ホワイトリリーの純潔

ホワイトリリーの純潔

リハビリ中の字書き


※🥗注意

※性的な意味で手を出されていると言うべきか言わないべきか微妙なライン、指は突っ込まれてます

※処女検査めいた描写があります

※いつも通りIFドフラミンゴはだいぶアレ

※心の広い方のみお進み下さい





 コラさんと呼び慕う彼に受けた恩に、報いるために生きてきた13年間だった。

 下心を多分に込めた誘いを受けたことだって、無理やり夜の相手をさせようと連れ込まれかけたことだって、どうせクルーとヤりまくっているのだろうとビッチ扱いされたことだって、心臓100個を用意するのに実力ではなくハニートラップを使ったと的外れな陰口を叩かれたことだって、他にもそんな経験なんて山ほどある。

 それでもこの身が純潔を保ってきたのは、ドフラミンゴを打ち倒してコラソンの無念を晴らすまでは人並みの色恋などするまいと願を掛けていたからだ。

 優しい父様と母様、愛らしい妹ラミ。幼い頃の宝物、いつまでも心の温かな灯火であり続ける家族たち。

 あんな家庭をまた持ちたいと思ったことがないと言えば嘘になる。

 けれどトラファルガー・ローは海賊で、そんな真綿の如き柔らかな憧れよりも大事な厳しい現実がある。

 恩人に代わってドレスローザを天夜叉の魔の手から解放し、あの日の惨劇に決着をつけるのだ。

 そう意気込んで死力を尽くした成れの果て。

 七武海や船長、死の外科医の称号まで剥がされ怪鳥の毒牙にかかった哀れな小娘に残ったのは、鳥籠の中で暮らす生活と死をも渇望する苦痛だけだった。


 同盟者を失い、目の前でドレスローザの国民が皆殺しにされるのを見届けさせられ。

 数日後にはかわいいハートのクルーたちの変わり果てた姿も届き、その数週間後にはドフラミンゴにローの扱いで苦言を呈したファミリーの大部分が粛清された。

 死、死、死、死、死ばかりがローの周りに散らばっている。

 それが与えられないのは自分とこの空島の支配者だけだ。


 男を深くまで味わったことなどないこの身体に、初めて『そういう意味』での暴力が加えられようとしたのは、ドフラミンゴに飼われ初めて1ヶ月はたった頃だった。

 纏わされていたドフラミンゴの趣味の服を下着ごとズタズタに切り裂かれ、糸で拘束されてベッドに転がった状態で脚を開かされた時、遂に花を散らすことになるのだと覚悟を決めて口の中で頰を噛んだ。

 もっと痛い目になんてたくさん遭ってきたのに、それが性的な意図を伴うのだと思うと自然と喉が引き攣る。

 殴られそうになった被虐待児が身を竦ませるように、無意識に両腿と陰部の筋肉に力が入った。

 もちろん糸で身じろぎさえ封じられている股が自ら閉じてくれる筈もなく、緊張と拒絶ゆえに乾き切った膣は抵抗と違和感も虚しくドフラミンゴの長い指に侵入を果たされる。

 快感ではなく恐怖に蠢く、迎え入れるのではなく押し出すために痙攣じみてヒクつくナカ。

 その反応に一瞬、何かを思案するようにドフラミンゴの動きが止まって。

 進むのではなく引き返す道を選んだ、下手な小男のブツより質量のありそうな指が外に出ると、何の損傷も無い……冷静に観察してみたならば自分がこれまで抱いてきた『慣れた』女達よりも目に見えて狭いであろう、綺麗に膜の張った膣口を爪でなぞり。

 その行為にさえ怯えめいて震える白くか細い脚に、ドフラミンゴはどこか機嫌良く笑った。


「おれから離れていた10年以上もの間、きっと何人もの男を咥え込んで来ただろう奔放な妹に改めて躾をしてやるつもりだったが……フッフッフッ。なんだロー。お前、まだここを使ったこともないのか」


 冷や汗にしっとりと濡れる足の付け根を撫で回して、涙をこぼさぬよう懸命に堪えているローの顔を笑って覗き込む。

 睨みつける双眸の鋭さはこれ以上身体を暴かれることへの恐れに裏打ちされていた。


「……だったら何? 可哀想だから犯すのは止めてくれるっていうの?」


 気丈に開かれた唇。そこには強く噛み締めた歯型が残っている。

 滲んだ赤が血の気の失せた唇を艶やかに彩って、頬はあまりの屈辱に林檎のように火照っていた。

 嗚呼その通りさ、と眼前の自称兄は嘯いて。

 自ら破いた衣服の隙間から覗くローの胸元に手を差し込むと、ちょうど心臓のあたりをやわやわと乳房ごと揉みしだいた。


「ちょっと触った程度で死にそうなくらい心臓バクバク鳴らしてるウブでかわいい妹に、いきなり突っ込むなんて憐れな真似はしねェよ。悪かったなァ。不貞を疑っちまって」

「……アンタに憐れまれるくらいなら、そのままヤられたほうがマシよ。さっさと指でも何でも突っ込みなさい」

「おいおい。機嫌を直せよ、ロー。おれァなにもお前が憎くて手を出そうとした訳じゃない。どこの馬の骨とも知れねェ男に抱かれたことがあるなら、上書きしてやらないと気が済まなかっただけだ」


 その必要すら無かった、かわいいかわいいおれの妹はちゃんと真っ白な純潔を保ったままでおれの下に戻って来たのだと、ドフラミンゴはさも嬉しそうに笑う。

 そうしてローの体の上から退き、ボロボロになった衣服を体から剥ぎ取るとベッドのシーツで綺麗にくるんでやり、糸での戒めはそのままに軽い体を抱き上げた。


「お前が誰にも汚されていないと分かった記念日だ。来年からは百合の花で飾った部屋でパーティでも開こうぜ。今年中に新種の白百合の株を命名権ごと買い付けて、お前の名前で咲かせてやるよ」


 額に落とされる歪んだ親愛のキス。

 さっきまで人のプライベートゾーンに突っ込んでいた指で赤子をあやすように体をとんとんと叩いて、ドフラミンゴはローを抱えたまま風呂場への道のりを口笛混じりに歩く。

 来年にはもう死んでしまっていられたら良いなと、白百合を約束された娘は狂人の腕の中で力なく瞼を下ろした。

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