フキタニーニ

フキタニーニ

キャラバンズのアチャモ

僕が『作品制作』を始めてから4年が経った。

おかげさまで作品数は15点にも上り、少し前には16点目の作品『トルソ』が完成した。

アトリエに並ぶ『作品』たちを撫でる。

肌は生きていたときのように張りがあり、吹き出物や傷など一切ない、これ以上老いもせず、劣化もせず、美しいまま後世に残り続ける…。

この『作品』たちこそ、 僕が求めていた『美点』への救済だ……。

母屋に戻り、大型液晶テレビに今日のドライブレコーダーから取りだしたデータから次の『ターゲット』の映像を再生した。

二人の少女が親会社でもあるギンガ団ハクタイビルに入っていく様子だ。


名前は何だったか…褐色肌でガラル人の血が入っているのか彫りの深い顔立ちだ、体つきも地元の人間と違う特有の筋肉の着き方をしている。たしか親会社の社長の娘だった気がする。

よくメディアで見る空色の瞳が彼女の褐色の肌にもひと際異彩を放つ。

胸は残念なほどに平らだが、尻と腹は悪くない…64点というところか…この子は目当ての子のついでにいらない皮膚と脂肪を剥ぎ、筋肉と瞳を残して『スケルトントルソ』と『ジュエリー』をもらおう。

そして、お目当ての少女を採点するこの『ターゲット』は4年前から目をつけていた。当時から二人には光るものがあったが、この子は特に良い。

名前はヤクチ クシャ、艷やかな黒髪に紫の瞳、色白の肌に黒い短髪が良く映える。

容姿は……84点、スタイルも申し分なしだが、彼女の最大の魅力はなんといっても普段は無表情な彼女が微笑んだりするギャップ差だ。

それに、彼女の笑顔を見ると心が安らぎ、癒される。

その為にわざわざ僕は営業の時間の合間をぬって彼女を観察しに行くほどだ、その為に4年前からわざわざやりたくもない外回りの営業に部署を変え、ギンガ団員のパトロールの巡回ルートを把握するなどの労力をかけたくらいだ。

彼女をあんな両親のような醜い姿になど絶対にさせない。

だから、僕は彼女を成長を止める。


そうすれば、彼女は永遠に美しい少女のままだ。

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