"ユウ"立ち

"ユウ"立ち


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!!注意!!

エロはありませんが失禁シーンあります。

苦手な方は閲覧をお控えください。

また、キャラエミュしきれてないところあるかもしれませんがご容赦を。

!!注意!!


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「もうすぐ着くから待ってろ。いいか、ぜってェルフィには出会うなよ」

「理由はもう聞かないけどっ! はやくこいよお前っ!」

「だから今向かってるだろ」

 ここに来るまでの間、何度役に立ったかわからない電伝虫で会話をしながらロロノアを急かす。

 いやほんと、頼むから早く来てほしい。色々と乙女のピンチなんだよ。

 あいつと一度別れてからしばらく。急に通信が入ったと思ったらルフィと出会うな、出会いそうなら浮いて俺が着くまで待ってろなんて命令しやがって。

 いやまあ、その忠告自体はありがたかったけどさ。

 それっぽい奴を見かけた途端背筋に悪寒が走ったし、ロロノアの言葉を思い出してシャボンが割れるくらい上空まで非難した後にみたそいつの――眼。

 アブサロムが"花嫁"に向けるあの顔と同じか……いや、それ以上の圧を感じるあの眼。表情はいたって普通だけれど、なにかこう……いや思い出すのもやめておこう。

 とにかく、忠告のおかげで大ピンチ逃れられたっぽいけど一向にロロノアがこない。

 まあわかってたけどさ。アイツの方向音痴っぷりは。

 だからぷかぷか浮きながらのんびり待ってたし、いやいやこのまま船に戻ればよくね? とも思ったが、念のため船まで送ってやるから待ってろだと。

 あいつがそんな殊勝な事をするわけないからよっぽどの事態ってことなんだろうけど……それがあいつの船長相手にってのはおかしいだろ!?

 それにさ……上空って空気が冷たいわけだしさ? 長くいると体が冷えてくるわけ。

 いや私だってモリア様の部下やってたし? このくらいの寒さなら別に耐えられるけどさ?

 体が冷えるとホラ、その。ねえ? 人体構造上避けては通れない事象というか、生理現象というか……ねえ?

 …………。

 と、とにかくそういうわけで次なる試練が絶賛私に襲い掛かってきているわけで、下に降りようにも麦わらがいるし、離れようにもロロノアが待ってろの一点張り。

 それとなくロロノアに伝えて難を逃れようとしても、花なんか摘んでる場合じゃねェだろとか頓珍漢な事を言い返してくる。

 お前な……お前なァーーー!!

 いくら二年間同じ島で飲食をともにしたといっても、男相手に言い辛いんだよ!! 少しは察しろよ!!

 色んなストレスを少しでも軽減しようと足を揺らす。

 あ゛あ゛あ゛あ゛~~~~もォ~~~~!!!!

「お、ようやく見つけた」

「よ・う・や・く! はこっちの台詞だよ! もう降りていいんだよな!?」

「あー、一応おれがルフィと合流してからな」

「ハアアァアァ!? これ以上待たせる気かよお前!」

「いーから言う通りにしろ。……お前のためでもあるんだ」

「いや、それはわかってるけどこっちはこっちで色々限界なんだよホントっ!」

「ったく。事情を言わねェんだからわからねェよ」

 このっ、こいつほんとっ……!!

 いやいや冷静になれ私。ゴールは近いんだ。気を緩めず、さっさと麦わらとロロノアに合流してもらって解散して……うん、まだ耐えられる。

「おーいルフィ―! ちょっといいかー?」

「お、ゾロー! どうしたんだよ、サニー号はこっちじゃねェだろ?」

「ああ、ヤボ用でな。もう降りてきていいぞ!」

「んあ?」

 合図が来た。やっと。やぁ~~~っと降りられる……早くお手洗いに行こ。

 と思っていたのにィ~~~。

「あ、お前モリアんところの!」

「な、なんだよ……?」

「まてルフィ。二年前おれが飛ばされたところにコイツがいてな……まあ、色々世話になったんだ。だから、少なくとも今は敵じゃねェ」

 地面近くまで降りてきた私の近くにいつのまにか麦わらが居た。やっぱコイツも二年間で強くなってるっぽいな。

 こちらを見つめる何とも言えない眼に内心狼狽えつつも言葉を返すと、ロロノアが庇うようにフォローしてきた。それはいいけど早くお手洗いに……。

「そっかぁ、ゾロと一緒だったのかお前~! ゾロを助けてくれてあんがとな!」

「い、いや……別にたまたま落ちてきやがったから、ただなんとなく世話してやっただけだし」

 もうすぐ解放されるという気持ちと、いやいやほんともう我慢の限界なんだって一秒だっておしいんだよ頼むから私を自由にしてくれいい加減にしろよお前らネガティブホロウぶつけてやろうかこんチキショー! って気持ちとで焦りまくりの私だが、表面上は平静さを保ちながら返事をする。

「でだルフィ。おれはこいつがいきてェとこあるっつーから案内してから船に向かう。先にいっててくれ」

「わかった! みんなにもそう言っとくよ!!」

「…………」

 はや、はやく……わかれろ……。

「んじゃ、また後でな」

「おう!」

 手を振り遠くなっていく麦わらを見送って安堵の溜息を吐いたのはどちらだったか。

 とにかく一刻も早くお手洗

「おい、だから離れんなつったろ!」

「ひぅっ!?」

 上空で待機中にある程度目星はつけていたので、一目散にそちらに向かおうとする私。

 それを引き留めるのは力強い男の手。

 動き出した体を止められれば当然衝撃が生まれる。

 長時間上空にいて冷えた体に、高い体温を感じさせる手で触れられたら暖かいという安心感が芽生えるのも仕方がない。

 ほんのあとちょっとで長く苦しい戦いから解放されるということで少し気が緩んでいたのも原因だろう。

 それら様々な要因が重なり合った結果が、これだ。

「っふ、ぐ、うぅっ……ぁ……」

「…………」

「ひっ……うっく……あぁぁ……」

 暖かさを感じる液体が私の足を伝って地面に広がっていく。

 一度決壊してしまったら止められない。

 恥ずかしさと情けなさとく悔しさと……いろんな感情でオーバーヒートした私の頭では、意識的に止めようとも思いつけなかったけれど。

「……悪ィ」

 そう聞こえると同時に何かを被せられる。

 たぶんロロノアの上着か何かを羽織らされたのだろう。

「っ! わる、わ゛る゛いじゃ、な゛いよ゛ォッ!!」

 こんな時だけ察し良くなるなよ! 優しくすんなよ! 余計いたたまれないだろ!?

「…………」

「だま゛っでないでっ! な゛んかい゛え゛ェッ!!」

 我ながら理不尽だとは思うが、このやり場のない感情を受け止めるくらいはしてもらわなきゃ困る。

 ああ……色々買い替えなきゃ……。

 この服、お気に入りだったのになァ……。

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