マハーパラマソウガタ

マハーパラマソウガタ


【元ネタ】史実

【CLASS】ライダー

【マスター】

【真名】マハーパラマソウガタ

【性別】女性(生前は男性)

【身長・体重】171cm・55kg

【属性】秩序・善

【ステータス】筋力B 耐久A 敏捷B 魔力C 幸運B 宝具EX

【クラス別スキル】

対魔力:C

 第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。

 大魔術、儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない。


騎乗:A+

 騎乗の才能。獣であるのならば幻獣・神獣のものまで乗りこなせる。ただし、竜種は該当しない。


【固有スキル】

カリスマ:B

 軍団を指揮する天性の才能。団体戦闘において、自軍の能力を向上させる。

 カリスマは稀有な才能で、一国の王としてはBランクで十分と言える。


ボッカタオ:A+

 クメール王朝から伝わるカンボジアの伝統武術。

 徒手空拳と武器術を併せた総合武術であり、また対人のみでなく対獣戦法としても優れる。

 ライダーによって推奨されたと言われ、帝国最盛期を築いた軍事力の源泉はこの武術だったとも。


聖王:B

 神性を保有せず、聖なる王として名を残した王に与えられるスキル。

 魔性の存在および、聖人系以外の「神性」スキル所有者への特効効果が生まれる。

 “神王”多しカンボジア史の帝王たちの中で、ライダーは唯一と言っていい“聖王”である。


魔力放出(光):A

 聖人などにのみ許される亜種魔力放出。悪属性に対してアドバンテージを有する。

 悪鬼王にも例えられたチャンパの王を打倒したことも、このスキルを得たことに関係があるかもしれない。

 ライダーが放つ光は、第二宝具である大伽藍都城に宿る『転輪聖王』の光と同質のもの。


【宝具】

『悪鬼沈める聖王の軍船(マハーネアク・ジャヤヴァルマン)』

ランク:B+ 種別:対軍宝具 レンジ:3~40 最大捕捉:100人

 海洋王国チャンパの水軍を撃破したクメールの戦闘船。

 装飾されたヒンドゥー神獣の眷属の力を引き出して船を操舵し、敵対者を撃沈する。

 太陽鳥の船は宙空から灼熱の光を、竜蛇や怪神魚(マカラ)の船は水王種として激流を放つ。

 ライダーは自身を観音菩薩と重ねていたことから、関連のある怪神魚の船を好んで使用する。

 ――実のところこの戦闘船に宿る力は、ヒンドゥー神話に語られる神獣たちものではなく、それに近似したカンボジア土着の精霊獣たちのものであり、精霊王としての側面を持つクメール帝王だからこそ扱える宝具と言える。



『渾然至大伽藍都城(アンコール・トム)』

ランク:EX 種別:対国宝具 レンジ:1~99 最大捕捉:1000人

 帝国最大の英雄にして大建寺王の威光の具現たる、曼荼羅模様の固有結界。

 ライダーが築きし大都城と神仏混淆の伽藍群を幾何学的に組み合わせて展開する。

 外敵に対するために、旧き聖都ヤショダラプラを超える堅牢城壁が備えてあり、

 都城内部はライダーの精神性の顕れとして、あらゆる神秘が受容・飽和されてしまう。

 壁面レリーフとして見える戦の様子と民草の生活は“ライダーの国そのもの”であり、対国規模以上の宝具でなければこの都城は破壊出来ず、半壊程度ならば都城を囲む環濠“勝利の大洋(ジャヤシンドゥ)”の効果によって自動修復される。


攻撃面としては、精霊の使役、雷神の弓を模した虹光(エイントナ)の放射を主に使用し、最大攻撃法は、受容した神秘を動力源に観音菩薩面から『転輪聖王』の光砲を放つ。

 また、この菩薩面を通してライダーは広大な範囲を把握することが可能。

 空前規模の超宝具でありながら、展開と同時に張り巡らされる“王道”の効果によって魔力が枯渇することはない。ただし、抑止力の排斥によって展開維持は数時間が限度。



【Weapon】

『観自在天駆(ヴァーラハ/ポリヤハック)』

 ニャック・ポアン寺院に建てられた石造神馬。本生譚に語られる観世音菩薩の化身。

 ライダーは自らを観世音菩薩と重ねたが故に、この神馬に騎乗する資格を有している。


【key word】

『活仏王』

 大寺院バイヨンの観音菩薩四面像は、王であるライダーその人の顔を顕しているという。

 帝国全土を見渡し慈善を施した己と、十万世界を見通し恵みをもたらす菩薩とを重ねたのかもしれない。

 また、仏教を奉じて慈善に尽くしたその為政から、神の化身ではなく転輪聖王を志していたとされており、

 帝国最大の王でありながら神王(デーヴァラージャ)とは称しがたい例外的な存在である。

 しかし研究者セデスは、個体主義による神と仏の区別など意味はないと述べている。


『全ての道は都城へ続く』

 冒険家マルローの著作「王道」では、カンボジアの密林には道が張り巡らされていたとあるが、

 後の調査・研究によってこれがフィクションではなかったことが判明する。

 東南アジア大陸各地へ繋がる「王道」が実在し、その全てが都城(アンコール)へ続いていたのだ。

 故に、『渾然至大伽藍都城』は、広範囲の地脈を確保・接続する機能をも有するのである。



【解説】

クメール帝国の最大版図・全盛期を築いた王。ジャヤヴァルマン7世。在位1181‐1218年ころ。

諡号マハーパラマソウガタ(偉大にして至高なる仏教徒)。大建寺王、大建都王、転輪聖王。

ダラニーンドラヴァルマン2世王の息子で、王子時代はチャンパに外征にする将であった。

当時の帝国には強力な王が不在であり、チャンパ王の侵攻によって主都アンコールは陥落させられてしまい、この帝国の危機に立ち上がったのが7世だった。

7世の軍はトレンサップ湖上の決戦で勝利してアンコールを解放し、7世は1181年に王として即位した。

その後、王はチャンパに対して容赦なく復讐戦を行い、チャンパは約20年間クメールに支配された。

また王は国内平定のために断続的に出兵し、クメール帝国の再統一が果たされた。

一説には、王は帝国自体を巨大な曼荼羅にすべく、幾何学的な配置に造り、その過程で貯水池による水利システムを改善したという。

これだけでも王が偉大な英雄であったことがわかるが、王は大寺院を始めたとした建築事業に着手した。

幹線道路とそれに伴う多くの宿泊施設の建設は、交易と進軍を容易にして国内を大発展させ、また「己の病よりも民の病を苦しみとする」として、全国に施療院を設置した。

7世は帝国と諸国を結ぶクメールの国際ネットワークの最後の結合者であり、アンコール都城の完成者だった。

外敵排除による救国と版図拡大の武勇、数多の神殿寺院の大建築、民を慰撫する徳高き為政、ジャヤヴァルマン7世こそまさしくカンボジア史最大の王であり大英雄と言えるだろう。

しかし、彼の死を最後にクメールの偉大な王は絶え、帝国も後に崩壊していく。



【コメント】

自作サーヴァントの中では初の女体化。とは言っても生前は普通に男で、英霊化した後に女になった。

母性の象徴である菩薩と己を重ねたことにより、母性と威厳たっぷりな女丈夫として顕現したのだ。

日本で召喚された場合は無辜の怪物スキルで癩病に罹った男性の姿となる。

『渾然至大伽藍都城』のネーミングは『決戦起動増殖都市』に影響を受けた。

一人称は私(クメール)。



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