メスイキSS

メスイキSS


その場所に綺羅星がいたのは偶然だった。元々鬼道衆と護廷十三隊は別の組織だ。隊士の斬魄刀の能力などは余程親しくもない限り把握することはない。故に、卯ノ花伊喜の斬魄刀、その恐るべき能力を知らぬまま射程範囲に侵入してしまった。


『潮吹け、金鯨―――――』


「あ……ぇ……?」


その解号が聞こえた直後。全身が総毛立つような感覚があった。それは冷気による身震いでも、強者を相手取ったときの武者震いでもない。下腹部の奥から生じたそれはジワジワと大きくなっていく。まるで息を吹き込まれた風船のように急激に膨れていく。綺羅星はこの感覚に覚えはなかった。だが、本能に近い直観が、その感覚が膨れ切るのはヤバいと警鐘をならしている。だが悲しきかな。不意打ちの形でやってきたものに身構える時間はなく、急激に膨らんだそれはあっさり『破裂』した。


「――――――――――ッッッッ!!!!??」


破裂したそれは下腹から脊髄を伝い、脳に電撃的なショックをもたらした。それまでの思考はかき消され、頭の中は真っ白になる。いや、ただ一つだけ頭に残った感覚がある。気持ちいいという感覚、すなわち快楽だ。唐突な快楽に両の足は身体を支える役割を放棄し、綺羅星は膝をつき倒れざるを得なかった。


「ハッ……ハッ……」


朦朧とする頭で考える。明滅する視界。声は出ず、自身の荒い呼吸音のみが周囲に響いていた。地面に投げ出された身体はビクリビクリと定期的に跳ね、動かせる状態ではない。全身が熱を帯びている。いや、正確には股間から生じた熱が全身に広がっているというのが正しいか。なんだか下半身が気持ち悪い。


(な……にが………?)


綺羅星は震える手で死覇装に手を掛け、股間の様子を覗き見た。鼻をつく蒸れた空気と独特の匂い。下半身の状態は想像以上に酷かった。着物の内側に粘り気のある白濁が飛び散っていた。そして、白濁に囲まれるようにして見たことないほどに膨張し脈打つ剛直があった。


「うあ……」


一般教養レベルの性知識があった綺羅星は、自分がどういう訳か絶頂し、着物をベトベトにするほどの射精をしたのだと思い至った。急激に込み上げてくる羞恥。でも不思議と嫌悪感は控えめで、漠然とした多幸感を感じていたのである。


「………」


無論、綺羅星が暫く卯ノ花伊喜を避けるようになったのは言うまでもない。



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