ボーダープレゼント大交換会④

ボーダープレゼント大交換会④


天道「オレは雪村から、『パンケーキ専用メープルシロップ』をもらったぞ。激しい運動にはカロリーが不可欠だからな。ありがたくいただこうと思う」

桔梗「ははは! なんか、天道先輩とパンケーキってちょっとミスマッチっすよね! だめだツボった、ははっ、マジ腹筋に悪い……!」

金城「ちょっと、笑いすぎだって。さすがに駿丞がかわいそ、ふふっ……!」

秋鹿「? そんなに面白いか?」

樋口「アタシは八葉隊のオペレーターから、スタバのドリンクチケット。まあ、らしいと言えばらしいけど、面白みも何もないチョイスよね。……まあだから、アタシ一人じゃこんなに使えな」

涼「そんなこと言って、さっきまで『これを口実にして愛と三上とスタバに行くわ……!』って喜んでたじゃないか。全く、樋口クンは素直じゃないねえ」

樋口「あっ!? ちょっと、余計なこと言わないでよ!!」

岡崎妹「えー! そんなこと考えててくれたの? チケットなんてなくたって一緒に行くに決まってるじゃん! ねえ、いつにしよっか? いつがいい? 三上の予定も聞かなきゃね!」

樋口「じ、じゃあ、とりあえず、今度の週末とか、どうかしら」

岡崎妹「おっけー! 予定調整しとくね!」

桔梗「いいなー、オレもその日空いてるんだけど一緒に行っても…」

樋口「良い訳ないでしょ来たら殺すわよ」

桔梗「あはは、ですよねー……」

長町「可哀想な隼也にはこれを与えよう」

桔梗「えっ、ファミチキの袋じゃん。やった!」

長町「残念中身はかしわ天だよ。ちなみに俺は綾葉ちゃんから、うさぎのマグカップをもらったよ〜」

緋川「何が嫌って、長町センパイがやけにかわいいうさぎのマグカップ持ってても、何故かあんまり違和感ないのがなんか一番嫌なのよね……」

長町「さすがにひどくない? まあマグカップはね、何個あっても困らんからね〜。ありがたく使わせてもらうよ」

桔梗「俺は来光からスポーツタオル貰ったよ。タオルは普通に消耗品だし、体育の授業で使うから、シンプルに助かるよな」

金城「ふふっ、桔梗と駿丞、逆だったら、あはは、あんま違和感なかったのに……ふふっ……」

桔梗「この人まだツボってたんすね」

涼「ボクはこれだよ。修学旅行先とかでよく見かける、ドラゴンのお土産キーホルダー! あのなんていうのかな、よくわからない玉とかついてるアレだね」

秋鹿「俺が選んだ物だな。我ながら、やはり格好いいセンスだ」

涼「そっ……そうだね!」

樋口(思いっきり目を泳がせてから頷いたわね、今)

涼「折角秋鹿クンにもらった物だし、こうしてUSBにでもつけておこうかな。落としてもすぐ気づきそうだし、ほら、無くした時もすぐに特徴を伝えられそうだしね」

桔梗(あっ、仕事用のUSBだ。さすがに私物のUSBには付けないんだな……)

水端「これで天道隊もひと段落ついたかな? それじゃあ、みんな協力してくれてありがとう。メリークリスマス!」

天道「メリークリスマス! 残るは2部隊だな。最後まで気を抜かず、全身全霊で挑むといい!」



煙崎「俺は結城から、トリガーの仕様書をもらったよ。有賀や狼谷に自慢するのが今から楽しみだな。自慢するだけ自慢して、焦らせるだけ焦らしてから、ようやっと、どちらか片方に貸すんだ。ははっ、きっと面白い顔を見せてくれるに違いないさ」

