マッチョモブに羽乳首責めされるハヤト
ポケスロンにはジムリーダーが参戦することがある。そのうちの一人がキキョウジムのリーダー・華麗なる飛行ポケモン使いのハヤトだ。
飛行のエキスパートだけあってジャンプコースでは他の追随を許さず、スピードやテクニックでも好成績を残していく。
その活躍ぶりは彼が年若くとも、確かな実力を持ったトレーナーだということを改めて認識させられた。
しかしどうもパワーには自信が無いようで。パワーコースでは上位常連の俺に、彼自ら更衣室で声をかけてきたのである。
「やっぱりきみのように自らの体を鍛えるのが一番なんだろうか?」
「鍛えるのは大事ですけど、大切なのは体格とのバランスですね」
「バランスか……おれは鳥ポケモンに乗ることが多くてね。 あまり筋肉をつけるとポケモンに負担がかかるし、スピードも落ちるだろうからな……」
ハヤトは顎に手をあてて俺の身体を無遠慮に見てくる。ポケスロンに向けたからだ作りという研究のためであって、邪な気持ちは全くないのだろう。
「良かったら俺が見ますよ!ハヤトさんの筋肉!!」
──しかし、俺はハヤトのことを邪な目で見ていた。言うなればこの状況は棚からぼた餅、飛んで火に入るヤンヤンマだ。
「えっ?」
突然の申し出に硬直しているハヤトが二の句をつぐ前に、俺はアサギ色の着物の合わせを勢いよく分け、間髪入れずに胸を揉んだ。
「……なっ、何して……!??」
女性のような柔らかさは無い、平たい男の胸。しかし揉めば揉むほど手に吸い付くような瑞々しい肌をしている…若さの賜物だろうか?
そして肝心の筋肉だが、成る程見た目の細身な印象に反して中々に鍛えている。隙間から見える腹筋は薄らと割れていて、少年と青年の中間、途上の肉体といった印象だ。
「ハヤトさん、いい体してますね! でもあと少し大胸筋盛ってもいい気がします!!」
「わ、わかった! わかったからその、手を離してくれ」
殴られてもおかしくない所だが、意外にもハヤトは俺の腕を掴んで諭してくるだけ。
ジムリーダーという立場上みだりに暴力を振るいたくないのか。それとも俺が親切心でやっていると本気で思っているのか……どちらにせよ真面目で純粋な人柄は好ましいし、好都合だ。
「すみませんでした!一応俺から見たハヤトさんの筋肉なんですけど、ハヤトさんまだ成長期でしょう?なので無理に全身鍛える必要はないと思います」
「あ、ああ……それで?」
「若いうちに筋トレしとくと将来身体が衰えにくくなりますけど、変なクセもついちゃうんです。 だから部分的に必要な分だけ!鍛えるのがいいんじゃないかと!」
「そうか……でもさっきバランスが大事だと言っていたよな? 一部分だけ鍛えるのは難しいんじゃ」
ハヤトの疑問に応えるべく、俺が取り出したのはイッシュ地方から取り寄せた一枚の羽である。
「これは筋力の羽といって、ポケモンに使うと少しだけパワーを高めてくれる……タウリンに似た効能を持つ不思議な羽なんです。これをハヤトさんに使えば立派なポッポ胸になれること間違いなしですよ!」
「…………用事を思い出したから帰るよ。 付き合ってもらって悪かった」
流石に引いたか、踵を返して去ろうとするハヤト。俺は素早く彼を後ろから羽交い締めにし、羽をハヤトの乳輪に這わせた。
「おい離せ……ぅわっ!くすぐった……!」
乳首の根本をほじくるように撫でると、擽ったさにハヤトは身を捩った。
「んっ、おい! いい加減に……ぃッ!」
声に甘いゆらぎが生じ始める……擽ったさが快楽に変わり始めた兆候だ。事前に羽の先に媚薬をまぶしていたのが功を奏したようだ。
未知の感覚に逃げ腰になるハヤトをロッカーに押さえ付けると、今まで触っていなかった乳頭部を下から舐めるように撫で上げた。
「ふぅッ♡!?……く、んんっ!!」
瞬間、上がった声は明らかに快楽によるものだった。必死に声を抑える彼を追い詰めたくて、弾くような動きで羽を振りたくる。やがて一振りするごとに体が跳ね、くぐもった声が頭上から溢れるようになった。
「はーッ……はぁっ、あ……ッ!♡」
追い詰められたハヤトは頭を振り乱し、快楽を逃がそうとする。着物の前ははだけ、常は前髪に隠されて見えない瞳がちらちら覗く。普段はぴしりと整った、ジムリーダーとしての彼を思うとこの乱れぶりは扇情的というほかない。
「んぅ、ぁ♡やめっ、ろ♡あぁっ!?♡」
「今やめたらキツいでしょ〜ほらっ!もう片方の乳も鍛えて応えて!」
「〜〜〜ッ!??!?♡♡♡」
放置されていた片乳首を指でつねっただけで上体がウデッポウのように反る。本当に反応がいい。性欲など全く感じさせない顔をして、実は自分で弄ってるんじゃあなかろうか。そんな邪推が頭をよぎったが、自分が持っている羽を見て重大な間違いに気がついた。
「あ、これよく見たら体力の羽でしたね……仕方ない、ハヤトさんの乳首にエッチなきそポイント振っちゃいましょうね!」
「ぃ、みがわからなぁっ♡あっ♡もうイッ……♡」
膝から崩れ落ち、気をやりそうなほどに身震いするハヤトの身体をホールドしながらスパートをかけようとした、その時だった。
「ぁ……えっ……?」
羽は一瞬淡い光を放つと、光の中へ霧散してしまった。そうだった、この羽は消耗品だったのを忘れていた。
「あ〜残念……良かったらまた声かけてくださいね!」
俺は呆然とするハヤトをよそにそそくさと荷物を纏め、更衣室を後にした。
"また"があるのかどうか……それはハヤト次第だが、背中に突き刺さった熱視線に俺は確信めいたものを感じてひとりほくそ笑んだ。