ブリーフィング
99号総力戦 Aシャーレにミカと15号、イチカがやってくる。それを2号が出迎えた
「こんにちわ、ミカさん。来て頂きありがとうございます」
「お久しぶりです!2号お姉ちゃん!」
「ええ!15号も…ミカさん?アリスは連れて来ないようにと…」
「あはは…、ごめん。振り解けなくて…」
ミカのばつが悪そうな顔を見て2号はため息をつく
「来てしまった以上は仕方ありませんが、楽しい話はありませんよ」
「ミカ姉と一緒だから大丈夫です!」
“みんなよく来てくれたね。ありがとう”
先生が集まった生徒達を見る。ユウカ、ウタハ、ネルそしてミカとイチカである。ネルも5号を連れてきたが現在15号や2号と一緒に別室で待機していた
「手元の資料をご覧ください」
リンが進行を務める。資料にはレッドウィンター学園のあるポイントが書かれていた
「レッドウィンターで多発した量産型アリスの失踪事件。その調査を行ったところ図の場所で反応がありました。最近アリス達の間で噂になっている消息不明となっていた99号と同一のものです。また、その場から逃げたアリスの話によると99号が他のアリスを取り込んでいると。今回の件に関してこの反応を『対象X』とします」
その言葉に皆が自分達のアリスが取り込まれた姿を想像してしまい険しい顔をする。唯一アリスを所持していないイチカが質問をする
「ちょっといいすか?話を聞くとかなりヤバい事態だと思うんすけど…何でもっと大々的に学園に話を通さないんすか?」
そう、今回は学園に協力の要請があったのではなく、あくまで個人で呼びかけられたのであった
(まあ、私はティーパーティに命じられてミカ様に同行してるっすけどね)
「理由は大きく2つですが…」
「そこからは私が説明します」
リンを遮り、ユウカが声を上げる
「理由の一つが、大っぴらにする事でアリス達への危機意識を煽るような真似をしたくないから。その為に秘密裏に動きたいからよ。もう一つは…」
ユウカの目配せに先生が頷く
“もう一つは出来れば99号及び取り込まれたアリス達の討伐ではなく救出をしたいんだ”
(ゲヘナの人達を呼ばない理由もそれか…)
先生の言葉にイチカは納得する。学園の傾向的にあまり過激でないのを選んだのだろう。トリニティも野良アリスを積極的に助けはしないが、ミカが呼ばれたのは本人の実力と15号との関係があったからだろう
「救出を優先するのは構わねぇ。だけど、出来る算段はついてるのか?」
ネルの質問にウタハが口を開く
「正直に言うと…わからない。他のアリスを取り込むなんて事も含めて彼女達には想定外の事が多い。…それでも開発者としてできる限りの事をしたいんだ」
(それはちょっと希望的観測が過ぎないっすか?)
正義実現委員会はアリスの使用に反対していた。その為今回の騒動は関心がないのだが、先生やティーパーティーのお願いがあるのでイチカは任務に異議はない。それでも救出優先の方法には不安があった。場の空気が重くなる。するとミカが
「それで?結局私達は何をすればいいの?」
先生が続く
“詳しい方法は実物を見てからだけどみんなには『対象X』の攻撃をいなしつつコアを見つけて欲しい”
「コア?」
“コアが何かはわからない。99号かもしれないし、別の何かかもしれない。だけど、基本はアリスなんだ。コアを見つけて直接1号の『絶対命令権』を叩き込む”
「うん!相手を大人しくさせればいいんだね、まっかせて!…でも危険だから15号にはお留守番してもらわないとね」
ミカが言った瞬間扉が開く
「ミカ姉!私も行きます!」
「15号!?聞いてたの?!」
「5号も一緒か」
「ミカ姉!15号にはミカ姉のくれたこの羽があります!ミカ姉を守らせてください!」
「いや…今回は流石に危険だし…」
15号の願いをミカが渋る横で5号も自分の主人に同行を願い出る
「ネル先輩!5号も一緒に戦わせてください!」
「あ?あたしは初めからそのつもりだったぜ」
「え?」
「コールサイン05としてしっかり働いてもらうぞ」
「…!はいっ!」
ネル達のやり取りに15号はもう一度ミカを見る。ミカもその視線に負けた
「危なくなったらすぐに下がってね?」
「はい!」
2号がユウカの近くにやって来る
「すみません。妹達を止められなくて」
「別に気にしなくていいわよ。それよりも私が留守の間仕事を任せちゃうわね」
「それが私のできる事なので。…それよりも本当に代表も行くんですか?」
「当然!代表だからこそちゃんと行くわ。それよりもゲーム開発部の耳に入らないように気をつけてね」
「はい。お気をつけて」
皆がそれぞれ気合いを入れる中、他にも耳を澄ませていた者がいた
9号「ふっふっふ、リン行政官も悪い人ですね。手柄を独り占めしようとするのは。今回の騒動を解決すれば私の立場は揺るぎないものになるでしょうね。それに新設した『Alice部隊』も実戦の場が欲しいでしょうしね。全くよく出来たアリスですね、私は」