンバー1としての記憶を取り戻して、ボクの性格は以前のものに近くなった。とは言え、元に戻ったわけじゃない。ナンバー1の記憶と“ユーマ”の記憶は混ざり合い、一つの人格として安定した。ナンバー1の記憶を持った“ユーマ”といったところだろうか。記憶喪失による不安感もなくなり、自信を持って行動することができるようになった。名前も引き続き“ユーマ”と名乗らせてもらっている。本物のユーマ=ココヘッドには悪い気がしないでもないから、後で彼のラーメン屋に寄って、一声かけようかな。

 そんなことを考えていると、玄関のドアが開く音がした。そちらに顔を向けて、声をかける。

「おかえり」

「……なんでいる」

「生体認証を通り抜けたからだね」

「そういうことじゃない」

 二年ぶりに会ったマコトは、ボクを見てぎょっとすると、嫌そうな顔をした。どうやらマコトは、今でもボクのことが嫌いらしい。それとも、アポイントもなしに不法侵入したのがいけなかったか。ちょっとしたサプライズのつもりだったんだけどな。

 そんな言い訳をしようとして、マコトの顔色が悪いことに気がついた。

「……大丈夫? クマができているけど、眠れてないの?」

「……キミには関係ないだろ。そんなことより、何の用だ? キミに構っていられるほどこちらも暇じゃないんだけど?」

 心配するボクに、マコトは刺々しい声で答えた。

「久々にキミの顔が見たくてね」

「あっそ。ボクは見たくなかったよ」

 取り付く島もない。マコトはボクから顔を背けると、スーツのジャケットを脱ぎ、ネクタイをほどいた。

「用は済んだろ。早く出ていってくれる?」

 にべもない。事前に連絡を入れたら避けられると思ったから、こうしてやってきたんだけど、却って心の距離が離れたかもしれない。

 だが、せっかくの再会をこれで終わらせてすごすごと立ち去るのは、どうにもすわりが悪い。ボクと仲良くしろとまでは言わないが、悩み事があるのなら頼ってほしい。そう思い、ボクはマコトに食い下がった。

「疲れているのなら休みなよ。ボクにできることがあれば代わりにやるからさ。ホットミルクでも作ろうか?」

「いらない。余計なお世話だよ。心配しなくても、カナイ区は上手く回っている。キミも見てきただろ?」

「そうだね。以前と違って、街の人々には笑顔がある。マコトの話をしている人もいたよ。『あの人のおかげで、自分達は前を向いて生きていられるんだ』って」

「……そうか」

 マコトはふっと笑って、

「じゃあ帰れ」

「いや待ってよ」

 ボクを玄関へと押しのけようとした。ボクも負けじと、足に力を入れて抵抗する。マコトの力はだんだんと強くなり、それに合わせてボクの抵抗する力も強くなる。やがてボク達は押し相撲のようにお互いを押し合う形になった。数分間の攻防の末、辛抱たまらずマコトが口を開いた。

「なんで急に会いに来るんだよ……! キミがカナイ区からいなくなって、ボクはせいせいしたってのに……!」

「酷い言いようじゃない……? 会いたいと思って、何が悪いのさ……!」

「ああ悪いね……! ボクはキミのことが嫌いなんだよ……! 必要がないなら関わりたくないくらいにね……!」

「ボクそんなに……嫌われるようなことしたかなっ……!」

「自分と同じ顔した奴がテロリストになればわかるさ……!」

「それはホントごめんっ!」

 ボク達は押し合いながら会話を続けた。

「なんだってキミは……! ボクと関わろうとする……!? 理由がないだろう……!」

「理由なら……あるよっ……! だってボクは……キミのことをっ……兄弟のように思っているからっ……!」

「きょう、だい……」

「うわっ!?」

 急にマコトの力が抜けたので、ボクはバランスを崩してマコトごと倒れてしまった。咄嗟にマコトを庇ったので、自分の身を強かに打ち付けた。かなり痛い。

「いてて……」

「………………」

「……マコト?」

 マコトはむくりと起き上がると、俯いて黙り込んだ。先程のボクの発言が、彼の逆鱗に触れたのだろうか。それとも……。ボクはおそるおそる彼の顔色を窺おうとして、

「おにい、ちゃん」

「え」

 ――彼の声に寒気を覚えた。魂が抜けたような声だった。いつもの低くて芯のある声とは違う、幼な子のような声。

 唖然とするボクに、彼は続ける。

「おにいちゃん、きょうも、マコトとあそんでくれるの……?」

「なに、言ってるの……?」

「おにいちゃんとあそぶの、きもちいからすき……」

 マコトはそう言うと、ボクの上に馬乗りになった。ボクは痛みと動揺から、その動きを止められなかった。振り落とせないこともないが、今の様子のおかしいマコトでは、怪我をしてしまうかもしれない。そう思うと身動きがとれなかった。

