フォービドゥン・ドラグマ中編
フルルドリスと婚約者との式はまさに一大事業であり国を挙げてのものとなり準備にも多大な労力と時間が費やされた
聖女とは教導国家の象徴であるが故にフルルドリスの結婚が国民に羨望を与えるものであるほど大神祇官による神託で決定づけられる婚姻制度はより正統性と重みを増すのだ
しかし、その裏でフルルドリスと義父は何度も逢瀬を重ねて濃密な時を過ごしていく
フルルドリスはなんとか治療法を探してはいるが彼女は医者ではない
聖痕を持たぬ存在を一切認めない排他的な教導国家において多くの情報は法で規制されている
現に騎士の一人であるアディンも植物栽培に興味を持ち神託を得ようとしたが、大神祇官はその危険性を説くにとどまりアディンの願いを聞き入れることはなかった
そのためフルルドリスは拠り所のない不安と焦りを覚えながら発作的に湧き上がる義父の性衝動を受け止め、その欲求を解消する存在となっていた
「今日も……頼む……」
「それでは、はじめましょう……」
焚かれたアロマの香りは開戦の証であり、これから起こることを双方に覚悟させる
フルルドリスは服装は夜間着の白のブラウスで服越しでも存在感を放つ2つ膨らみは窮屈そうに布地を押し上げて義父の情欲をそそる
「はぁ……今日も美しい。もっと近くで見せてくれ……」
「ふふっ、お義父様ったら私の胸にすっかりご執心ですね」
義父は欲情しながらも目の前で強調された乳房に手を伸ばしてゆっくりと揉みしだく
するとフルルドリスはぴくっと身体を震わせて甘い吐息を漏らす
「できるだけ控えようとは思っているのだが……どうしてもこの柔らかな感触を味わってしまうと抑えがきかなくなるんだ」
「お気になさらないでください。今の私にできるのはこの程度ですから」
これらの行為は中毒性が高いのか射精によって発散して一時的に欲求を抑えることができても、またすぐにフルルドリスの肢体を求めてしまう
フルルドリスはこの状況があまりよくないとわかってはいるが解決に導けない贖罪意識から義父の頼みを断ることができなかった
「っ…んんっ…」
フルルドリスは押し殺したような声をあげる
ブラウス越しに義父の指は深くフルルドリスの乳房に沈み込み、その先端をつまみ上げて擦りあげる
「はぁ……っ、気持ちいいです……お義父様、もっと強く」
「ではその言葉に甘えて」
義父が力を込めると両方の乳房が握力によって大きく形を変える
いまではすっかり肥えてしまったが元騎士なだけあってか力強く、痛みを感じる一歩手前の絶妙な力加減でフルルドリスの肢体を蹂躙する
「ふぁっ、ああっ!んっ…あっやぁっ」
「ああっ、その声だ……堪らない。もっと聞かせてくれ」
喘ぎ声が大きくなったことに気を良くした義父は更に上下の動きを激しくさせる
ぶるんぶるんと激しく揺れ動くフルルドリスの乳房を交互に上下させるとブラウスの布が擦れる音が一層際立つ
フルルドリスは身体をくねらせながらその快感に身悶える
フルルドリスはこの感覚が嫌いではなかった
問題はなにも解決しておらず婚約者をはじめた周囲にこのことを隠し続けているという無力感や罪悪感をこの感覚が忘れさせてくれる
今は義父の欲求を叶えることこそ最優先でありこの場においてはこの感覚に身を委ねることこそ正しいと自身に言い聞かせる
「そろそろ直接触れてもいいかな?」
「はい、お願いします」
義父はブラウスのボタンを一つ、また一つと外して下着に手を添えて引っ張ると重力から解放された乳房がゆさりと重力に従って大きく揺れる
汚れ一つない真っ白な肌は彼女が騎士長としての凄まじい強さを物語っている
そして圧倒的なボリュームでありながら垂れることなくハリのある形を保ち続けている
「いつ見ても美しい……」
「ありがとうございます」
何度見ても見飽きぬそれは義父の目つきを獣に変える
「こっちへ」
義父はベッドに腰を掛けて手招きすると高雄を自分の膝に座らせた
そして上半身裸になると腰に両手を伸ばしフルルドリスを抱き寄せる
「ひゃっ」
互いに背中越しに直に伝わってくる高い体温は2人の情欲をさらに掻き立てる
