ボーダープレゼント大交換会③
逆叉「私は双海の坊ちゃんの、援護が得意な方から、ベースボールかしら? のキーホルダーをもらったわ。なんだか古びているし、お世辞にもいいプレゼントだとは言えないわね」
那珂川「裏にはばっちり『龍一』って名前まで縫ってあるしね」
緋川「これ、あれじゃない? ほら、マネージャーが作ってくれる部活のお守り」
金城「へえ、運動部がつけてるアレ。何かと思ったら、マネージャーの手作りなんだね〜」
逆叉「ふうん、日本にはそういう風習があるのね。まあ、記念にしばらくは貰っておいてあげるわ」
松海「私はね、愛さんからのお手紙と、魔法みたいに綺麗なお菓子をもらいました! とっても素敵な贈り物を、どうもありがとう!」
岡崎妹「えへへ、亜麻音ちゃんに喜んでもらえたなら嬉しいなあ! 一生懸命選んだから!」
伏見「琥珀糖、だよね? キラキラしてて、光に透かすと、本当に魔法がかかってるみたいだねって、松海さんと一緒に眺めてたんです」
那珂川「あっ、その包み……! もしかしなくても、水端さんのプレゼントって、あたしが選んだやつですよね!?」
水端「そうだよ、美味しそうなクッキーをありがとう」
那珂川「すみません! あの、本当はもっと別の物を用意してたんですけど、来る途中に自転車に撥ねられそうになって、避けたときに川に落としちゃって……! でも手ぶらで行く訳にはいかないなって、急遽コンビニで用意したものでして……」
水端「そんなに申し訳なさそうにしないで。きっと、橘ちゃんが元々選んでくれていたプレゼントは、橘ちゃんの代わりに川に飛び込んだんだよ。そう考えたら、橘ちゃんが無事でいてくれたこと自体が、私にとってのプレゼントみたいなものって感じがしない? その上、美味しそうなクッキーまでもらっちゃえるなんて、すごくラッキーだよね」
那珂川「み、水端さん……!」
緋川「ちょっと。ウチの隊長に誑し込まれてないで、早くプレゼント紹介しなさいよ」
那珂川「あはは、ごめんごめん。えっと、あたしがもらったのは、金城さんのオルゴールです!」
金城「おお〜! それ、おれの自信作なんだよね〜。もう聞いてみた?」
叶内「聞きました聞きました。琥珀糖眺めながらねー、それはもうめっちゃ激エモな時間だったよー」
那珂川「すっごく素敵で、一回聞いただけでもうお気に入りになりました! ……でもなー、壊したり、部品とか無くさないかなって、ちょっと心配です」
金城「壊れちゃったら、おれのところに持っておいでよ。直してあげるからさ」
伏見「じゃあ、部品を無くしたら、私のSEを使って、一緒に探してあげるね。えっと、次は私の番で、いいんだよね。私が貰ったのは、武市さんからの、キモカワイイ置物です」
秋鹿「……なあ、これ、アレに似ていないか?」
伏見「アレ?」
秋鹿「ほら、実家の蔵の奥の隠し戸の更に奥の床板外した下に埋まってた……」
伏見「……あっ確かに、ちょっと似てるかも。えっ、私が持ってて、本当に大丈夫なのかな?」
秋鹿「お前のSEが反応しないのなら、問題はないと思うが……」
叶内「はいはーい、仲良し従兄弟がクローズドコミュニケーションしちゃってるんでー、さくっと次の紹介行っちゃいますねー。アタシがもらったのは、総参郎くんのうどんの、乾麺タイプでーす」
金城「えっ、いいな〜。うどんだ〜。長町が選んだ物なら、絶対美味しいに決まってるよ〜」
叶内「えへへ、そうですよねー? 今度隊のみんなで食べるんですよ。よかったら食べに来ます?」
金城「超行きたいけど……う〜ん、おれ以外みんな女の子なのは、ちょっと気まずいかも?」
