プレゼントはどこから買う?

プレゼントはどこから買う?

鉄華団おいしーなタウン支部April 15, 2024


もうすぐ、そらみちゃんの誕生日。


ゆい

「そらみちゃん、もうすぐ誕生日だね?」


そらみ

「はいです!

 今年で7歳ですよ~♪」


ゆい

「ふふっ、そっか~♪

 ……そらみちゃんが生まれてから

 もう7年かぁ…

 早いもんだなぁ……(しみじみ)」


そらみ

「えへへ…♪」


ゆい

「…今年のプレゼントは何が欲しい?

 なんでも言って♪」


そらみ

「え、なんでも?」


ゆい

「うん♪」


そらみ

「それじゃあ…

 …えっと……」


ポチポチ……

【スマホを操作する、そらみ】


そらみ

「……これが欲しいです!」


ゆい

「どれどれ?」


【戦隊ヒーローの合体ロボ玩具】


ゆい

「ふふっ、そらみちゃんらしいね。」


そらみ

「〇〇〇レンジャー達の新たなる力

 △△△△ロボ!

 〇〇〇レンジャー達の〇〇〇ロボと

 互角以上の力を持ち、さらに〇〇〇ロボとの

 合体まで出来るんです!

 武器は□□□□、必殺技は…」


ゆい

「あ、説明はいいよ…!?(汗)

 多分、覚えきれないだろうし…

 …えっと…とにかく、

 これが…欲しいんだね?」


そらみ

「はいです!」


ゆい

(ふむふむ…発売日は一昨日…

 もう発売済み、みたいだね。

 …値段は……う~ん、

 ちょっと高いけど……予算内。

 …明日のランチタイムの営業が終わったら

 おもちゃ屋に行って買おうかな♪)


ゆい

「……よし!

 ゆいおねーさんに任せて!」



……



~後日・玩具店~

ゆい

「え!? 売り切れ!?」


店員

「はい。申し訳ありません。」


ゆい

「つ、次はいつ入ってくるの?」


店員

「次回の入荷は未定です。」


ゆい

「う、うそ……!?」



……



ゆい

(うう……まいったなぁ……

 そらみちゃんの誕生日、

 もうすぐなのに……)

ゆい

(…う~ん…通販……

 通販を使えば買えるだろうけど…

 誕生日までに届くかなぁ……?

 …ダメもとで調べてみよう。)


【ゆい、スマホで通販サイトをチェックする】


ゆい

(……ええ!?

 な……なんでこんなに高いの!?

 事前に調べた値段の3倍ぐらいする!?)

ゆい

(さ、さすがに元値から

 ここまで離れていると……

 いくら、そらみちゃんのためとはいえ

 簡単に手が出せないよ……!)


……



~夜・なごみ亭~


【ゆい、さっきの出来事を拓海とソラに話す】


拓海

「それは間違いなく……

 『転売屋』の仕業だな。」


ゆい

「て、転売屋……?」


拓海

「転売屋…

 わかりやすく言うと……

 新発売の玩具などをそこら中から

 買い占め、それを通販サイトやらで

 ぼったくり価格で販売する

 個人の販売者…だな。」


ゆい

「え、ええ……?

 そ、そんなことする人がいるんだ……?

 子供の玩具で……?」


ソラ

「逆です、ゆいさん。

 子供の玩具だからこそ、です。」


ゆい

「え?」


拓海

「…子供が何かを欲しがれば

 どんなに高くてもその子のため

 ついつい買ってあげたくなる……

 親とは…そういう生き物なんだ……」


ソラ

「…そんな子供を想う親心に付け入り

 法外な値で買わせようとする……

 『アコギな真似』…というものですね。」


ゆい

「そ、そうなんだ……」


ソラ

「…わたしもヒーローが好きですし、

 自身とそらみ用の

 ヒーローグッズを買い集める際、

 どうしても欲しいモノは

 高くても転売屋とやらを

 利用していた時もありました。

 ……………………ですが……」



ソラ

「…やよいさんからそう聞かされて…

 知らなかったとはいえ、

 悪事に手を貸していたなんて…

 わたし自身が恥ずかしい……

 ヒーローとしてまだまだ未熟です…!」


【苦虫を嚙み潰したような表情で苦悶する、ソラ】


ゆい

「そ、そっか……

 ……でも、どうしよう?

 そらみちゃんにプレゼントするって

 約束しちゃったしなぁ…

 う~ん、少し遠いけど

 他の町のおもちゃ屋さんまで行って……」


拓海

「いや……

 そこも既に転売屋にやられただろうな。

 転売屋は人を雇っての人海戦術で

 商品を仕入れるヤツが多いからな……

 少なくともおいしーなタウン近辺は

 全滅と考えた方がいい。」


ゆい

「く、詳しいね、拓海……?」


拓海

「お父さん歴、長くなったからな。

 子供の欲しがる玩具がなぜ品薄で、

 通販サイトでそれを見かけても

 なんでやたら割高なのかを

 調べるうちに自然と……な。」


ゆい

「へ、へえ……?」


拓海

「……嘆かわしいことだ。

 買い占められたことにより

 おもちゃを必要とする子供の元にそれが届かず、

 汚い大人の私腹を肥やすために

 子を想う親の気持ちが利用される…」

拓海

「若い時はそれがどれだけ非道なことなのか

 あまりわからなかったが…

 子を持つ親の身になってハッキリわかったよ。

 転売屋は…子と親、双方の笑顔を奪う

 れっきとした悪だ……!」


ゆい

「ふ、ふうん……?

 …でもそうなると本格的に困ったね…

 …転売屋から買うのは

 いけないことみたいだから

 通販はダメみたいだし……

 そらみちゃんへのプレゼント…

 どうしよう……?」



拓海

「…………ふふふ……ゆい。

 いるだろう………?

 こういう時に頼りになる『アイツ』が。」


ゆい

「……え?」


ソラ

「……そう……ですね……。

 わたしたち庶民の力では

 どうにもならない時に

 手を差し伸べてくれて、

 力をお貸しになってくれる

 『あの御方』が…!」


ゆい

「………………

 …………はっ!?

 そ、そうだ! あの子が居たね!

 こういう時頼りになる、

 最強の…四葉財閥!!

 ……ありすちゃん!!」


ソラ

「……はい!

 ありすさんなら

 なんとかしてくれます!!」


拓海

「ビバ、四葉財閥!!」


ゆい

「うん!

 マネー・イズ・パワーぁぁぁっ!」



……翌日、ありすに頼み、

四葉財閥の権力をもちいて

バ〇ダイに圧力をかけ

そらみちゃん用のプレゼントを

特別に用意してもらうことに。

こうして無事、ゆいは

目的の品を定価で入手できたのであった。


ありす

「あら?

 可愛いそらみちゃんのためですから

 お金は別によろしいですのに……?」


ゆい

「いや~……

 無理を通させておいて言うのもなんだけど

 そこまで図々しくなれないよ。(苦笑)」

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