ママダカさん②

ママダカさん②


⚠アオオモです

オモダカさんが子持ち



殺風景なアオキの部屋に入ると、突然チルタリスに体を包み込まれた。

「暖かい...。」張り詰めていた心がふわっと解けた。

足元を見るとオドリドリが居て一緒懸命踊っている…。私を励まそうとしてくれているのだろうか…?

ムクホークも傍に来て寄り添ってくれている

「こら、トップを立たせたままですよ、チルタリスは一瞬トップを解放してソファに座らせてあげなさい。トップ、好きな位置に座ってくださいね。あと、これ、カフェインはダメだと思うので」

と、アオキは湯気がたつマグカップをオモダカに手渡した。入っていたのはホットミルク…

1口飲んでみる…。甘くて美味しい…

ふわっと緊張が解けて子供を抱く腕を緩めてしまう

「うわぁぁん!」

咄嗟の刺激に子供が泣き出す

「すいません…すぐに泣き止ませます」

すると、ぱっとボールからネッコアラが飛び出し子供を寝かしつける。

「ああっ、ネッコアラありがとうございます」

子供はすやすやと気持ち良さそうに眠っている

「…。ずっとお子さんを抱っこしたままだと大変でしょうし…。ベビーベットがあるのでそこに寝かせてはどうでしょう?」

アオキが示した先には立派なベビーベットがあった

「何故、アオキの家にベビーベットがあるのでしょうか?もしかして、アオキにも赤ちゃんがいたのですか?まさか結婚していた?」

オモダカは不思議に思い、聞いてみる

「何言ってるんですか、自分は独身ですよ。ベビーベットは…たまたまです…」

オモダカはリーグでのアオキについては十分すぎる程に知っているが、プライベートについては全くのノータッチであり無知である。

…私のように何か複雑な事情でもあるのかもしれませんね…

そう思い、気になる気持ちはあったが、何も言わず子供をベットにそぉっと下ろしてゆく。ここで子供が起き、泣いてしまったらこれまでのネッコアラの働きがぱぁだ…

心配していたが、子供はすややかに眠りについたままだった。オモダカはほっと胸を撫で下ろす。

「ところで、この先何処か身寄りを寄せる所はあるのですか?」

「いいえ、今探しています…」

「でしょうね、よろしければ我が家で暮らしませんか?赤ちゃんもいますし…心配です」

オモダカは驚きで目が丸くなった、アオキがそんな事を言うとは…

ずっとアオキは私の事を仕事を沢山押し付ける鬼上司と感じているとばかり思っていた…

…いやいや、子供が居るからだろう。流石のアオキだって産まれたての小さな子供を見捨てられないのだ…

アオキには悪いがお願いしよう

「すいませんがお言葉に甘えさせていただきます。実は実家にも縁を切られ困っていたので助かります。子供もいますし…」

アオキは「そうですか、良かったです」と言い微笑んだ、アオキが向けてきた笑顔は彼の好物のレモン焼きおにぎりを目にした時とそっくりだった。

絶対こんな事無いと分かっているが心の中で

“うちの子は食べ物ではありませんよ”とツッコミを入れた。

アオキが、お腹減ってませんか?宝食堂でテイクアウトしてきましたと言い焼きおにぎりを差し出して来た

オモダカはそれを受け取りにっこりと笑った

良かった…


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