ミクデミーの神代主従
・ミクデミーのとある日の神代主従のお話。エリア会話の合奏祭と学校生活がとても楽しそうな類から着想を得ました。
・設定上は同クラですが、自分の個人的趣味で通常主従と同じ距離感で書いております。
高杉「ん?どうした類君。変なツボなんか持ち歩いて」
類「ああ、高杉さん。これはツボではなくてウドゥドラムという楽器です。ナイジェリアの民族楽器で、空いている穴を叩くと独特な音が出るんですよ」
高杉「ほぉ、中々面白そうな楽器じゃないか。もしや今度の合奏祭とやらで使うつもりか?」
類「ああいや。流石に周りの楽器と音が合わないから、他の楽器を使おうかと……」
高杉「へぇ……君のことだから『これを使った方がもっと面白い』とゴリ押すものかと思ったがね」
類「フフ、高杉さんほど強くは出れませんよ。それに僕だけが面白くなるより、クラスの皆で一つの音楽を作った方がずっと面白いと……そう思ったまでですから」
高杉「……そうか」
類「はい。だからこの楽器も返そうと……」
高杉「その楽器とやら、校長に頼んで貸し出せないのか?」
類「え?」
高杉「折角僕のマスターが見出した"面白いもの"だというのに、また埃を被らせてしまうのも可哀そうってもんだろう。どれ、折角なら僕の三味線と"異文化交流"と洒落こもうじゃないか」
類「……それはつまり、僕と高杉さんでセッションをするということですか? 僕が言うのも何ですが、この楽器については全くの素人ですし、高杉さんの三味線にも合うかどうか……」
高杉「だからこそ面白いんだろう!この地球上において、三味線とウド何とかで協奏しようとした人間なんて僕ら以外にいやしない!それだけでも試し甲斐があるし、何より……とても面白そうだ!」
類「……!」
高杉「ま、そういう訳だから、放課後に君の家で心行くまで奏でようじゃないか。まぁ、まずは君が合奏祭で使う楽器を選び直すのが先かな。丁度暇してるし、良ければ付き合ってやろうか」
類「……はい、是非とも。放課後も楽しみにしています」
高杉「ああ!この高杉晋作の三味線を楽しみにしていると良い!」
・オマケ
類「ところで高杉さんは合奏祭で何の楽器を?やっぱり三味線ですか?」
高杉「いやいや、慣れてるからと同じ楽器ばかりを使うほど、僕はつまらない人間じゃないぞ。折角だし、君が選んだウド何とかと同じくらいに面白い楽器を選んでみたいものだ」
類「あはは、そうですか……(この人はブレないなぁ……)」