フレシアの幸福

フレシアの幸福



 愛とは奉仕されることである。


 いまにして思えば恥ずかしい話なのだけど、かつての私はそう考えていたの。


 もちろん、だからと言って奉仕される側の怠慢が許されるなんて自惚れてはいないわ。


 私にだって奉仕されるに足る立ち居振る舞い、そして美しく麗しくあることが求められる。


 そんな感じに、愛とはあくまで奉仕されることであり、決してこちらから誰かに施すようなものではないとあの頃の私は考えていた。


 それを聞いて、あの人は感心しつつもクスクスと笑っていたのだけどね。


「……いえ、ごめんなさい。フレシアのそれも間違いではないと思うわ。むしろ、正解は一つではないと言った方が正確かしら?

 愛って言うのは人間でも個々人や時期によって見え方が無数にある千差万別な物なのよ」


 彼女の返答はどうにも玉虫色のそれに思えて私は納得できなかった。


 憮然とした表情を隠し切れずにいると、彼女はどこか懐かしそうに口元を緩めて微笑んだ。


「貴女のような子なら大丈夫だと思うけど、大事なのは自分の価値観を絶対のそれだと思い込まないことよ。いざっていうときにその柔軟性を欠いてると苦労するもの」


 私が意味を測りかねて首を傾げれば、彼女はまるで幼い子のように楽しそうに笑いながら告げた。


「――自分のすべてが引っ繰り返っちゃうくらい燃えるような恋は唐突にやって来る、ってことよ♪」


 私、フレシアの蟲惑魔はかつて彼女とそんなやりとりを交わした。


 彼女が言っていた言葉の意味を理解したのはそれからしばらくの月日が流れ、セラと一緒にアティプスが男の子と暮らす洋館に連れられて来てからである。



 廊下で呼び止められて振り返れば、この洋館で一緒に暮らしている少年が立っていた。


 まだ幼く身体も小さい彼ではあるが、蟲惑魔三人を買ったあの人の養子であり、彼女が亡くなった現在ではその資産をすべて引き継いだ私たちの主である。


 それはそれとして、初めて会った日に好きに呼んでいいと言われたので、セラが『お兄ちゃん』と呼ぶのに合わせて私は『弟くん』と呼ばせてもらっているのだけれども。


「あら、どうしました?」


 私が口元に手を当てながら微笑めば、弟くんは困ったように視線を泳がせる。


 その初々しい反応にはそそられるものがあるし、そういうのが悪くない日もある。


 でも、それ以上に弟くんの望むようにしてあげたいと思うのが現在の私なのだった。


(かつての私が聞いたら、何て思うんでしょうね)


 考えずにはいられないけれど、現在の私はこの洋館で過ごす日々に満足しているので仮にかつての私が何を言おうとも知ったことではない。

 むしろ、あの頃の私の方こそ若気の至りと言ってもいいくらいよね?


 弟くんはしばらく黙り込んでいたが、寒くないのかと一言気遣うように尋ねてくれた。


「うふふっ。弟くんの気持ちは嬉しいけど、くすっ……薄着なのはアティプスも大概じゃないかしら?」


 むしろ、この洋館で暮らす蟲惑魔三人の中ではリセが一番厚着をしてるまであるかもしれない。


 そんなことを思いながら、私は弟くんの下腹部に視線を移しながら続ける。


「そ・れ・と・もぉ、薄着をしてるお姉ちゃんにムラムラしてきちゃったぁ?」


 少年は顔を俯けながら、図星を突かれたように身体を震わせる。


 ズボンの布地越しにも威容が窺えるほどに彼のおち×ちんは硬くなっているようだった。


 こっそり生唾を飲み込みながら、私はクスクスと微笑む。


「うふふっ、大丈夫♡ むしろ、弟くんが素直でお姉ちゃんはとっても嬉しいわぁ♡♡ さぁ、そのままじゃ苦しいだろうからお姉ちゃんがシコシコしてあげましょうね♡♡」


 身体を強張らせた弟くんの手を取ると、私はそのまま近くの客室に彼を誘い入れた。


 後ろ手に鍵をかけながら、壁際に立たせた弟くんのズボンを下着ごと下ろして勃起したおち×ちんを露わにする。


 大きく反るように屹立したそれは血管を浮かび上がらせながら脈打っていて、先端から先走り汁を溢れ出させながら雄の臭いを発していた。


 私はそれを思い切り吸い込みながら、雌が疼くのに酔いしれる。


「はああぁっ、ああっ、ああぁ♡♡ あぁ、大丈夫よぉ♡ 軽くイっちゃったけど、ちゃぁんとお姉ちゃんが弟くんを気持ちよくしてあげるからねぇ♡♡ れろっ……、ちゅっ、れろれろぉ♥♥ ちゅぷぅ、ちゃぷ……ぴちゃぁ♥♥」


 おち×ちんに舌を這わせながら上目遣いに見上げれば、弟くんは堪えるように身体を震わせていた。


 そんな反応がもう可愛くて、私は弟くんのおち×ちんを一気に咥え込むと頬を窪ませるようにしながら顔全体を動かして奉仕し続ける。


「れろれろぉ、ちゅぷ……ぴちゃあ♥♥ ひひの、ひひのよぉ……ほのままお姉ちゃんの口おま×こにへーひをひっぱい、びゅううびゅううって射精しちゃってぇ♥♥ ずぼぉ、ちゃぽぉ……ぴちゅ、ちゅぱぁ♥♥」


