フェリジット裸Yシャツ
フェリジットはずぶ濡れの猫になった。
空が少し暗くなったなと思ったら、蛇口をひねったように雨が降ってきた。彼女は強い雨に打たれる。出かけた時は快晴でフェリジットは傘を持っていなかった。
フェリジットは軒先を借りていたが雨はまだ降り続ける。
「シュライグの家の方が近いかな」
買い物袋を持つ手も大分疲れている。勢いが止まらない雨の中を歩くには少し体が冷えた。
シュライグに夕飯を作ろうなんてフェリジットは思った。
「びしょびしょだな」
「急に降ってきたのよ」
シュライグは玄関を開けた。急に訪れたのにフェリジットを中に入れる
「シャワーを浴びていけ」
「ありがとう。後、シャツ一枚貸して」
フェリジットは何度も彼の部屋に訪れたことがある。相変わらず整理整頓されている。フェリジットの部屋と違い床に物がない。
勝手知ったる他人の家だ。服をハンガーに干してシャワーを浴びた。
「やっぱり下着はまだ乾いてないわね」
フェリジットは苦笑いを浮かべた。バスタオルの横に大きめの白いシャツが置かれている。
それを手にとって素肌の上に羽織った。腕の長さが足りなくて袖を折っていく。前のボタンを留めてしまえば裾の短いワンピースに見えなくはないだろう。
(なんだか、シュライグに抱きしめられているみたいよね…)
少しだけフェリジットは照れた。彼の服を着ただけなのに、優しく抱きしめるシュライグの姿が浮かんできた。
シュライグは本を読んでいたがフェリジットの姿を見ると固まった。
再び動き出したシュライグはカーディガンをフェリジットに着せた。