彼らはこの瞬間自身が何者であるかを忘れ
、ただ目の前の相手に夢中になっていく
「ああ……熱い……」
フルルドリスの吐く息に義父はゴクリと喉を鳴らすとを下から持ち上げるように揉み始めた
「んん……」
「はあ、はあ」
フルルドリスはブラウス越しでも十分だった刺激が直接与えられることによって快感を噛み締め、義父は息を荒げながら先程よりはっきりと伝わる乳房の柔らかさと温もりを堪能する
「っ、そこ……あん」
義父の指が先端の突起を押し上げるとフルルドリスは身体を跳ねさせる
「フルルドリスはここを触られるのが大好きなようだな」
「ん……はい」
乳首を擦られ、この日一番大きいな喘ぎ声を出すフルルドリスに義父は追撃とばかりに指で強く押し込む
「ああっ!?ちょ、ちょっと……待って……ください」
思わず待ったをかけるフルルドリスの言葉に従い義父は動きを止めるがその手は乳首のすぐ前で待機したままにしていた
これをはじめた当初は勝手がわからず何度もフルルドリスの顔を伺っていた義父であったが今では彼女がなにを求めているのかを理解している
「あ、あの……その……」
フルルドリスは顔を紅潮させ、もじもじとしながら義父の指を見つめる
「どうした?言ってみなさい」
義父はフルルドリスがなにをしてほしいのかわかっていながらあえて彼女に言わせようとする
「お、お義父様……もっと……触ってください」
「いい子だ」
義父は褒めるようにフルルドリスの頭を撫でたあと彼女の望み通り乳首に触れる
「んあっ、やっ!これ……すごい」
乳首を摘まみ、擦り、捏ねる
義父が乳首を親指で何度も弾くように擦れば
フルルドリスは身体をくねらせ、人差し指と親指で挟み込んでくりくりとこねればフルルドリスは甘い声をあげる
「はぁ……はぁ……」
義父の執拗な愛撫にすっかり蕩けた表情になったフルルドリスの耳元へ口を近づける
「気持ちいいかな?」
「はいぃ…気持ちいいですぅぅ」
フルルドリスの思考は桃色に染まる
騎士長でも聖女でもない、ただの女としての彼女がそこにはいた
「あっ……それ、だめっ!なにか……きて」
体の奥から何かがこみ上げてくるような感覚に襲われるフルルドリスだが義父がここだとばかりに最後に思い切り乳首を摘まれたことで一気に心の防波堤は決壊する
「イッックゥウウウ!」
腰を跳ね上げ、快楽の波に全身を痙攣させたフルルドリスはぐったりと義父にもたれかかった
「ふぁ……っ」
フルルドリスは虚ろな目をして余韻に浸っていると義父は彼女の耳たぶを甘噛みした
「ひゃぅ!?お、お義祖父様?」
「フルルドリス、私はまだ満足していないのだが」
義父の肉棒が履物越しに彼女の尻に硬い感触が押し付けられる
「そうですね。今度は私から……」
フルルドリスはそう言ってぴんと張り詰めた義父の天幕を撫ではじめる
フルルドリスのしなやかな手が上下に往復すれば義父の肉棒は硬さを増していく
「ふふっお義父様、もうこんなに……気持ちよくなってくださっているのですね」
「ああ、君のその美しい手つきが私を狂わせるのだ。だから……」
「ええ。わかっております」
中毒になるのはよくないが我慢のしすぎは却ってよくない
だからフルルドリスは義父の気が済むまで相手をすることに決めたのだ
「それでは、いきます」
「ああ……」
今度は頂点をカリカリと爪で優しくひっかくと義父はよがり声を大きくして快楽に浸っていた
当初は規則的な動きで扱くにとどまっていたフルルドリスであったが、やがて同じ刺激ばかりでは次第に射精までの時間が長くなると感じて彼女は緩急をつけた動きを心がけていた
やがて猛烈な射精感がこみ上げてくるのを感じた義父は身体を捩って堪らえようと試みる
「お義父様、我慢なさらずにどうぞ」
「わかってはいるのだがなにかもったいないような……気がしてな。もしよければ前にやったようには胸でしてくれないだろうか」
「あれですね。それほどまでに気に入ってくださったのなら。わかりました」
