メテオリーテとウタ
「パパお帰り~!!」
「ハハハッ、ただいまリーテ!」
テゾーロの帰宅に気付いたリーテがその胸に飛び込んでいく
いつものことなのだろう、危なげなく受け止め、その勢いのままテゾーロは回って見せた
と、それを今に続く扉越しに見る影が一つ
「…お邪魔してます」
「えっ、あ、あぁ、ウタもいらっしゃい
ゆっくりしていってくれ…?」
「…」
少し角ついた笑顔で返すテゾーロに対し、ウタは何も言わずさっさと居間に戻ってしまった
実を言うと、テゾーロに対してのウタの態度は島に来てからずっとこの調子だ
彼女自身、テゾーロが悪い人間ではないというのは分かっているのだろう
しかし、やはり父親という者に思うところがあるのか、特にリーテといるときのテゾーロには近づこうとしない
ちなみに私自身バカラの父親だが、年が離れすぎて父親というイメージが付きづらいのか大丈夫らしい
ソレでもたまになにか言いたげな表情はされるがな
まぁ、今はある意味好都合だ
テゾーロの腕から降りたリーテの頭を撫でながら語り掛ける
「リーテ、悪いが私はパパとママとお話ししなくてはならないんだ
少しの間、二人を借りてもいいかな?」
「?いいよ~!」
「…フッ、ありがとう
ウタ、悪いがしばらく、リーテの相手をしてやってくれないか?」
「…分かった、行こ、リーテ、」
「うん、バイバイ~」
我々に手を振りながら、ウタと共にリーテが去っていく
歩きながらリーテがウタに何か歌をねだっているようで「あれまた歌って~」という声が遠のきながら聴こえてくる
最後に鋭い目をしてこちらを見るウタが今の扉を閉めたのを確認し、私は改めて席に着いた
それを見たテゾーロも、買ってきたものを一度キッチンにおいてから私の向かいの席に着き、その隣の席にステラも腰を掛けた
「すいません○○様、せっかく我が家に来ていただいたのに留守にしてしまって…」
「構わん、ステラにもいったが、約束より早く来てしまったのは私の方だ
それよりも…」
「…えぇ、わかっております、ウタのことでしょう?」