 マコトの顔を見る。その眼差しは虚ろで、ボクを見ていなかった。彼の半開きの口から、声が漏れる。

「ん……」

 マコトはボクの股間に自分の股間を合わせると、前後に腰をふって局部をすり合わせ出した。

「ちょっと、冗談が、過ぎるって」

 喉がカラカラに渇いて、上手く声が出ない。力で敵わないとか、そういうんじゃなくて、ショックで動けない。頭では止めなきゃって思うのに、目の前の光景が、ボクとマコトが陰部を擦り合わせているこの状況が、信じられなくて。

 なんで? マコトがこんなことをするはずがない。『兄弟』って言ったのが、そんなに嫌だったのか? だとしても、度が過ぎているだろう。

 頭が真っ白になったボクを置き去りにして、マコトは一心不乱に腰を動かす。

「おにいちゃん……おにいちゃん……」

 子供のような声が近づく。マコトの顔がボクに近づいている。そして、吐息がかかるほどの距離に。

「おにいちゃん、だいすき」

 これは、まずい。

「いい、加減に……目を覚ませっ!」

「ガッ……!?」

 たまらず、ボクは、マコトに頭突きを繰り出した。痛みと共に、呼吸を再開する。ぜーはー、ぜーはー、と、走った後のように息が上がっている。それから、金縛りから解放されたかのように、体に自由が戻ってきた。

 マコトは頭を抑えている。これで正気に戻ってくれると助かるんだけどな。結局怪我をさせてしまって申し訳ないが、こちらも余裕がなかったので許してほしい。というか、ボクの方が被害者だし。そんなことを考えながら、ボクは冷静さを取り戻そうとしていた。

 ボクの呼吸が落ち着いて、十秒ほど経った頃。彼は俯いたまま、おもむろに口を開いた。

「……殺せ」

 そんなことしないよ。やっぱり不本意だったんだね。よかった。何があったの。ボクが力になるよ。怒ってないから安心して。許すから大丈夫だよ。もっと自分を大事にしなよ。『おにいちゃん』って誰のこと。キミは催眠か何かにかかっていたのか。キミの身に何が起きている。

 そんな思考が一瞬のうちに頭の中を駆け巡り、どれから口に出そうかと考えて、

「……いや、やっぱ殺す」

「なんでさっ!?」

 首を絞めてこようとするマコトを必死でなだめすかした。「さっきの記憶を消せ……それができないならお前を消す……」と荒れるマコトを落ち着かせるのに、一時間はかかった。


    *


 夢を見る。

 夢の中でボクは、誰かの理想を演じている。

 そうしないと、誰かにとっての理想の世界は壊れてしまう。それを自然と理解している。

 これがいつから始まったのかは覚えていない。

 始めはおぼろげだった。夢を見ていることにすら気づかなかった。

 次に、夢の中で夢を見ている自分に気づいた。ボクはボクの役割を果たすことに専念した。

 日によって夢の内容は変わり、相手も変わった。若い男。幼い子供。妙齢の女性。老齢の男性。年齢も性別も様々だった。

 やがてボクは、夢の相手がカナイ区の住民であることに気がついた。

 夢の記憶を現実に持ち越せるようになったボクは、夢で見た相手に鎌をかけた。その結果、誰も夢のことを覚えていないことが分かった。ボクだけが覚えている。それで構わなかった。

 彼らがボクに対して理想を見ているのか、それとも彼らの理想にボクが当てはめられているのか。それは分からない。どちらでもいい。

 カナイ区の人々が幸せでいられるのなら、その手伝いができるのなら、ボクは喜んでこの身を捧げよう。


     *


 なんとかマコトを落ち着かせて、ボクの気持ちや疑問を正直に伝えた。マコトはばつが悪そうな顔をして、黙っていた。

 ボクは一歩も引かない姿勢でマコトを見つめた。この件に関して有耶無耶にしてはならないと、探偵の勘が警鐘を鳴らしていたからだ。マコトにもそれが伝わったのか、ボクを追い出すような真似はしなかった。

 マコトはこちらをチラリと見ると、口を開き、また閉じた。よほど言いたくないことらしい。何かを言おうとして、やめる。それを何度か繰り返したのち、マコトは絞り出すような声で言った。