フルルドリスは義父の要望を聞き入れて微笑むと膝から降りて身体を振り向かせ、座ったままの義父の足の間に膝立ちで入り込む
履物を下ろすと雄々しく隆起した肉棒が姿を現す
先端からは先走り汁が絶えず染み出し、そこからわずかに漂う香りはアロマに包まれた部屋のなかでも一定の存在感を保ち、彼女の嗅覚に訴えかける
「すごい……それでは挟みますね」
身体を更に男の股間に近づけると乳房の間に肉棒が入り込む
フルルドリスが両手で左右から力を加えると、肉棒との境界ががどんどん狭まっていく
フルルドリスには熱くて硬い感触が、義父はには温かくて柔らかい感触が伝わってくる
義父とフルルドリスには知る術のないことだがこの行為は近年国外の異教徒が編み出して確立したと言われているが、男と女の歴史はそのはるか前から連綿と続いている
口外していないだけでもっと古くからあってもおかしなことではない
知識とは教科書からだけで得られるものではないのだから
獣たちのまぐわいを見て知見を得た義父は好奇心に駆られて様々な交わりを試し、フルルドリスもまた治る見込みのない治療の中でその点においては確かな手応えを感じることで奉仕欲と自尊心を高まり次第熱をあげて研究を重ねる
彼らは知識がなくともそれを愉しむ術をいつのまにか会得していた
「うをぉ」
あまりの気持ちよさに義父は変な声を出してしまう
すべすべして柔らかなに乳房に包まれる快感と付着した先走り汁が小さい音ではあるがぬちゅぬちゅと淫猥な水音は手で扱かれるのとはまた違った良さがあった
「心地よい。不謹慎なことであるが生きていてよかったとそう思えるほどに」
「ふふ…そこまで言っていただけると私も嬉しいです」
義父とフルルドリスにはこの行為を行う際にいくつかの取り決めがあった
その1つが行為中は罪の意識からくるものを極力除き、純粋に快楽のみを追求することであった
腹の内を曝け出せるのは互いしかいないからこそ、こうしてお互いが気兼ねなく行為に没頭できる環境づくりを無意識に行っていた
フルルドリスは圧迫を強めて乳房を閉じると口内で唾液を生成し始める
出来上がった唾液を口から少量ずつお垂らしていくと、谷間を伝って唾液が中の肉棒に行き渡っていく
これはやり方を試行錯誤するなかでこうしたほうが滑りがよくなってより気持ちよくなるのではと考え思い付いたものだった
「くうっ」
生温かくぬるぬるとした粘液が潤滑油となって義父はより強い快感を味わうことになる
「もっと激しくしますね」
フルルドリスが乳房を下から持ち上げて上下に擦り始めればでぷるんぷるんと揺れ動く様は視覚
先程より粘度を増した液体の水音は聴覚を
パンパンと股間に打ちつけられる乳房の感触と包まれる圧力によって触覚を
義父は五感に訴えかける複数の刺激に身を委ねて酔いしれる
それはこれまで味わったどんな美酒よりも味わい深く、極上のひとときを彼にもたらしていた
「はあん、お義父様のモノが……胸の中で……」
一方フルルドリスも肉棒が溢れ落ちないように乳圧を強くすると雁首の段差が引っ掛かり、擦れることによって生じる快感で彼女の興奮も高まる
この喜びをもっと感じたい、感じさせたい
自然とフルルドリスの手はより強くより早く動くようになる
「おおっ、おおお!」
そして義父にも限界が訪れる
「もう限界だ」
「ええ、いいですよ。全部受け止めますから」
「ああっ……射るっ!!」
「んんっ!!」
フルルドリスは乳房の中が大量の熱い液体で満たされていくのを感じ取ると自らの言葉を果たさんと谷間をきつく締めて一滴残さず射精を受け止める
義父もまた本能的に腰を小さく動かして、彼女の乳内を堪能しながら己の身体の内ににある毒素をすべて吐き出そうとしていた
「気持ち……よかったですか?」
「ああ。それはもちろん」
乳房を引き抜くと義父の肉棒には大量の精液が付着しており、フルルドリスは確かな手応えを得る
「よかった。上手くできたようですね」
それをみてフルルドリスは安堵の息を吐くとめると乳房の中がぐちょりと音をたてる
その淫猥な音に中はどうなっているのかと気になった様子な義父の視線を感じ取るとフルルドリスは自らの乳房を開き精液まみれの谷間を開示する
