ユユツオルタ対策会議
「今ここにユユツオルタ対策委員を発足する!!」
ユユツオルタがカルデアに来襲して以降、ドゥリーヨダナとその縁者たちは日々ギー壺に堕とされていた。なんとかマスターが交渉し、個人の部屋の中までは追いかけないという盟約が交わされたが、自室以外に安息の地はないと同義であった。もっと自由にカルデアを楽しみたい。それはドゥリーヨダナとオルタたちの切実な願いであった。この会議の出席者はユユツオルタのギー壺に困っているドゥリーヨダナ属が出席している。スヨーダナは保護者がLv120強強バーサーカーでありユユツ対策されているので欠席、スヨーダナ・キャスターは周回に連れ回されているため欠席しているが、人員の欠損がないとユユツオルタに一網打尽にされるためその対策でもあった。
「というわけで有識者としてドゥリーヨダナ(ユユツ)を招集した。」
「あれは私であって私ではない。」
プリテンダーとしてドゥリーヨダナを名乗ることになった彼は、召喚されたと同時に早口で捲し立てる自分自身にギー壺に堕とされた。立場としてはドゥリーヨダナ属と同じ扱いをされていた。自分自身にも容赦がないのがユユツオルタである。
「というわけで有識者としてシャクニ(キャスター)を招集した。」
仕切り直しである。
「わしはわしのドゥリーヨダナとわしのスヨーダナ・キャスターがギー壺されるのは反対だ。」
シャクニオルタはドゥリーヨダナを愛している。だからこそギー壺を許容できる。シャクニもドゥリーヨダナは愛しい甥である。ただしそれは姉に似ている姿で、同じ眼で健やかに過ごしていることこそに愛おしさを感じていた。ドゥリーヨダナであればいいわけではない。人間として生きて、死んだドゥリーヨダナこそシャクニにとって意味のある甥であった。ギー壺されては眼が見えんではないか、とシャクニ自身もユユツオルタには辟易していた。だが執着は理解できた。
「あれも狂っている。果たされることのなかった兄弟への愛の結果故、ギー壺をどうにかすることはできん。だが、標的をずらすことはできる。」
懐から取り出したのは数枚の人の形を模した紙だった。
「それは?」
「東洋のデカい術師にな、教えを請うた。式神、というらしい。自身の分身、あるいは身代わりとして使用できるそうだ。」
道満のことか、と全員が思った。その場に居合わせたのがドゥリーヨダナ属でなければその怪しげな紙は捨ておいたであろうに、残念ながらドゥリーヨダナも道満のことは気に入っていたため誰もその危険性については触れることはなかった。
「正直わしはわしのドゥリーヨダナとスヨーダナが無事であれば良いが、自分たちだけというのは特にスヨーダナが気に掛けるからな。オルタにはこの式神を渡そう。なくなれば取りに来い。これはわしが作っておるからな。あの術師が作ったものではない故、陰陽師の呪いにはかからんだろう。そこのお前にはこれをやろう。」
ドゥリーヨダナ(ユユツ)に手渡されたのは、小さな紫色のお守りだった。
「・・・お前からの施しは不要だ。」
「冷静な判断ができるようになったな。まぁ、もう終わっている。そろそろわしのスヨーダナが周回から戻るからな。ユユツオルタも待ち伏せするだろう。」
「どういうーーー」
言葉を言い切る前に、ドゥリーヨダナ(ユユツ)の姿が消えた。代わりに現れたのはスヨーダナ・キャスターであった。
「??どこだ?シャクニ?なんでみんないるんだ?」
「わしのドゥリーヨダナとスヨーダナには特別性だ。全てのギー壺はあれが代行する。」
「ユユツオルタは狂っているが馬鹿ではないぞ。すぐに気がつくだろう。」
「スヨーダナの場合は大丈夫だ。式神の場合もギーで紙がしけるまではオルタの気配がするからな。一時凌ぎにはなるが、その間にマスターに安全圏の拡大を申し入れろ。」
「・・・落とし所ではないか?」
この中では年長者の偽王も同意している。ワーカーホリック気味だが休めといわれれば休めるのだ。ユッダと一緒にしないでくれとユユツオルタに訴えていたが無視されギー壺に堕とされたことは根に持っているらしい。
ユユツオルタとのギー壺をめぐる戦いはこれからも続くのだ。
誰かプリテンダードゥリーヨダナ(ユユツ)のいい呼び方があれば考えてください。
シャクニおじさんは姉に似ている眼が見えること、機構化していないヨダナ属が健やかに過ごしているのを後方叔父面するのが好きです。機構化していたり、メンタル的に健やかでない場合はギー壺で穏やかに眠っている方が良いのではと思っています。
アーユスとユユツは良くないことは全部ユユツへ、いいことは全部アーユスへとシャクニが操作した過去の因果を利用してギー壺されたら自動的にユユツがギー壺されるようにシャクニが調節しました。ドゥリーヨダナって名乗っているんだから素ヨダナと入れ替えてもいいよね!!って勝手に素ヨダナとも入れ替えるようにしました。