ユウカ椅子
倉庫に置かれた重みのある椅子。
エンジニア部の説明書によると脂肪を効率的に変換、抽出するダイエット装置の試作品、らしい。
「……少しくらい使っても良いわよね」
扉に錠を掛けて椅子に腰掛ける。
別に体重に対して深いコンプレックスがあるわけじゃない。確かに体重が100kgだ、なんてデマは広まってしまったけど実際のところは食事制限も完璧な計算通りのカロリーで抑えている。体重だってノアと大差はないはず……だ。
……でも最近はセミナーもシャーレも忙しくて運動をする時間が取れなかったのも事実。デスクワークが重なってしまった影響は少しだけ柔らかくなったお腹に現れてしまっているわけで……。
「……誰に言い訳してるんだろ……はぁ……」
少し使ったら辞めよう。
そんなことを考えながらリモコンを操作すると。
「きゃっ……あっ……」
急に椅子に腕を拘束されてリモコンをつい落としてしまう。
しまった。なにか非常停止のような物がないかと探しても腕は虚しくガタガタと動くだけで拘束は外れない。
「ちょっ、だ、誰か……あ」
助けを求めて声を出そうとした時には既に椅子から生えた複数のマジックハンドがワキワキといやらしく指を動かしていた。
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「ぐ゛ぅ゛う゛♡♡♡ぁ♡ぉ゛お゛お゛お゛♡♡♡」
胸の先から白く粘ついた液体を搾り出される度に野太い声をあげて白目を剥きそうになる。
特殊な薬剤による脂肪の母乳への変換。
脳が焼き切れそうなほどの快感を胸から流し込まれてすっかり椅子には水たまりができていた。
「こっ……れェいつ止まるのよッ♡♡♡あっぁあ゛あ゛またイク♡ぃく゛♡♡♡」
試作品であるこの機械の停止方法はリモコンだけ。リモコンはもうとっくにユウカの作った水溜まりの中に沈んでいた。
マジックハンドでは効率が悪いとAIが判断したのか吸引機がユウカの胸の前から近づいてくる。
「ひっぃ♡♡♡まって、待ちなさい……やめっ♡お゛っ゛お゛お゛♡♡」
静止も虚しく、吸引機が胸に吸い付いた。
その後、約6時間。たまたま倉庫整理に訪れたノアに助けてもらうまで延々ユウカは絞られ続けた。
身体に別上はなかったがユウカの体重とエンジニア部の部費は見事に減少したのであった。