「こんなにも……いっぱい射ましたね」
精液の塊がべっとり付着し、谷間には太い柱のような橋がかかっていた
「これを膣内で射せたら……一体どれほどの快感が……」
「お義父様、それはだけは……」
「わかっている。その一線は必ず守る……」
義父は知っている
かつて妻と交わったときに一番強い刺激を得られたのが膣内での交わりだったと
しかし、フルルドリスには婚約者である息子がおり、もし神託以外の日に交わりフルルドリスが妊娠でもしてしまえばこれまでの不貞は明るみに出てしまうからだ
そのような考えを抱く自身を義父は恥じる
それではまるで秘匿さえすれば自身の罪が赦されると思っているようではないかと
ひとたび夢のような時間が過ぎされば自身は快楽だけを求める獣から教導国家の民としての誇りと自身の欲求との板挟みに苦しむ人間へと戻る
それはフルルドリスも同じで、聖女として騎士長として多くの荷を背負う彼女は義父以上に罪の意識を抱いていた
実はその問題を解消する避妊具はすでにこの世界にも存在している……教導国家を除いて
教導国家にとってまぐわいとは人口を増やす手段でしかない
故に大神祇官は徹底的に法によって縛りつけることでそれ以外の価値観を握り潰し、その術を秘匿する
セックスを娯楽にする避妊具など教導国家には必要ないのだから
それは知らぬまま義父とフルルドリスはその衝動を抑えようと努めるのであった
しかしそれは裏を返せばそれさえ守ればなにをしてもいいという都合のいい解釈に変わりつつある
彼らは密かに心待ちにしていた神託の日を
「フルルドリスお姉様?最近は少し働きすぎな気がします」
「エクレシア、私は大丈夫ですよ」
フルルドリスはエクレシアの何気ない言葉にどきりとしながらも平静を装って返事をする
フルルドリスは公務に鍛錬などと近頃はなにか理由をつけては常に動き回るようになっていた
次第に快楽に対して貪欲になっていった自身の欲望を気づけばいつまた夜が来るのかと余計な思考を張り巡らせる
それを振り払おうとフルルドリスは仕事を詰め込んで考えることをやめて作業に打ち込む日々が続いていた
「でも……その……」
「もうっ、エクレシアは心配性ですね。本当に大丈夫ですから」
フルルドリスは微笑んで自分はなにもないと言い聞かせる
「本当ですか?なにか辛いことや悩んでいることはありませんか?」
「それは……」
フルルドリスは口をつぐむ
その反応を見てエクレシアの表情はより深刻になる
たがそれをフルルドリスは言うわけには行かなかった
感染してしまうから
そこに興味を抱いけば、それを知ってしまえば抜け出せなくなってしまうから
それは危険なのものだと近づいてはならないと姉として、師として彼女を守らなければならない
「ごめんなさい……私はお姉様を困らせたいわけじゃないんです。ただ、お姉様が心配で……」
「ありがとう。エクレシア」
フルルドリスは俯くエクレシアを優しく抱きしめる
フルルドリスがこうするといつも彼女は嬉しそうに笑ってくれるからと
だが、エクレシアの表情はどこか拠り所がないようなそんな表情だった
喜ぶべきか悲しむべきなのかわからない
どうすればフルルドリスの心が安らぐのかわからず、ただされるがままになっている
「すみません。私自身もどうすればいいかわからなくて」
「お姉様……」
何故このような感情を抱くのかフルルドリスにはわからない
エクレシアもフルルドリスも聖痕を持って生まれ聖女と讃えられる存在であり、自身の役割も生きる意味も決まっているはずなのにいま立っているこの場所がひどく不安定でなにかの拍子で崩れてしまいそうなそんな恐怖と隣り合わせであるような気がした
それを自覚したときフルルドリスはエクレシアの瞳が移す自分も彼女と同じように不安と恐怖の入り混じったなんとも情けない表情をしていることに気が付いた
そしてそれが安堵に変わる
自分だけが異物ではないと
だから義父を独りにしてはいけないと
フルルドリスの中で新たな価値観が芽吹こうとしていた