ハレニニがデート中のフゥリを目撃した
ある日のこと。
今日は御巫の仕事も休みのため、アタシはニニと二人で街に繰り出していた。本当はフゥリを誘って一緒にお出かけしたかったのだが、どうしても外せない用事があると言われて断られてしまった。あんなすごく申し訳無さそうな表情で言われてしまっては、こちらも諦めるしかない。
「次はあっちの店行こうかニニ」
アタシはニニと遊ぶことと欲しかったものを買うために、二人で色々な店を回っていた。もしフゥリがいてくれたらもっと楽しい時間になっていたと思ういや、でも最近は結構フゥリと一緒にいたし、たまには昔みたいにニニと二人でいるのも悪くないのでは? むしろニニと二人きりに慣れてラッキーなのでは。そういうことにしておこう。
買い物リストを脳内に思い浮かべて、次の目的地が分かったところで歩き始めた――時だった。
「ん? あれは」
「もしかして……」
休日ということもあって街中には人が溢れかえっているのだが、その人混みの中で一人だけ見知った人物がいたのだ。
――そう、フゥリである。
まさか、フゥリも同じ街にいたとは。用事って、買い物だったのかな? だったら、アタシ達の買い物と一緒に行けたのでは? うわー、フゥリの用事がなんなのかともう少し踏み込んだ質問をしてみればよかったと少し後悔する。その時は、さすがに何の用事か聞くのはしつこいかなと思って聞けなかったんだよね……。
しかし、その考えは次の瞬間には打ち砕かれることになる。
「うん? よく見たらフゥリの横に誰かいる……? ――っ!」
どうやらフゥリは一人じゃなく、誰かと一緒にいるみたいだった。休日にこんな街中で一緒にいる人……
「……男、の人」
「おい、ニニ、アタシのセリフ取んなよ」
「あら、ごめん」
フゥリの隣にいたのは男の人だった。二人の関係は良好なのか距離感が近く、フゥリの顔も満更でもなさそうだった。
男の人は外国の人、メガネを掛けてて、缶バッジがたくさんついてる……一言で言ってしまえばオタクさんだった、でもなんだか、お似合いの二人だった。
フゥリ恋人いたんだ
……まあ、そりゃあそうか。フゥリもいい年した大人ですし? 恋人の一人や二人いてもおかしくないでしょ。いや、二人いたらそれはおかしいけどさ。
「ハレ、追いかけよう」
「そうだな、ニニ」
フゥリのことが気になるのでアタシたちはフゥリたちを追いかけた。
フゥリたちはクレープ屋に来てお互いにクレープをシェアしている
「美味しいねフゥリ」
「ギーク君のやつ一口ちょうだい?」
「いいよ、その代わりフゥリのやつも」
「いいよ」
くぅー理想的カップルみたいなことしてこっちが恥ずかしくなる。見せつけやがって(勝手に見てるだけ)
「ハレ、私達もクレープ食べない?」
「そうするか」
次は映画館に行くのかさすがここは追いかけれないからアタシたちは帰った
「明日、フゥリに彼氏さんのこと聞いて見ようかしら」
ニニ悪いカオしてるなー。
フゥリには彼氏がいる。
そのたった一つの事実だけで、アタシとニニはおもしろがらづにいられない
翌日。
まさか昨日恋人と一緒にいたところを見られたなんて微塵も思っていないフゥリは、いつもと変わらない態度でいる。
「フゥリ、昨日のデートはどうだったんだ?」
「最っ高だった……何で知ってるの?」
「デート中のあなたを見かけたから」
「で彼氏さんとはどこで知りあったんだ?どんな人なんだ?いつ付き合い始めたんだ?」
「ちょっとハレ、困ってるでしょ」
「あっ、ごめん」
「いや、まだ付き合ってないよ」
「えっあんなにいい感じなのに?」
「嘘でしょ?」
「いやまだギーク君とは……」
「いやでもさっきデートって」
「あれはボクが思ったからそれはデートだよ」
フゥリって意外と面倒くさいな