ラナーvsオナモミ プロローグ

ラナーvsオナモミ プロローグ

June 06, 2024June 06, 2024

ヨルテオン復活を企むサイラン。それを追いかける反対派陣営。

度重なる妨害で枝分かれし、残るはタツヤ、タイガの2人となった。

狭いトンネルを走り抜けると、そこには所々ボロボロ崩れ年季の入った石造りの空間が遠くまで広がっていた。


タイガ「いかにもって場所だな…ここにサイランがいるのか?」

???「残念ですが、サイラン様はここにはいませんよ。」


大広間の奥から聞き覚えのある声の男がした。

都市開発計画のまとめ役、オナモミだ。


オナモミ「待っていましたよ、タツヤさん、タイガさん。」

そう言うとオナモミがゆっくりとこちら側に歩いてきた。


タイガ「サイランは何処だ!」

オナモミ「フフフ…アナタ達に教えるわけがないでしょう?それにここから先へは行かせるなと仰せつか…」

???「サイランさんなら奥のトンネル入って右曲がった先だよ。」

そう言いながらチルットを頭に乗せた女性が、少年2人の後ろへ柱から飛び降りた。


オナモミ「……ラナーさん?余計なことは言わなくていいんですよ。アナタは目の前の敵を倒すことだけを考えて下さい。」

ラナー「はいはいわかりましたよー」

そういうとラナーはタツヤとタイガの方へ歩いて行った

タイガ「まずい!囲まれた…こうなりゃやるしか………え?」

タイガが驚くのも当然である。

自分達を倒そうと思っていただろうラナーが2人の間を通りオナモミの前に立ったのだから。


オナモミ「ほう…?」

ラナー「行きな!」

タイガ「ラナー!?どうして!」

ラナー「フッフッフ…サイランの秘書は世を忍ぶ仮の姿!その正体はポケモンリーグ四天王にして、都市開発の闇を探るスパイだったのだ!」

タイガ「四天王なのはみんな知ってるし…」

ラナー「と言うわけだ、少年達!ここはお姉さん達に任せたまえ!」

チルット「チルッ!」

そう言って渾身のキメ顔をラナーとチルットは少年2人に向けた。


タイガ「…わかった!必ずサイランを止めてくるよ!ここは任せた!」

向けられた2人は少々困り顔をした後、すぐニヤリと笑って奥の部屋へ駆けていった…



オナモミ「やはり、外部へ情報を流していたのはアナタでしたか。しかもこのタイミングで牙を向けるとは。」

オナモミ「仕方ありませんね…あの2人の始末は、アナタを倒してからすることにましょうか…」

そういうとオナモミはボックスを起動させ、手持ちの再編成を始めた。


ラナー「それにしては随分と嬉しそうだね、てっきりキレてくると思ったのに。」

オナモミ「アナタの裏切りなど想定済みですよ…それに嬉しいのは当然でしょう?」

手持ちの編成を終え、ボールを構え5つ構えてラナーに目を向けた。


オナモミ「気に入らないと思っていたアナタを始末する口実が出来たのですから!」

ラナー「手持ちも入れ替えてやる気マンマンだねー。じゃあ私はーーーーーー」


オナモミ「いけ!お前たち、仕事の時間だ!」

オナモミは間髪を入れず5体のポケモンを一気に繰り出した



ラナー「っ!……おいおいそんなに私のことが気に入らなかったのかい?5対1でリンチしたいくらいにさぁ…」

流石のラナーもいきなり5体も出されたからか、少し顔を引き攣らせていた。


オナモミ「まさか、手短に済ませたかっただけですよ。ワタクシにはあの子供2人を潰すという任務がありますから。勿論、アナタも手持ち全てを出していただいて構いませんよ。」


ラナー「…それならお言葉に甘えて出させて貰おうかな!」

そういうとラナーもボールを5つ同時に持ち、構えた

ラナー「出ておいで!四天王ラナーの愉快な仲間たち!」



オナモミ「おやおや…いつもの手持ちですか。私の今の手持ちは対アナタ用、つまりアナタにとっては非常に不利です。いいんですか?」

ラナー「あいにくだけど、どれだけ対策されていようが君に負けるつもりはないよ!」


オナモミ「ハハハ…別に手持ちを変えていただいて結構でしたのに。だってそれではアナタの手持ちは"アナタの頭に乗っている足手纏い"を除くと実質5体ではありませんか(笑)」

ラナーはその言葉を聞いてムスッとしたがその直後、彼女の頭の上から怒りの声が響いた。

チルット「チルーーッ!💢」

それを聞いて怒ったチルットはラナーの頭から降りた。

ラナー「なっ!?チルット…君戦ったことないだろう?この戦いは流石に危険d」

チルット「ヂルーーッ!💢」

ラナーの制止を遮り叫ぶとチルットは綿の羽を腕に見立ててボクシングのジャブをした

挑発に乗ったものとはいえ、これほどバトルしたがっている姿は初めてだった。

今のチルットに何かを感じずにはいられなかったラナーは

ラナー「…分かった!チルット、一緒に戦おう!君がいてこそのラナーの愉快な仲間達だ!ただし、バトル慣れしてないんだから無茶はするなよ!」

チルット「チルッ!チルッ!」

チルットは仲間たちの先頭に立つと、ドヤ顔でマッスルポーズをキメた



オナモミ「ハハハハ!実に滑稽だ!まさかこんな安い言葉に乗ってくるとは。その場の感情に任せての選出、後悔しますよ?」

ラナー「知らないのかい?ポケモンバトルは勝ちたいって気持ちが1番強いヤツが勝つんだよ!」

ラナーは自信満々な表情で言うと仲間達もニヤリと笑った


オナモミ「フフフ…強がりを…ですが、アナタにもすぐわかりますよ。私に勝てる可能性など微塵も存在しないということが!」

オナモミは景気良く胸ポケットからリモコンを出し、スイッチを押した。するとオナモミの後ろの石壁が崩れ、壁の半分を覆うほどの巨大なプロペラファンが姿を表した。どうやらあらかじめ設置して薄い石壁で隠していたようだ。


オナモミ「さあラナーさん、始めましょうか!アナタの絶望する顔をワタクシに見せて下さい!!」


To Be Continued…

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