那珂川「じゃああたしのオルゴールを直してもらうついでにってのはどうですか? 絶対壊しちゃう自信があるので!」
逆叉「こら、胸張って言うことじゃないでしょう」
水端「じゃあ私たちも何か美味しい物を用意して、みんなでお邪魔しちゃうってのはどうかな?」
秋鹿「いいんじゃないか? それでは、また後日計画を建てるとしよう。お誘いいただき感謝する。メリークリスマス」
逆叉「メリークリスマス。こちらこそ、お待ちしているわ」
南雲「お兄さんはねえ、なんとなんと、秀からコーヒー豆をもらっちゃいました! いやー、今日のお兄さんなかなかついてるんじゃない?」
鍵崎「ちょうどみんなでいただいていたところなんだよ。透子ちゃんたちも、よかったらどうぞ。砂糖やミルクが欲しい人は、遠慮なく言ってね? ……あっ、私のプレゼント、金城くんが貰ってくれたんだね」
金城「めっちゃ良い匂いだし、今日のお風呂が楽しみになったよ〜。ありがとう鍵崎〜」
鍵崎「喜んでもらえてよかった! 金城くんもコーヒーをどうぞ。ゆっくりしていってね」
速水「ほら、茶請けもあるぞ。遠慮せず食うといい」
水端「わあ、ありがとう。いただきます。……うん、このコーヒー、すごく香りが良いし、苦味も強すぎなくて、すごく美味しい。このクッキーにもよくあうね」
南雲「でしょ? さっすが、秀が選んだだけあるよ。あの子の店に通うのが今から楽しみだなあ」
岡崎妹「ふふ、そんなに他所の隊の人を褒めると、南雲隊の人たちが嫉妬しちゃうんじゃないですか?」
南雲「いやいや、ウチにはそんな可愛げあるやついないから」
黒乃「ははっ、むしろ冴木にちょっかいかけ過ぎて、八葉隊を怒らせてやしないかってことに気をつけた方がいいくらいだ」
緋川「へえ、みなさん結構ビジネスライクなんですね」
結城「勘違いしないで欲しいけど、仲が悪いって訳じゃないんだよ? ……いけない、話が脱線しているね。私がもらったのは、桔梗くんの腕輪だね」
黒乃「ブレスレットって言おうぜ?」
岡崎妹「わあ……! とっても素敵……! シンプルだけど、地味じゃなくて、カジュアルな場面でも、フォーマルな場面でも使えそうで、何よりすごくオシャレ……!」
結城「そうなの? あはは、宝の持ち腐れってやつかな。私には、装飾品の類の良し悪しがいまいちわからなくってね」
金城「そのテーブルに飾ってあるちっちゃなクリスマスツリーも、とても可愛いですね。誰かの私物なの?」
黒乃「いや、これは久木からのプレゼントだ。この時期くらいしか使いどきがないから、こうして飾ってるだけだな」
速水「お前たちに出してやった茶請けも、伏見からの贈り物だぞ」
秋鹿「そうなのか。てっきり南雲隊でも、隊室を飾りつけるなり、菓子を持ち寄るなりで、クリスマスパーティーはするのだなと、少し驚いていたのだが」
南雲「あっは、そんなぬるい馴れ合いごっこをする隊じゃないよ、ウチは。うーん、言い方が悪いかな? 別に仲良しの隊を馬鹿にしてる訳じゃないんだけどね」
鍵崎「でも、紬ちゃんからドーナツ引換券をもらったから、しばらくは隊長の言うような、『ぬるい馴れ合いごっこ』が続きそうだよ。私は嫌いじゃないんだけどな、こうしてみんなでおやつを食べたり、イベントを過ごしたりするの」
水端「ふふ、早く『馴れ合いごっこ』から、私たち水端隊みたいな、『本当の仲良し部隊』に成長できたらいいですね?」
南雲「ははっ、言ってくれるじゃん」
岡崎妹「えーっと、とにかく、ご協力ありがとうございました! 南雲隊の皆さんも、メリークリスマス!」
南雲「はいはい、メリークリスマス」