ミガリ先生とサンタクロース(?)
「先生はサンタの存在信じとる?」なんとなく、そんな質問を先生に投げた。
どうせ信じてないだろうな、と内心で考えながら投げた質問だったが、先生から帰ってきた返事は予想外のものだった。
「サンタ?おるやろ。会うたことあるし」
「へ?」……いやいやいや、まさか本当に信じているのか?2×歳にもなって?サンタクロースがいると???しかも会ったことあるってなんだ??幼少期の思い出を未だに引っ張っているのか???困惑で言葉が途切れる。
「何やその顔。どうせ「サンタなんているわけ無いのに会ったとか何言っちゃってんのープププ」とか思ってるんやろ、アンタクソガキやからな」最後の一言はムカつくが、大方言う通りだった。「アホはお前や!!!会うた事ぐらいあるっちゅうねん。アレは独り暮らしを始めたての冬やった……あん時はウチも貧乏極まりなかったからな、クリスマスで盛り上がる世の中とは全然縁無かったんや。こないな美少女なのに全然オトコもできひんしな。なんでやねん!!!」正直その理由は自分にも分からなかった。こんなにいい人なのになぜモテないのか全くの謎だ。この世界は何かおかしいと思う。「そんでそんな寒う寒うで震えとるウチのもとにサンタはやってきたんや。アレは真夜中…二時ぐらいやったかな、缶ビールも粗方飲み尽くしたしそろそろ寝るかと思ってシャワー入っとったらな、ガシャン!!って窓割れる音したんよ。そらウチもまだいたいけな美少女やったからびっくりしてな、「不審者か!?」って思って着の身着のまま飛び出したんや。」それは不審者では?
「そしたらさらにびっくり、そこにおったんはあのテンプレ通りの見た目したサンタさんやったんや。相違点としてはちょっと息が荒かったんと目付きがギラついとったこととミニスカサンタやったことやな」いやだからそれは不審者では?
「そんでウチが「サンタさんや〜ん」つって近寄ったら跳びかかってきおったからとっ捕まえて縛り上げてそのまま交番持ってったわ。あん時の警官の兄ちゃん、えらい驚いた顔しとったなあ。何でやったんやろ」
「いや、普通全裸の濡れた女が縛り上げたミニスカサンタコスのオッサン突き出してきたらビビるよ。怪異やんどう見ても」つい敬語を忘れて突っ込んでしまう。
「…………言われてみれば…せやなあ」
“みたいな事があったんだよ”
ミガリ「あーあったあった、話したなあそんな事、懐かしー」
ホシノ「えっ怖」
ユメ「治安どうなってんの」
ビーナ「頭おかしいんじゃねーの」