ミットコナー(プロトタイプ)
キャラバンズのアチャモ⚠注意事項⚠
まだ未完です。
想像以上に長くなったのでひと区切りとしてお出ししてます。
また、pkmnSVの本編によって内容が後で変わったりするかも。
内輪ネタだと、思って軽い感じで読んでくれたら幸いです。
主な登場人物
トコナ:物腰が柔らかい、隠れ里の村長にして巫女。
クシャ:クールな女の子、人の悪意を感じ取れる。
クヌエ:マイペースな女の子、模写が得意。瞬間記憶能力を持っている。
起◆◆◆
クヌエは大量の書類を抱えながら父親の見舞いに来ていた。
「ダディ大丈夫?お見舞いに来たよー。ポケモンから落ちて骨折したんだって?」
そこには包帯を巻いた足を天井か吊り下げたラベンがいた。
父親は苦笑いしながら答える。
「いやぁ、お恥ずかしいのです」
「もう、無理しないでよ〜。で、要件ってなに?」
クヌエはベッドサイドテーブルに書類を載せながら尋ねる。
「そうなのです!クヌエは△△△という村を知っていますか?」
ラベンは書類からある資料を引っ張り出してクヌエに渡す。
「19XX年に戦後に見つかった隠れ里です」
その村は車ではたどり着けないような山奥にあり、戦後に政府によって近代化を進めたが未だに村社会の風習が強く残る土地である。
「んで、この村に何が?」
「実はその村では百年に一度、シンオウ様に感謝の意を表す祝祭が行われるのだそうです。今回、ボクはそこの村長さんと掛け合って電子媒体に記録しないことを条件にその祝祭を調査する許可をもらったのです!イタタ!」
ラベンは興奮気味に話したせいか傷に響き痛がる。
「ちょっとダディ!興奮するのはわかるけど無茶したらダメだよ〜」
「すいません……」ラベンはしゅんとする。
「まあ、ボクはこんな状態ですから、代理人としてクヌエには調査しに言って祝祭の一部始終を記録してほしいのです!」
「えぇ!?そんな大事なこと素人のボクなんかに任せていいの?」
「もちろんですよ!むしろ電子媒体に記録できないなら筆記媒体に記録するしかない、これは瞬間記憶能力のあるクヌエにしかできないことなのです!」
ラベンは自慢げに胸を張る。
実際、クヌエは物覚えだけはよく、一度見たものは忘れなかった。
そのため、時々こうしてラベンの研究の手伝いをして自身の作品制作の参考にしている。
「まあ、ボクの部下もいますし深く考えずに祝祭を楽しんでください」
こうしてクヌエは父親の代わりに隠れ里に行くことになった。
だが、それがあの惨劇の始まりとも知らず。
承:一◆◆◆
クヌエたちは、親友のクシャと父親の部下二人を連れ山道を登り、村の入口にたどり着いていた。
「ようこそ!遠路はるばる△△△村までよくお越しくださいました…」
「私、ここの村で村長と巫女をやらせていただいております、トコナともうします」
クヌエたちが挨拶するとトコナと名乗った女性は丁寧に自己紹介をした。
トコナの年齢はクヌエと同じくらいだろうか。
顔立ちはかなり整っていて、髪色は白に近い金色で瞳の色は深い灰色に彩られていた。
「ラベン博士の代理で来ました。クヌエです。今回の祝祭にお招きありがとうございます」
(美人だなぁ……)
とクヌエは思った、トコナの容姿に圧倒されつつも互いへの挨拶を済ませる。
「それではみなさまこちらへどうぞ」
「あ、その前に…」
トコナはそう言うと男性にある箱を取りに行かせた。
「この村では『人とポケモンが共に生きる』という教義よって、モンスターボールとそれに入っていたポケモンの侵入を禁じています、どうかこの中にお入れください」
「ボールから出してもだめかい?」
クヌエが尋ねる。
「はい、それはご容赦下さい」
「これはこの村の教義だけでなく祝祭にも関係します」
トコナは申し訳なさそうな顔をする。
「もちろん皆様のポケモンは私たちが責任を持ってお預かりいたします」
「わかりました。よろしくお願いいたします」
そう言って四人がボールを箱に詰めたとき―。
「あ!こらソウブレイズ!」
クヌエのポケモン、ソウブレイズがボールから飛び出し、村の中へ駆け出した。
「クヌエちゃんは調査があるでしょ?わたしがソウブレイズを捕まえておくよ、どうせ追いきれないし。トコナさんもそれでいいでしょうか?」