 身悶えするように震えていた弟くんは私の後頭部を両手で押さえると、顔の動きに合わせながらかくかくと微かに腰を振り始める。


 喉奥を突かれて目の端に涙が溜まってしまうのが分かるけど、それ以上に好きな人が私で気持ちよくなってくれているという事実が心を満たして全身を熱くするように昂らせる。


 弟くんがお姉ちゃん、お姉ちゃんと連呼しながら腰を振る速度を一気に速めていく。


 口内で暴れ回っていた弟くんのおち×ちんが一回り膨れあがるのを感じて慌てて身構えると、その直後におち×ちんが弾けて私の喉奥に直接精を注ぎ込んだ。


 私は頬を膨らませるようにしながら吐き出された精を受け止め、その後で少しずつ喉を鳴らすようにしながら嚥下していく。

 そして飲み干し終えた後には残った臭いを堪能しながら弟くんのおち×ちんに舌を這わせ、綺麗にしてあげた。


「れろぉ、れろれろぉ……ずずっ、ずぞぉ♥♥ れろ、ちゅぷぅ……きゅぽんっ♥♥♥ さぁ、綺麗になったよ。弟くん、いっぱい射精せてえらかったね♡ よしよし♡♡」


 立ち上がって弟くんの頭をよしよししてあげると、彼は頬を微かに赤く染めながら顔を俯かせた。


 そんな姿は食べちゃいたいくらい可愛いけど、その下腹部ではおち×ちんが雄々しく屹立したままだった。

 毎度のことながらまだ幼いとは思えない逞しさには恍惚とならずにはいられない。


「大丈夫よ♡ 弟くんが皆まで言わなくても、お姉ちゃんが最後までちゃあんと気持ちよくしてあげますからね♡♡」


 私は再び彼の手を握ると引き込むようにして、そのままベッドに押し倒した。

 そして呆気に取られている弟くんの腰に跨り、ショーツをズラしながら彼のおち×ちんをおま×こで咥え込んだ。


「はああっ、ああっ、あんっ♥♥ 弟くんのおち×ちん、私の一番奥を擦ってぇぇ♥♥ ああっ、やっ、んんっ、ああんっっ♥♥ あぁっ、いぃっ、いいのぉ♥♥♥」


 身体をゆっくりと左右に揺らすようにしながら動き始めて、徐々にくねらせたり前後に動く動きを織り交ぜていく。


 その度に弟くんのおち×ちんが私の膣内の最奥を容赦なく抉って、快楽を帯びた痺れが全身を駆け巡る。


 はしたなく嬌声をあげながら、私は弟くんの上で情熱的な踊りを舞い続ける。


「ああっ、あっ、あああんっ♥♥ どうっ、弟くんはどぉっ?♥♥ お姉ちゃんの膣内は、弟くんも気持ちいい?♥♥ って、ああぁんっっ♥♥♥」


 私が身体を跳ねさせながら問いかければ、弟くんは首を必死に縦に振りながら手を握ってくれた。

 そして彼の腰が勢いよく突き上げられた同時に主導権は完全に移ってしまって、後はもう弟くんのペースでされるがままだった。


「ああんっ、ああっ、ああっ♥♥ 弟くんってば上手にぱんぱんできて、えらい♥♥ えらい♥♥ でもでもぉ、気持ちよすぎてぇ……だめぇっ、お姉ちゃん……もう、イくぅっ♥♥ イっちゃうからぁっっ♥♥♥」


 弟くんに突き上げられながら、頭の芯がキュッとして視界が明滅する。

 それでもしっかりと弟くんとつながれた手の感触はちゃんと残っていて、その温かさが私をこれ以上なく幸せにさせた。


「ああっ、好きよ……弟くん、好き好き……大好きぃ♥♥ あああっ、あっ、ああああ~~~っっっ!!!!♥♥♥♥」


 私は悲鳴のような嬌声をあげながら、弟くんの上で身体を折れんばかりに仰け反らせる。


 今度は膣内で限界まで膨らんだ弟くんのおち×ちんが弾け、私の子宮を目がけて精の奔流を注ぎ込んだ。

 そのまま脱力して崩れ落ちた私を弟くんが優しく抱き止めてくれる。


「……はぁ、はぁ♥♥ うふふっ、ありがとう。こんなにも優しい弟を持てて、お姉ちゃんとっても嬉しい♡♡」


 弟くんは何か言おうと口をぱくぱくとさせたが、言葉にならなかったようでそのまま閉じてしまう。


 しかし、私はそんな決定的なチャンスを見逃すお姉ちゃんではないのです。


「――ちゅっ♡♡ うふふっ。大好きよ、弟くん♡♡」


 私は素早く顔を寄せて彼の唇を奪うと、その感触を確かめるように自らの唇を指でなぞる。


 幸せすぎて……それはもう、自分でもだらしないって思っちゃうくらいに満面の笑顔を浮かべていたのは、二人だけの秘密ということにしておきましょう。

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