ユカリの奇妙な放浪

ユカリの奇妙な放浪

サラダ事変「純愛ルート」

 勘解由小路ユカリは途方に暮れていた。

 他校生徒から譲り受けた装備を身につけて逃げてきたのだが、野菜でありながら筆舌し難い形状をした敵の攻撃を避けていたら百花繚乱の仲間たちとはぐれてしまったのである。


「うぅ……。百花繚乱に籍を置く身共ともあろうものが、よもや迷子になろうとは……」


 はぐれる前に先輩である桐生キキョウが言っていた陰陽部公演会場へと足を運ぶユカリ。

 中央広場へ足を踏み入れた時、彼女は素早く物陰に隠れ口を手で覆う。

 例の奇怪な化け物がゲヘナの生徒相手に、触手を伸ばして襲いかかっていたのである。

 もし、迂闊に足を踏み込んでいたらユカリは彼女たちと同じ運命を辿ることになっていただろう。


(んん?あのへいろー、何処かで……)


 ふと、ユカリは化け物の上部に浮かぶヘイローに目がいった。

 他校の生徒からの話によれば、あの化け物は生徒の身体を陵辱して生まれる際に辱めた生徒のヘイローを獲得するのだそうだ。

 その話を踏まえて先ほどの化け物たちのヘイローを見ると、同じ学校の生徒に浮かぶものと一致しているような気がしてならなかった。そして、ユカリの記憶が正しければーー


(あのへいろー……まさか、和楽姫の!?)


 百鬼夜行でその名を知らない生徒など存在しないほどに有名な人物、和楽チセのヘイローが化け物たちの上部に浮かんでいたのだ。


(そんな……あの彼女が、あいどるである姫が……)


 彼女が化け物の触手によって純潔を奪われ、もがき苦しみ忌み子を産み落とす……その姿を想像するだけで、ユカリの血の気が段々と消えていくのを感じた。

 彼女が恐怖に震え上がっていると、ゲヘナの生徒が何かに向かって叫ぶ声が聞こえてきた。


「ふざけるな、何がご奉仕だ!この触手野郎!!」


 そして、その叫ぶ相手が驚くべき存在だった。


[そんなことをいわず、われわれのてをうけいれてください]

[あんしんしてください。あなたがきもちよくなるように、せいいをつくしますゆえ]


 なんということだろうか、チセのヘイローを浮かべた化け物がゲヘナの生徒に語りかけているのだ。


「嫌に決まってるだろ、いい加減にしろ!!」

[そういわず、さぁさぁ……]

「く、来るなぁ!!」


 ユカリが気がついた時には時既に遅く、無数の化け物たちがゲヘナの生徒を囲んでいた。


「か、囲まれた……。い、嫌だ……。こんなヤツらの言いなりになるなんて……」

[のりこめー]

[わぁい]

[やたたずども、えんそくのじかんはおわりだ]

[ここからは、ゆかいなごほうしのはじまりだ。とつにゅうしろ]

「た、助けて……風紀委員長!……あ"ぁ"あ"あ"あ"っ"!!」


 その合図とともに、ゲヘナ生の陵辱劇が幕を開いた。


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[どうでしたか?]

[わがははとわがあるじとのいとなみをさんこうにした、ごほうしのかずかずは]

「ふざ、け……んぎっ、んあっ……」

[からだはしょうじきですね。よろこんでいただけたようでなによりです]

[あぁ、でも……まだきもちよくなるさぷらいずもありますよ]

「ま、まさか……。嫌だ嫌だ、誰が化け物の子なんかーーん"お"ぉ"お"お"お"お"お"お"お"!!」


 ゲヘナ生の絶叫とともに秘部と肛門から不快な音を撒き散らして、例の化け物が産み落とされていく。

 産み出すのと同時に秘部から蜜液が、肛門からは化け物の粘液が大量に吹き出して、見るも無残な光景が繰り広げられていた。


「お"っ"、お"ほ"っ"……ん"ぎも"ぢよ"がっ"、あ"へ"っ"……」


 ついにゲヘナの生徒は快楽に屈し、化け物の苗床としての道を歩み始めることになった。


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 ユカリはゲヘナ生と化け物との一部始終は、咄嗟の判断で目を反らしていた。

 その一方で最初は矯声と罵倒が入り混じった声が、気がつけば矯声のみに変わっていく恐怖に震えることしかできなかった。

 化け物たちがゲヘナの生徒を連れていき、静寂に包まれたのを確認して外に出る。


「うぇぇ〜〜……」


 蜜液と粘液が入り混じって不快なニオイが鼻につき、ユカリは思わず吐き出してしまう。


(も、もし……身共が化け物どもの渦中にいたら……。あ、あんな風にされてしまうんですの?)


 あの化け物の恐怖を再確認したユカリ。急いでその場を後にして、公演会場へと向かうのであった。




[ to be continued... ]


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