「悪夢を、見るんだ」

「悪夢……」

 マコトはぽつりぽつりと話し出した。ここ最近、毎日悪夢を見る。悪夢を見るから眠れない。眠るのが怖い。だから寝不足で、変なことをしてしまった。悪かった。マコトの話はそれで終わった。

「……キミが悪夢を見ているのは分かったよ。だけど、肝心の悪夢の内容を教えてもらってない。『おにいちゃん』って誰のこと? 夢の中で、何をしているの?」

「……言いたくない」

「マコト」

「絶対言わない」

 マコトはかたくなに口を閉ざし、強い眼差しをこちらに向けた。……現時点で、これ以上聞き出すことは難しいだろう。

「……もう、十分だろう。頼むから、帰ってくれ」

 消え入りそうな声でマコトは言った。

「いや、帰らないよ」

「……なんだよ。そんなに謎が気になるのか? 人様のプライバシーにズカズカ踏み込むのが探偵の仕事だって?」

「そうじゃない! マコト、ボクはキミを傷つけたいわけじゃないんだ。むしろ、助けたいんだよ。キミが困っているのなら、力になりたい」

「……余計なお世話だよ。だいたい、キミに何ができるっていうのさ。悪夢を食べてくれるとでも?」

「それは無理だけど……キミが悪夢を見た時に、起こしたり、そばにいることはできるよ。それに、キミが悪夢を見る原因を解決できるかもしれない。だってあんなの、普通じゃない。何か原因があるはずだよ」

「………………」

「マコト。このままだと、キミの仕事にも支障が出るんじゃないのか? キミを損なうことは、カナイ区の為にもならないよ」

 マコトは逡巡した。それから、諦めたような顔をすると、ボクが家に滞在することを受け入れた。


    *


 その日の夢を、よく覚えている。

 ボクは一軒家の中にいて、男と二人きりだった。男は恰幅が良く、中年男性のようだった。

 夢の中では、誰かの理想の設定が自然と頭に入ってくる。その日のボクは、“妹”だった。男とは血のつながらない義理の妹。まだ幼く、歳の離れた兄のことを慕っている。随分と無理のある設定だと思った。

 第一、ボクは成人男性だ。夢の中でも、いつもと同じ格好――勤務時に着用する紫のスーツ姿――をしている。小柄な方とはいえ、幼い女の子として扱うのは厳しいだろう。

 そこまで考えて、考えるだけ無駄だと思い直した。だってこれは夢なのだから。多少の不都合は誤魔化されるのだろう。これまでもそうだった。

 幼い女の子を演じることに不快な気持ちになったが、これもカナイ区民の為だと自分に言い聞かせた。理想の世界を壊してしまえば、その夢の主は苦しむことになる。ボクが我慢すれば済む話だ。夢の内容は誰も覚えていないのだから、ボクが恥をかくこともない。

 そう思ったボクは、男にとっての理想の妹を精一杯演じた。男はそれに機嫌を良くした。

 それから、ボクはベッドに連れてこられた。男はボクをベッドに寝かせると、その上に覆い被さった。そして、ボクを押さえつけると、無理やりキスをした。

 ボクは必死で抵抗した。相手の理想の世界を壊してしまうことなど、頭から抜けていた。けれど、男には敵わなかった。ボクよりずっと体の大きい男に、力勝負で敵うはずがなかった。

 男はボクのスラックスを脱がし、パンツも取り払った。そうして、勃起したペニスを見せつけると、ボクに挿入しようとした。

 その時になって、男は困惑した様子を見せた。ボクが男であることに気づいたのだろう。夢による誤魔化しにも限度があった。

 ボクは少しほっとした。ボクが男だと分かれば、犯す気も失せるだろう。隙をついて逃げ出そう。逃げ続けていれば、どこかで夢から覚めるはずだ。

 そう思い、男を見て……ボクは血の気が引いた。男は鬼のような形相をしていた。

「『妹なのにおちんちんついててごめんなさい』って謝れぇッ!!」

 男はそう怒鳴りつけると、ボクの頬を殴った。夢の中とは思えないくらい痛かった。男はそのままボクをレイプした。ろくに慣らしていなかったから、肛門が裂けた。男は激しく動き、ボクを乱暴に扱った。痛くて苦しくて仕方なかった。怖くて怖くてたまらなかった。助けを求めても、夢の世界にはボクと夢の主の二人しかいないから、ボクは男に許しを乞うしかなかった。

 ボクは謝った。一言一句違わず、男の望んだ通りに。だけど、許してもらえなかった。男は最低なセックスを続けた。ボクは早く終われと念じ続けた。

 最後に、男はボクの中に射精した。それでようやく、その日の悪夢は終わった。


     *


(続きは現在執筆中につきしばらくお待ちください)


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