マシュ・キリエライトのETD敗北

マシュ・キリエライトのETD敗北


 シミュレーターが故障し、奇妙な動作を始めた。

 通称『エロトラップダンジョン』、略してETD。それがシミュレーター空間で再現されたのだ。

 丁度トレーニングに励んでいたマスターはそこに囚われ、同行のサーヴァント沖田総司、スカサハ、ジャンヌ・オルタとも連絡が取れない。

 シミュレーターのオペレーションをしていたマシュは危険な状態と判断。マスター達を助けるべく飛び出すのであった。


  *


「ボイスメモ、マシュ・キリエライト。現在時刻一四四五、シミュレーター内部で謎の空間を探索中。内部に侵入した際、何故か水着に変わりましたが、霊衣として防御力に問題は無し。

 内部は僅かに薄暗く、赤いぶよぶよした物質に覆われています。まるで巨大生物の体内のようです。更に大気中に濃度の高い媚薬成分も検出、私も30分以上滞在すれば『対魔力A』で抵抗出来なくなると推定されます。

 幸いにも先輩達の反応は一塊になっており、私はオペレートをしていた事から裏口を咄嗟に作成する事に成功。本来15階層に分かれているこの空間を一気に最下層までショートカットしました。先輩さえ救出すれば残った3名のサーヴァントは令呪で回収出来るため、まずは先輩の救出を最優先します。終わり」


 さて、と一息入れる。扉の内側にショートカット出来たのは幸いだった、後はマスターをバックドアまで運ぶ任務は自分の肉体でやれば終わる。

 救助対象は肉で作られた檻のような物の中に囚われており、気を失っているようだ。


「先輩、今助けます」


 ベキリ、と指を鳴らしデミ・サーヴァントのパワーで肉の鉄格子(肉格子?)をこじ開けマスターを抱き寄せる。

 彼女は気が付くべきだった。沖田総司、スカサハ、ジャンヌ・オルタとマスターの反応が一塊なのに立香少女以外が見当たらない事に。


「え」


 お姫様抱っこで抱き寄せた瞬間、赤髪の少女の肉体は無数の赤い縄のようなものに解けた。触手が擬態していたと分かるより早く、それはいきなり床に開いた穴に盾の少女を引きずり込んだ。

 咄嗟につっかえ棒にしようとした盾は、握力が負けて穴の外に置き去りになった。


  *


「んぅぅぅぅ♡ んぐ、ぅぉぅうううううっ♡♡」


 観葉植物のインテリアは、時として天井から吊るされる事がある。

 今の自分達もそれだろう。


「あ゛ぁああああ♡♡ あ、あ゛♡ うぁああああああ♡♡」


 触手によって吞み込まれた少女は、広い空間に運ばれたらしい。

 『らしい』というのは、自分の周囲の状況を把握しきれないからだ。

 床から天井へ、穴を通った先にあったのは袋のようなもの。マシュは落ちる形でそこに入ると、お尻と胸を袋に開いた穴から露出する形で袋を絞られた。当然、顔を出せるような隙間は無く、筋肉の塊が全身を締め上げているから腕も満足に動かせない。

 以降、延々と触手に無防備になった2つの雌穴と赤子を育てるためにある筈の胸部を甚振られ続けている。


「んぁぁ♡ あっひぃいいい♡♡ がまん、できなぁぁぁぁ♡♡♡」


 マシュは気付いていないが、彼女の下腹部には触手に運ばれる最中で既に淫紋が刻まれており、性的な攻撃を弱点とするよう細工がされていた。

 先輩を助けたいと思う心が、何度想起してもピンクのプリミティブな欲求に塗り潰されて押し流されてしまう。


「お゛♡ せ、んぱ♡ あぁあああああああああ♡♡♡」


 ぐちゅりどちゅりと自分の媚壺にぴったりと嵌まる触手と、同じく菊門に丁度良いサイズの触手がリズミカルに交互に出し入れされ、泡立った女蜜が床にぼたぼたと滴り落ちる。

 かと思えば一息に最奥まで2本の触手が突き上がり、ギュルギュルギュルと肉の突起を回転させて少女の胎内を攻め続ける。バジリと時折放電して快楽の質を変えるのも忘れない。


「へぁああああああああ♡♡♡」


 達する度に形の良い乳房からは母乳が噴き出し、対面の肉袋の表面を濡らす。そこに立香がいるかどうかは分からず、そもマシュにそれは見えていない。

 ただただ回転運動とピストン運動によって快楽の暴力を流し込まれ、幾度でも頭の中でそれを弾けさせる事しか出来ないのだから。

 腹をボコリと浮き上がらせる程に子宮を激しく突く。陸に上がった鰻が暴れるようにグネグネと尻穴の中を攪拌させる。母乳の出が悪いと触手から電気ショックを放って胸部を痛めつける。絶頂で暴れすぎる事を咎めるように剥き出しの陰核にローラーのような回転繊毛を押し付け強烈な法悦を押し込む。


「せん、ぱ、いっ、ごめんなさ♡ いぎっ♡」


 絶頂に完全に蕩けた脳で、最後の理性を絞り出す。これが最後の人間的な行動だと察したマシュは、触手袋に締め付けられている腕を何とか動かし、ボイスメモを起動した。


「わ、わたし、いひぃ♡ しょくしゅにまけっ♡ おほぉぉ♡ まけちゃいましたぁああああああああ♡♡♡」


 敗北宣言を理解できるような知性が触手にあるのかは分からない。

 ただ少女の抵抗の終わりの告白と同時、大量の白濁液が放出された。高濃度の媚薬でもあるそれを子宮と直腸で受け取る。

 砂に水が吸われるように触手の精液はマシュの体に浸透し、微かに残っていた彼女の理知を焼き切った。

 後に残ったのは、大好きな先輩と同じように、この奇怪な生物の苗床になる事。同じ生物の手によって雌にされる事。それ以外の全てを考えるだけの頭は、もう盾の騎士には残っていない。


「も、っと……、もっと、くださひ……♡♡♡」


 是の解を返す代わりに、少女の入っている肉の袋に、何本もの形の違う触手が押し寄せた。


「んぁぁぁぁっ♡ しゅごっ、しゅごひぃいいいいい♡♡ もっと、もっとシてくださいごしゅじんさまぁあああああ♡♡♡」


 少女達が助けられたのは、シミュレーターを犯す敵の何某を討伐した1週間以上後の事であった。



マシュ・キリエライト/地下15階

ショートカットのお仕置きとして悪魔の繁殖部屋に幽閉された。先に到達していた冒険者共々、触手の子を産むための苗床として吊るされる。

永遠に終わらない絶頂地獄を前に、心が完全に折れてしまった。

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