フルルドリス~あなたに触れたくて~
「アルバス君。あなた、私の胸ばかり見ているでしょう?」
「え……いや、そんなことない、です、よ……?」
「アルバス君。私は、あなたと距離を近づけたいと思っています。エクレシアの大切な人であるあなたと」
「……フルルドリス、さん」
「そうやって他人行儀に話をされると少し寂しいです。いえ、出会った当初、乱暴な言葉遣いを改めるよう言ったのは私でしたね」
フルルドリスはアルバスの身体を抱きしめる。
「あの、フルルドリス、その、おっぱいを男にそうやって押し付けないでくれ。我慢できなくなる」
「ですからいいのです。私も男性の性欲に相対するのは初めてですが、あなたのことを受け入れたいと、そう思うのです」
「……いや、でも……」
「……全く、煮え切りませんね」
溜息を吐き、フルルドリスは自らの胸に手を当てたかと思えばいきなりその衣服をビリビリと破いた。
革の胸当てでその溢れそうな乳房は支えられ、ぐにゃりと歪みながら乳首を露出されている。
乱暴に差し出されたそれは今までアルバスの中で幾度となく妄想された姿だ。そう、強姦。尊厳を踏みにじり、蹂躙し、自らの性欲の発散だけを目的とした恥ずべき行為。その獣欲を自覚していたからこそ、表には出さなかったというのに。
だというのに、この女は――。
「はぁ……ハァ……」
アルバスはフルルドリスを押し倒す。
「ん、アルバス君……?」
異変を感じた。
今の目の前の相手は本当にアルバスなのか? と疑いを持つほどに。事実、フルルドリスは男の性欲というものを甘く見ていた。
(……あぁ、エクレシア。あなたが見たものは……)
だというのに、必死に耐えて。目の前の存在を傷つけないようにして。そんな優しさを今だって失っていないのだ。
そんな存在を愛おしく。救いたいと。そう願うのがきっと女の本能なのだろうと悟ったのだ。
「ちゅ」
おでこにキスをする。ありったけの親愛をこめて。愛を誓いあう存在でなくてもいい。ただ目の前の彼のことを癒したい。
「本能のままに。胸を露出して人前に出ることなどありませんから。大丈夫ですよ」
「はぁ……フルルドリス……!」
ぐにぃ、むに。乱暴に乳房を弄ばれ、目を血走らせるアルバスの姿に、フルルドリスは背筋にぞくりとする快感を覚える。
「あ、ん……歯、は、出来れば、立てないでもらえると……」
そして乳房を口に含み始める。
フルルドリスは自分のおっぱいが人より少し変わっているという自覚がなかったが、実は陥没乳首であった。
だからアルバスはその乳首を音がするほど激しく吸い上げ、無理やり引き出そうと大きく口に含みながら強引に引き寄せようとする。
やがて、ぷくりと乳首が勃起し、露出すると、アルバスはフルルドリスの言いつけを守るように舌だけで愛撫し、涎でふやけるほどにねっとりと責める。
「んん……だめ、そんな、優しく、なんて……ふぁああ!!」
「はぁ……はぁ……」
やがて、胸への接触が不規則になっているのに気づく。
「アルバス…………? ひっ」
フルルドリスは下へと視線を移すと、アルバスが自らの肉棒を擦り上げているのに気づき、小さく悲鳴を上げる。
既に我慢汁が溢れ、血管が浮き出るそれはあまりにも太く、凶暴に震えていた。経験のないフルルドリスにも、尋常ではないと一目でわかった。これが本当に入るのか、と想像している自分に気づき、人知れず体温が上がる。
そしてアルバスはフルルドリスの乳房に顔を預けながら、その肉槍を自分の手で壊れそうなほどに激しく擦っている。
「……アルバス君……」
必死に手を伸ばして、アルバスの手に自分の手を重ねる。
「……ふるる、ドリス……あ、いや、その……」
「わたしがしてあげます……あ、いえ。その……私がして、気持ちいいのかは保証できませんが……」
ただそのままではアルバスが壊れてしまいそうな気がした。
それだけではない何かに浮かされながら、フルルドリスはアルバスの肉棒に手を伸ばし、我慢汁に汚れながらも手淫を開始する。
「ぁ……ぁああ!!」
獣じみた喘ぎをあげるアルバスに、フルルドリスは腹部に熱がこもるのを感じた。
「どうですか? アルバス君。気持ち、いいですか」
「ん、きもちい、い……自分でやるのとは、全然違う……」
「そう、なのですか……?」
アルバスを、雄を気持ちよく出来ているという事実に、フルルドリスもまたどんどんと理性を失くしていく。
「ぁ、フルルドリス、イく、イくから、はなれ……」
「え? なんですか? どこに、イく……て」
ビュルル! ビュク! ビュルルル! アルバスの肉棒から精液が激しく飛び散り、フルルドリスの顔まで届く。
(……♡! ♡♡♡♡ッ!!!!)
その匂いを嗅いだ途端、ビクンビクンとフルルドリスの身体も震える。これが女の絶頂であると、後に知ることになる。
「……フルルドリス……」
精液を放出し、冷静になったアルバスが、必死に考える。一体何を言うべきなのだろうか、と。
「……ありがとう」
ぎこちなく笑みを浮かべたアルバスに、フルルドリスは胸が高鳴るのであった。