「……夜の祝祭までにはお願いしますね」
クシャの言葉にトコナはやや冷淡なトーンで応えると三人を引き連れ村の中央にある大きな建物に向かって歩き出した。
そこは木造の大きな屋敷のような場所で、中に入ると壁には様々な神話をモチーフにした壁画が描かれており、奥には御神体のようなオブジェ、部屋の中心には祭壇のようなものが設置されていた。
「では、中で詳しく祝祭の説明と予定を委しくお話しますね」
トコナは屋内に部下二人とクヌエの三人を案内した。
「ではまず、この村に伝わるシンオウ様のお話をいたします。この村では昔から―」
承:二◆◆◆
クヌエと部下がトコナから説明を受けている間クシャはソウブレイズを探しに村を奔走していた。
頼りない記憶からソウブレイズの習性を思い出し、墓場などを探す。しかし、いくら探してもソウブレイズの姿はない。
そうして探索しているとクシャは村の郊外まで 迷い込んでしまった。
そのとき、ふとクシャの目に飛び込んできたものがあった。
「なんだろ、あれ?」
そこには火事で全焼したであろう廃墟があった。作りは古いながらもそこはかつては立派な家だったことがうかがえる。
その廃墟を観察しているとそこにクヌエのソウブレイズがいた。
「ソウブレイズ!見つけたよ。さ、クヌエちゃんのところに戻ろう」
そう促すがソウブレイズはクシャを無視して奥へ行く。クシャも後を追うとソウブレイズは地下室へ続くであろう扉を興味深げに見ていた。
「ここに何かあるの…?」
扉の上に崩れていた破片を取り除き、扉を開ける。
地下室の扉が開くなりソウブレイズは一目散に入っていくクシャもソウブレイズを追う形で地下室に続く階段を下ってみる。
「うわぁ、すごい埃……」
クシャは口元を押さえながら進むと、ソウブレイズは床にある何かをじっと見つめていた。
スマホの明かりをそちらに向けると、そこには男性と思われる干からびた死体が横たわっていた。
承:三◆◆◆
屋敷の中トコナから振る舞われた茶をクヌエたちが味わっていると彼女の背後にいた部下二人は突然倒れた。
「どうです?お茶の味は?」
「ト、コナさん…なにを…」
クヌエも気がついたときには意識が朦朧としてた、彼女の後ろでは部下たちが村人たちによって何処かへ連れ出されており、そんな中クヌエは必死の思いでトコナを睨みつける。
「そんな怖い顔しないでください」
「私はこの村に、世界に必要なことを行っているだけです、あなたたちはこれからアルセウス様のために尽くせるのですから、私に感謝してほしいくらいですよ」
「な…にを」
「私は以前から思っておりました、そもそも世界が生まれてから幾星霜経つのになぜ理想を達成できないのか。理想をほぼ実現している村の中でも争いがあるのか?」
「考えた結果、人もポケモンも愚かで嘆かわしい存在であり、今のままでは理想を実現するのに相応しくないと至りました」
「そのためには今の世界を作り変え、神の理想に背く人とポケモンは誅殺し、心を改造した新世界を作るべきだと考えています」
「そこで!アルセウスの巫女である私は考えました、この祝祭を利用して我々がアルセウス様に謝辞と共に直接にお目見えしようと!そして世界を変えていただくのです!!」
「あなたたちはその為の贄です。だからあの二人は今まで愚かなことをした贖罪のために血を流させます!そして若い貴方達は客人(マレビト)としてアルセウス様から祝福された男衆と女衆と交わりなり、正しき人々を増やすのです!」
「ぐっ…!どうかしてるぜ」
「そうですか?」トコナは小首を傾げる。
「でも大丈夫ですよ、次に目覚めるときには新しい世界になっているのですから。」
「さ、この青年を祭壇へ、年頃の女衆を何人か集めなさい。それからこの汚れたポケモンたちは池にでも捨てて…、あの女はまだ確保してないのですか?全くなにを―」
クヌエは薄れゆく視界の中でクシャとソウブレイズの身を案じながら意識を手放した。
あとがき
多分これ、予定していたストーリーラインよりもっと長くなるかもしれない。
使用したメーカー
Picrewの「껍질-미리깐 메이커」でつくったよ! https://picrew.me/share?cd=yrEqr1k36w #Picrew #껍질미리깐_메이커