緋川「はあ。そんなしょうもないことで、長年の友情にヒビが入らないといいですね」

岡崎妹「景治くんは何をもらったの?」

坂田弟「あっあっ、えっと……」

野浦「坂田くんが女の子に怯えてしまっているから、わたしが代わりに紹介するね。坂田くんは黒乃さんから、運び屋チケットをもらったみたい。この紙に書いてある番号に電話すると、物を届けてくれたり、人を運んでくれたりするんだって。便利だね」

坂田弟「い、いくら煙崎さんとは仲がいいからって、あまり関わりのない年上の人を、電話一本でパシるみたいな、こと、さすがにできないです……」

双海兄「よく言うぜ。ランク戦じゃ遠慮なく誰だろうと駒にして使おうとするじゃねえか。ランク戦でできて、なんで普段はできないんだ? 理解できねーな」

坂田弟「あなたみたいに人格が破綻していないから、以外の理由があると思いますか?」

一ノ瀬「うわ、また始まったよ……」

煙崎「三人とも、そのくらいでストップだ。客人の前で悪態つくなんてみっともない真似はよせよ」

双海兄「チッ……」

坂田弟「……」

水端「なんというか……その、なかなか絶妙なバランスの部隊だね?」

秋鹿「噂には聞いていたが、ここまで空気が悪いとは思わなかったな」

水端「八尋、ちょっと静かに」

野浦「構わないよ、事実だもの。ごめんね、あまり居心地のいい空気にできなくて。なるべく手早く終わらせるから。私は双海くんの弟から、チョコをもらったよ。もう食べてしまったから箱しか残っていないけれど、とても美味しかった」

緋川「へえ、らしくないチョイスじゃない」

双海兄「どうせ今日の朝、戸棚の奥にある物適当に持っていこうとして、俺が先に回収してたことにようやっと気づいて、慌てて用意したんだろうな。そういう計画性のなさがミスに繋がるってのに」

煙崎「双海。俺に何度も同じことを言わせるつもりか?」

双海兄「……はあ、プレゼント交換の結果が知りたいんだったな? 俺は涼さんから、消毒しつつ保湿もできる、ハンドジェルをもらった。乾燥した手が拾う情報はどうしたってノイズが混じる。だがこの時期に手指消毒を怠るなんて以ての外だ。これはそれを同時に解決できるから、まあ普段使いするには便利だな。無駄に香りがつかねえってのもありがてえよ。素直に、いい物を貰ったと言っていい」

一ノ瀬「えっ、これ次は私が言う流れ……!? えっと……」

一ノ瀬『落ち着いてください、マスター。私の言葉に続いてください』

一ノ瀬「……私は、逆叉さんからこちらのカラフルなお菓子をいただきました」

金城「おお、見事に真っ青だね〜。なんか、アメリカって感じがする」

水端「この前テレビのロケで渡米したときに、同じ物を見たことがあるよ。向こうじゃ定番のお菓子なんだって」

一ノ瀬(えっこの着色料と添加物と油と砂糖に塗れたもさもさしたやたらデカい小麦粉の成形物が定番???)

一ノ瀬『マスター、急に黙ってしまったせいで、水端隊のみなさんが不思議そうな顔をしています』

一ノ瀬「あっ、えっと、日本ではなかなかお目にかかれない代物なので、とても嬉しいです」

岡崎妹「よかったね! 一人で食べるには大きいし、もしかして、後で隊のみんなと食べるのかな?」

一ノ瀬「はっはひ……?」

一ノ瀬(やばいやばい全部言い終えた安堵でちょっと何言われたのか入ってこなかった)

岡崎妹「そっか〜! ふふ、これをきっかけに、もっとみんなの距離が縮まるといいね!」

一ノ瀬「は、はい……」

一ノ瀬(とりあえず頷いとこ……)

水端「煙崎隊もお茶会をするのなら、そろそろお暇した方がいいのかな」

緋川「そうね、ちょうど話もひと段落ついたところだし。それじゃ、協力感謝するわ。メリークリスマス、喧嘩しようが何しようがそっちの勝手だけど、うちの隊は巻き込まないでくださいね」

煙崎「はは、善処するよ。メリークリスマス」

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